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第18話、年金

 ある日、私が仕事をしていると、ゆっくりとご老人が来られた。

「どうぞ、お座りください」

 すまないね、とご老人が言ってから座ると、私に書類を見せた。どうやら、これの説明が欲しいらしい。私が預かってざっと目を通してみると、年金についての書類だ。

 この帝国は、日本と同じように年金が運用されている。積立方式であり、全国民が加入する国民年金があり、それ以外に法律で定められた業種が運用することになっている厚生年金の2種類がある。この方は、定年である55歳まで働き続け、その結果、厚生年金が支払われることになったという通知書だ。

「失礼ながら、ご職業は……」

「冒険者でした。ダンジョンはたくさん回りました。そのうち、足を痛めましてね。冒険者用の道具類を販売する小さな会社を設立しました。今は30人ほど、人を雇っております」

「なるほど、社長を務めているのですか」

「ええ」

 冒険者は、国が運営している保険に入ることが義務付けられている。しかし、年金制度は、入ることが可能であるということになっている。そのため、入らない人も多くいる。だが、この方は、珍しいことに、冒険年金に入っていたようだ。その期間は、後々に厚生年金と合算され、定年後には厚生年金として支払われる。

「手続きは、いかがいたしましょうか」

「ちょうどいい機会ですから、お願いしようかと」

「では、係の者に変わりますので、しばらくお待ちください」

 私はそういって、彼の前から立った。

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