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さいていの果肉  作者: マヲ
美鬱の家
3/4

とびらの縁者たち

溜め息など飽きてしまった。





肉親も遠親も、みな "憂鬱" という病を飼っていた。



脳に。


心に。


腹に。


喉に。




そういう家系らしかった。



 とんだご迷惑ですわね、

男だか女だか明るくない義弟が、雨をささやく。




(やつがれ)は相槌を打ってやったろうか。




 打たなかったんじゃぁないの、忘れんぼさん

 だって貴方は非道(ひど)いひと



腹痛は叫ぶ。





扉をあけろ、扉をあけろ、扉をあけろ、扉を




どうか、どうか、申し上げますわ。






右側面に比べ、質素で単調の左壁に手を滑らせた。



壁には蝶がとんでいる。



筆圧の弱い、よわい、鉛の蝶。




扉のすきまに挟んだ蝶。



養女の妹は泣いた。




呪縛が彼女の才能で、彼女の矛と盾を成す。


()れで(やつがれ)らを刺して(なぐ)っては、正義を知った。





(やつがれ)は目前の(きょうふ)に踵を向けた。





此処に居ては、喉が潰れる



蝶のりんぷんが滴る扉を、体で開ける。




 またにげた。

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