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第15話、確認
「調子はどうだ」
一日の業務が終わり、私は帰ろうとしていた。そこに、声がかけられる。最近はすっかりと見なかったファルーがいた。
「順調です」
私は簡単に答え、書き終わった業務日誌をハタと閉める。そして立ち上がり、表へと出た。
「今日はどのようなご用件でしょうか」
「いや、用件というわけでもない。天人が無事になじんでいるかをこうやって時折確認するぐらいだ」
ファルーが答える。私は、課長へとこれから報告書を提出するところと伝えると、一緒に行くという。なので、今回は、ファルーと一緒に課長のもとへと向かった。
3回ノックして、私と一緒にファルーが部屋へと入る。
「あら、珍しいですね。貴方が来るとは」
「いえ、今日は査察ではなく、視察に来ただけです」
「そうですか。おかけになられてはどうでしょう。お茶をお出ししましょう」
「いえ、大丈夫です」
しっかりとした口調でファルーは断った。そうですか、と課長は言って、席に座る。
「課長、報告書です」
「ああ、ありがとう」
私は報告書を出して、そのまま部屋を出たが、ファルーはそれからもしばらく部屋にいたようだ。




