一章まとめ
本編を追う上で、この回は読み飛ばしてしまっても問題ありません。
章末に挿入する、章で出てきた人物・用語をまとめる回になります。
※また、リーティスの紹介欄に、頂き物のイラストが一枚、入っております。
1章の主な登場人物
●竜崎 薫
17才(地球換算) 男性 身長174㎝
ASP所属の「プランナー」。実働作戦時は紅とペアを組むことが多かった。組織の評価は「実務面においては非常に優秀」。ASPの能力者向け格闘術の基礎を築き上げた人物であり、自身の戦闘能力も高い。
ASP謹製の四角い黒縁眼鏡をかけている。本人は気づいていないが、感情や心の動きが顔に出やすい。本人は気づいていないが、冷静沈着なようでどこか抜けているところがある。やはり本人は気づいていないが、シスコン気味。
●竜崎 紅
16才(地球換算) 女性 身長159㎝
竜崎薫の妹。ASP東京本部の部隊一隊の副隊長。組織の評価は「戦闘員としては類を見ないほどに優秀。協調性もあり、仲間との連携が上手い。ただし、戦闘以外の場では問題行動も多い。何かあった場合は兄の竜崎薫を呼ぶこと」
戦闘能力は高く、能力不使用の格闘戦のみで勝ち取った戦闘徽章は最高位のS級。
やや面倒くさがりな性格だが、ガサツというほどではない。本人にも多少自覚はあるが、ブラコン気味。
>ココロ村の住人
●リーティス
14歳 女性 身長157㎝
ココロ村唯一の神殿を管理している司祭。信仰する神は運命を司る神、アリアンロッド。
孤児であったが前ココロ村神殿司祭に拾い上げられ、10歳の頃からココロ村に住んでいる。常人より豊富な魔力領を活かし、怪我をした村人の治癒や病気の者の看病を積極的に行っており、村人からは評価が高い。神聖魔法の適正がある他、意思疎通魔法という非精霊魔法を習得している。精霊魔法は水・土がぎりぎり中級。火・風・光は初級。
一章にて主人公たち二人に出会う。
一大決心をし、主人公二人についていくことに。
絵:夜桜シルク様より頂きました
●カードル
52歳 男性
ココロ村村長。禿頭の好々爺で、実年齢より老けて見えることが悩み。
ココロ村行政・司法の最終決定権を持つ。
主人公達とこの世界で一番最初に言葉を交わした人物。
●ザック
28歳 男性 身長180㎝
ココロ村青年団団長。村を大事に思う気持ちはだれにも負けねえ、と酒の席でよく叫んでいる。実際自他ともに認める愛村者である。
「剣士」の資質を持っているが、ココロ村を離れたくなかったため剣士の道は選ばなかった。
パシルノ男爵により駐在騎士が村から消え、冒険者を雇うこともできなくなった後、村近辺に出没する魔獣の退治は専ら彼の仕事である。
主人公達二人のことは直接剣を交えて信頼できると判断した模様。
●ゴーシュ
45歳 男性 身長187㎝
ココロ村青年団団員。村一番の大男で強面だが、性格は優しい。先祖に巨人種の血が入っているため、その巨体は先祖返りによるものである。
●カートレット
16歳 男性 身長164㎝
ココロ村村長カードルの孫。幼いころから村長の仕事をしていた祖父の姿に憧れ、自分も将来は村長となって村を支えていきたいと考えている。「剣士」の資質持ちだったため、万一の備えとして村の賦役からは除外されている。「剣士」としては相当優秀と言える才能を持っているのだが、本人に剣の道に生きるつもりは一切無い模様。各属性の精霊魔法をそれなりに扱える。
紅にあっさり打ち負かされたことをかなり悔しく思っている様子。
●村の子供達
5歳~12歳
パシルノ男爵が課した賦役にかからなかった年代の子供達。彼らにとって未知の存在だった「旅人」に興味深々だった。親しみやすい雰囲気を持っていた紅に懐いた。
リーティスの教会にもちょくちょく遊びに来ている。
>その他の人々
●当代パシルノ男爵
フルネームはモリガン=トラグストフ=パシルノ男爵。ノワール王国の貴族。
悪知恵だけはやたらとはたらく人っているよね。小物。
1章現在、ココロ村を封鎖し、利益を搾り取っている。
その他、用語解説
●ASP
「書類上日本に存在しないはずの防衛省部署。日本にいた時、主人公たちが所属していた。
異能者達を保護し、同時にその者たちを訓練させて異能持ちの犯罪者などに対処させている。主人公たちの転移の10年前、突如「日本だけ」に出現し始めた異能者達に世間がパニックになりそうだった状態を、一人の催眠系異能力者が情報統制、情報管理を行うことで沈静化せしめ、独自に活動する権利を日本政府からもぎ取り、設立した。
その能力者、つまり現ASP本部長の名は「夢道栄一郎」という。
死に名:Anti-Supernatural phenomenon’s department of Japanese Defense Agency
●ココロ村
ノワール王国の南端部、パシルノ男爵領内の小村。主生産物は米。
南大陸の南端に近い場所に存在。南と西は濃い魔力地帯の存在する山脈に囲まれている。北の街道が村の唯一の出入り口。
村の東部にもまた山脈がそびえたっており、そちらは南や西ほどに危険な場所ではないものの、未開拓かつ毒持ちの魔蟲が多く生息する湿地帯であり、常人に探索可能な領域ではない。
一応東部に抜ければパシルノ男爵領に併設するケオドラ伯爵領にたどり着ける。
●剣士
「剣」を媒介に自身を強化することができる能力を持つ者達の総称。能力の詳細を厳密に説明するならば、練り上げた自身の魔力を媒介に、空間に満ちる魔力を自身の身体強化のために取り入れる技術である。
「剣士」と呼ばれるが、能力強化の媒介は攻撃の意思を籠められるものならば何でも良い。斧や槍、棍棒でも良く、極端な例を挙げるなら城なども媒介になる。
剣士は自分が選び出した「剣」に自分の魔力を注ぎ、自分の体となじませる。そして魔力の通りが良くなっていくのに応じてその「剣」の硬度や攻撃の威力を高める術を獲得していく。
やがて完全に「剣」と剣士自身が一体と言える領域まで達すると、剣に注いだ魔力を自身の身体に通すことで今度は自身の身体能力を強化させられるようになる。
尚、この世界で「剣士」と呼ばれるようになるのはこの段階まで至った人間のみであり、そこに至れないのであればいくら剣そのものを魔力で強化できても剣士とは呼ばれず、「剣を振るう戦士」とのみ見なされる。
熟練の剣士たちは自分の体を流れる魔力を操作し、ノワール王国では「闘技」と呼ばれる特殊な技を使用できる。
代表例は
「縮地術」
「気弾」
「魔力撃」
など。
●魔法
精霊魔法とそれ以外の魔法の二種類に区分される。
ノワール王国で一般に「魔法」というと精霊魔法のことを指すという程度に、精霊魔法の存在感は強い。精霊魔法の特徴は魔法で各属性の「魔石」を作り出せること。そして、その「魔石」を用いて魔法を行使できることにある。
精霊魔法の属性は「火」「水」「土」「風」「光」の五種類。
精霊魔法はそれぞれの属性が示す事物の現象を術者のイメージ通りに捻じ曲げる技術である。
火属性なら火を出すといった簡単な事象から、火事をおこして燃え上がった建物の火を一か所に集める、或いは完全に消し去るといった現象。
初級レベルなら掌大の火や水を出すのが精いっぱいだが、上級では生活魔法でも下手な攻撃魔法に匹敵する破壊力を出すことができる。最高位の術者ならば属性概念そのものの化身ともいえる、「精霊」と呼ばれる存在を呼び出すことができる。
尚、一般的に初級~上級と区分されるのは生活魔法レベルの魔法技術の話であり、数学で例えるなら四則演算のような、より高度で複雑な魔法を使うための基礎的な技術レベルを示すものとなっている。
>「魔石」
水の魔石は水から、風の魔石は大気からといった具合に対応する各元素から生成される。
強力な術者であればあるほど色濃く、より小さくて軽い魔石を作ることが可能。
魔石が作れるレベルの術者には中級魔術師の称号が与えられる。
魔石はどれも水晶のように透き通っている。そして火属性は赤っぽく、水属性は青っぽく、風はおおよそ緑っぽく、光はやや黄みがかった色合いである。
尚、土属性の魔石だけは例外で、何を材料に魔石を作ったかによって全く異なる色の魔石となる。
「解放」の魔法を使用すれば、魔石はその材料となった炎や水に姿を変え、逆に各属性の魔法使いはそれらの元素を凝縮して魔石に変えることができる。
尚、精霊魔法で魔石が重視される理由は、魔石を利用することで自身の魔力をあまり使わずに魔法を行使できることが素因にある。
現在の精霊魔法の使い手は、自分の魔力の代わりに魔石で行使する魔術の素材を確保するのが主流。
この技術の発達により、魔法の才能のないものでも、最低限魔石の「解放」の術式さえ覚えれば好きなところで火を出し、飲み水を確保できるようになった。
レベルの高い魔術師は魔力消費を抑えながらより高位の魔法を行使可能になる。
魔石は人の手以外でも自然に生じる場合があり、例えば採掘された風の魔石は大規模な船を運用する際、その動力として用いられることがある。
精霊魔法以外にも魔法はあるが、それらは系統だったものではないことが多い。
また、特定種族の者しか使えないような魔法もある。
具体例
意思疎通魔法(使用者:リーティス)
神聖魔法(治癒魔法など)
紋章魔法(ノワール王国の秘術)
●紋章
ノワール王国の貴族は皆、右腕にそれぞれの家を示す「紋章」を魔法で刻んでいる。
その紋章自体が国家および爵位貴族による身分保障の証となっており、「紋章もち」はその領地内での免税、門の顔パス等様々な特権が与えられる。
紋章自体も、
当代君主のもの
譜代の家臣に与えられるもの
その他簡易版の紋章
などが存在し、紋章下に記された黒線の本数、形などで区別が成される。
簡易版の紋章は、出奔した他家の貴族の次男や三男等を食客として招く際に身分保障として与えられることがある。
※因みにココロ村に来ていた不逞の輩は、パシルノ男爵の領内に招待されていた中央貴族の次男坊、三男坊達です。当代モリガン=パシルノ男爵の中央への憧れっぷりを耳に入れていた彼らはパシルノ男爵に言葉巧みに取り入り、その領内で好き放題しようと目論みました。
急に村にやってきたとはいえ、一応パシルノ男爵の後見持ちという男達を冷遇することもできず、ココロ村の者たちはしぶしぶ歓待をすることに決めました。しかし調子に乗った一人が青年団団長ザックの妻リリーサに手を出そうとし、住民たちの堪忍袋の緒が切れました。ほうほうの体で追い出されることになったのです。
●祈祷
特定の神の信者が神に祈りをささげ、その精神の一部と接触する行為。
自分の精神を神と一体にする行為で、信者にとっては至福の時だという。
祈祷中、時折「信託」などを受け取る者もいる。
それらは明確な言葉とは感じられないが、それを受けたものは確かにそれが神の意思であると確信を持つのだという。
●亜人
獣人、翼人等、世界的に最も数の多い「人間」種と良く似た姿を持つ種族の総称。
地域によってその扱いは様々。人間と同等の権利を与えられている国もあれば、奴隷や家畜として扱う国もある。人口は、人間と比較すると圧倒的に少ない。
亜人差別国家の筆頭が南大陸最大の軍事国家ベルザーク帝国であり、当国では奴隷階級以外の亜人種は存在しない。(ただし、国家所属の強力無比な戦争奴隷等、階級的には下位でありながら厚遇を受けている亜人も存在はする)
亜人が長を務める小国なども存在するが、大陸全体的に見て亜人の地位は低い。
エルフと呼ばれる特殊な種族の発見報告が時折あるが、実在を証明した者はおらず、その存在は半ば幻の存在として語られている。
●魔族
No Data(1章時点)




