表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/23

第4話、門柱

 ワズがその案内の始まりとしたのは、正門玄関だ。

「築250年は過ぎているのは確実ね。帝国ができてから、ざっと見て600年だから、その時からあってもおかしくはないわ」

 9つある門柱は、先ほど見ていただけではわからないような、見事な彫りが入っていた。1本ずつモチーフが違うらしく、それぞれ異なる動物が彫られている。しかし、左右から見て5本目、中央に太くそびえている柱だけは、人が彫られていた。

「これはどなたなのですか」

「ああ稀人は知らないわよね。この中央の柱は、金銭を司るとされる神様、ミコールという方よ。その左右にいるのはミコールが遣わす聖的な存在。神話によれば、ミコールは古の時代、神々の金庫番であり、その鋳造を担当してらしたの。あるとき、最高神へその鋳造した金貨の一つがこぼれ落ちてしまった。人間界へ落ちてきた金貨は、人にとってはあまりにも巨大だった。そのため金貨は丹念に清められ、わずかなかけらとなり散らばった。最高神はそのことにお気づきになられたが、ミコールを罰することはなかった。まあ代わりに人間界に存在する貨幣を調製し、その技術を教えることになったわけなんだけど」

 柱と柱の間は天井まで届く大きなドアと、高さ3分の1ぐらいの小さなドアが重ねられている。どちらでも開けることができるようになっていた。普段開いているのは小さな方で、何か事があれば、大きい方を開けるのだろう。

「じゃあいいね。次は中を案内してあげるから」

「はい」

 ワズの言葉で私は我に返り、彼女の後ろをついて再び建物の中へと入った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ