第百二十四話:<ちっぽけな掌>
氷漬けの親子を眺めていたユーノが、ふとピクリと眉を上げた。
クロエもエアリスも去って自分以外に動くものが存在しないはずのこの部屋に、何者かの気配を感じたのだ。
「――そこにいるのは誰?」
緊張に引き締まったユーノの声が薄暗い部屋に反響する。
ベッドから腰を上げ、仮面をつけた顔をゆっくりと左右に動かして人影が無いか目を凝らすユーノだが、怪しい存在は見当たらない。
しかし、そこで警戒を途切らせることはしない。
今のユーノは、先ほどエアリスの前で見せていたようなどこか軽妙な雰囲気を完全に捨て去っていた。
白い仮面の奥にすうっと細めた両目を注意深く光らせ、左手は腰元に隠していた愛用短剣の柄に伸ばしている。
一通り部屋の確認をし終えたユーノは、勘で見定めた目標地点に向けて自分の右手を掲げた。
そして再度、厳しい口調で問いかけを投げる
「どこの、どなたさん?」
……無反応。
しかしユーノは、目の前の事象より自分の直感を信じた。
右手を向けた方向へと、思い切り自身の魔力を流す。
魔法として構成されてもいない濃い魔力の奔流が床、壁、天井を伝って進む。
通過地点に氷の欠片を生みながら進む魔力が、目標地点に到達。
あとはユーノが簡単な呪文を一言唱えれば、たちまちに人の背大の氷柱がそこに出来上がる。
そのはずだった。
「ごめん! 黙って入ってきた僕が悪かったよ。警戒を解いてくれないかな?」
と、そこで何もない空中から染みだすように姿を現した少年が、ユーノの魔法行使を止めた。
やけに傷だらけの旅装を身に纏った色白の少年だ。
両手を上に挙げ、アンテナのようにまっすぐピンと伸びた耳を良く整った顔の横に備えている。
嫌味の無い苦笑いを浮かべるその少年の顔に、ユーノは見覚えがあった。
この町に滞在していたユーノ達の下に、突然気絶したエアリスを抱えてきた少年。
名前を、確かラルクと言ったはず。
「あんたか。……で、何でここに戻ってきたの?」
今の今まで透明化魔法で姿を隠していた少年は、気まずそうにしながらも敵意の含まれない、好意的な笑顔を向けてきている。
しかし、それに相対するユーノが纏う雰囲気は、酷く険悪だ。
彼がここに戻ってきた理由はそのぼろぼろの姿から察し取ってはいたが、敢えて詰問調で問いかける。
魔法の発動体勢を崩さないままに。
「戻ってきた理由は、多分君が察している通りだよ。僕の取り組みが失敗したってこと。――これで、この町は問答無用の戦火の底に沈むことになる。嫌になるね、本当に」
――嫌になるのはあんたの偽善者っぷりだっての。
軽い言葉を選びながらも沈痛そうな面持ちで呟いたラルクを前に、ユーノが心中で毒づいた。
彼が所属するエルフの一族は、この町、アルケミの街を奪取する計画を立てていた。
ユーノが所属するとある”組織”と協力体制にある彼らのために、そして組織の計画進行をより確実なものとするため、ユーノとクロエ、そしてこの町に在住する組織関係者達は、そんなエルフ達の支援を仰せつかってこの場にいる。
そしてそんな中、街の奪取手段として予め「圧倒的戦力で街を蹂躙する」と決まっていたはずのエルフ族長会議の方針に異を唱えた者達が、エルフ族内部に居た。
ラルクを中心とする、親人間派のエルフ達である。
普段、エルフ種族の決定に関して、族長会議の決定に一般エルフが私見を挟み込むことは許されていない。
しかし、今のエルフの里には、それまで人間の国でエルフの協力者を努めていた人間や、この度協力関係を結ぶことになったユーノ達の”組織”所属の者も多く訪れてた。
その彼らの前で、例え大義のためとはいえ、必要以上の”同族殺し”をするのは好ましくなかろう――ラルクたちはそう訴え、ひどく頭が固いなどと揶揄される保守的な族長たちから譲歩を引き出したのだ。
しかし、彼らが何とかその譲歩を引き出せたのは、一時的に里を出ていたラルクが戻ってきて間もなくのこと。そして、エルフ達の進軍計画の、わずか一週間前のことだった。
そして、長老たちに唯一許された「開戦前夜までの軍団長の説得」を決行したラルクであったが、先ほどの言動を聞くに、返り討ちに合ったのだろうとユーノは判断した。
この町の防衛規定は基本的に「籠って応戦」である。
地の利を活かした手堅い方策ではあるが、今回ばかりはそれが裏目に出ることだろう。
なにせエルフ達は、今日この日のために……否、今日この日より始まる長い戦いのために、街防衛軍の誰もが想像しないような戦力を用意しているのだから。
多くの市民が、壁内に閉じ込められたまま見境のない戦火の炎に焼かれる運命がここに確定した。
それは、初戦で圧倒的な戦力差を見せて周囲を牽制し、同時に自分達エルフのみに周囲の注目を集めようと計画したエルフ長老会議の方針そのものであり、ラルクたち一部の変わり者たちが回避したがった、非戦力民の大虐殺をも意味する。
ユーノは、初めてその説明を聞いた際、ラルクのことが嫌いになった。
自分たちが掲げた理想を達成するためには、この世界で血が流れること――もっと言うのであれば、計画の進行に携わる自分たちの手が汚れることは当然考えて然るべきだ。
それなのに、ごく一部の人間が命を落とさずに済む可能性に賭け、このような「偽善的」な行いをしようというのだ。
身勝手にもほどがある。
ユーノは、そう考えていた。
――で、今回は気に入った人間の女の子をあたし達に預けて「助けてあげて」って? あーあ、ふざけた奴だよね、ホント。
一方で、その身勝手な求めに応じたのは他ならぬ自分でもあるのだが。
そのことを自覚し、自嘲の笑みを仮面の奥で漏らすユーノ。
が、すぐにその笑みを収め、泰然と直立する少年に向けて厳しい目線を向けた。
「それと、いったい何の権利があってあたしの行動を盗み見てたの? 目的を同じくする同士とは言っても、越えちゃならない一線ってあるよねー? 実は、エルフのお偉いさんにあたし達の行動を監視するようにとでも言われてる?」
「いや、実を言うと、僕がこの部屋の入り口で魔法を解除しようとしたとき、急にあの二人が飛び出してきたから、何となく解除のタイミングを逸してしまったんだ。クロエさんにも横目でちらりと僕の存在は確認されたけど、特に何とも言われなかったし……それにしても、あの娘とは随分打ち解けてるみたいだね。少し安心したよ。――あ、そっちのベッドに座ってもいいかな?」
「質問に答えてないじゃん。あたしは、何であたしのことをこそこそ見てたのかって聞いたんだけど?」
ユーノの刺々しい雰囲気は察した上で、ラルクはあくまで笑顔を崩さない。
攻性の魔力が籠った掌を向けられたまま、コンコンと足音を立ててまっすぐ前に歩き出す。
そして肩と肩がぶつかりそうな距離までユーノに接近し、その隣をゆっくりと通り過ぎる。
そのまま、ユーノの背後にあったベッドの上に腰を下ろす。
「隣、座らない?」
「あんた、女と見れば誰にでも手を出す人種? 悪いけど、遠慮しとく」
自分の隣のスペースを腕で示したラルクに、腕を組んだままぴしゃりと言い放つユーノ。
しかしラルクの方も、拒否されるれることは折込済みだ。
ぼろぼろの外套を脱ぎながら、先ほどのユーノの問いに答える。
「僕が君を見てたのは――君の魔力の流れが切なそうに動いているのが見えて、もっとそれを見ていたくなったからだよ。その仮面、感情抑制作用があるんだろう? それをつけた上で、あんなに綺麗な魔力の流れができるものなんだね」
「理由は、それだけ?」
「うん。君はエルフの秘術で魔力容量を水増ししてるんだよね? それで、体がついて行かず、その仮面で感情の暴発を防いでる。それなのに、君の魔力は全然不安定じゃない。すごく純粋で、綺麗だ」
この世界で主流の魔法である精霊魔法は、感情・意思の力が術の成功に大きく関わって来る。
多くの魔力を用いた大魔法を使用するためには多くの魔力と、それを制御する意思の力が肝要であり、逆に、強い魔力は人間の精神作用そのものに影響を及ぼすとされている。
そして、とある方法を用いて魔力量を水増ししているユーノは、その反動で感情の振れ幅が酷く大きい状態なのだ。
長い寿命を持つエルフは年月をかけて徐々に魔力を高め、それに慣れて行けばいいのだが、人間であるユーノはそうはいかない。
しかし、自分が”役立たず”でありたくないと願ったユーノは仮面で精神平衡を保てるギリギリの量まで自身の魔力量を増やしていた。
「んん? あたしの魔力が綺麗? その目、節穴なんじゃないのー? あたしは貴方たちみたいに自分の魔力の流れは見えないけどさ、あたしみたいな人間に宿った魔力が、そんなこと――あ、ひょっとしてあたしを口説いてる? きひひひ、”綺麗”って言っとけば女の子が落ちるだなんて思ってるんなら、考え直した方が良いと思うよー?」
真っ直ぐな瞳で見つめてくるラルクに対し、ユーノはあくまで非友好的な態度を崩さない。
ラルクが同士でなければ、今すぐにでも蹴り飛ばしてやりたいとさえ思っていたほどだ。
「そんなつもりは無いんだけど。でも、そういった意味とは別の意味で、僕は貴女のことが好きかな。その氷漬けの右手の持ち主の話、聞いてるよ」
ラルクが指さした氷の塊を見て、ユーノが顔を顰める。
先ほどエアリスに言い訳を述べる際、自身の手で再度氷漬けにし直したものだ。
そろそろ、未練を完全に断ち切るためにもクロエに焼却処分をお願いしようと決意しつつ、情報の出所はどこなのかとラルクに尋ねる。
「……誰から聞いたの?」
ひどく硬い声になってしまった。
「クロエさんのお兄さんから。あの人、すごくおしゃべりだよね。里の治療院に運ばれてきたけど、毎日怪我人とは思えないくらい元気に外を歩いて話好きのお姉さんたちとお話してる姿を良く見かけたよ」
「ちっ、あの変態シルクハット野郎め。……それにしても、エルフのお姉さん、ねー。やっぱり美人なの?」
「そう、なのかな? ああ、でも皆40歳から70歳くらいの若い人たちだし――」
「や、その話はもういい。ってか、その話を詳しく聞いたら一応女なあたしの中で、エルフの女性に対する殺意が芽生えそうだし。……で? 話を聞いたご感想は?」
「話? ああ、うん。良い人だなって。君と初めて顔合わせした時も、その話を聞いて想像してた通りの人だなって思ったよ」
――だから僕は、君にエアリスを任せようと思ったんだ。
表情の分からない仮面の顔をこちらに向けるユーノに、先ほどから一貫して変わらない友好の笑顔を向け続けるラルク。
その笑顔を向けられるユーノの中で、本人も気づかないまま少しづつ少しづつ、何かが溶け始めていた。
「僕たちのちっぽけな掌じゃ、救える人は限られてる。なら、そのちっぽけな掌の上に、自分が好きになった人を載せるのは当たり前のことじゃないかな。それが、世の人に非難されるようなことであったとしてもね」
「――それがあんたの持論? 随分とエゴイストじゃん。ま、まさにその通りの行動をとったあたしに言われたくはないだろうけどさー」
自嘲気味にそう語るユーノに向け、ラルクが言葉を続けた。
「人の手で救える存在は限られている。もっと多くの人を救えるはずの神は、僕たちを救ってはくれない。むしろ、人の手にはできないことをやってのける存在がいることで、人に諦めを覚えさせていると、僕は思う。”神さまさえ自分を見捨てたんだからしょうがない”ってね。だから僕は、こんな世界を変えたい。人を救えるのが人しかいなくなれば、人はもっと優しくなれるんじゃないかって思うから」
「――それが、あんたの戦う理由? へー、エルフって皆”神への恨み”だとか”故郷の回復”だとかを目標にしてるもんだと思ってた」
ユーノが素直な驚きを見せる。
「……いや、違うよ。これは、本当についさっき考えたことなんだ。ちょっと、ある人の影響を受けて、種族全体の目的以外にも自分なりの信念というか――夢を持とうと思ってね。それより、ユーノさん?」
「んん? 何?」
「さっき僕が取った無礼な行動、許してもらえる?」
「また謝らせてもらうるよ、ごめんなさい」などと言いながら頭を下げて来るラルクを見て、ユーノがため息を吐いた。
「……これから一緒に戦う仲間なんだし、許さざるを得ないじゃん。変なしこりをのこして仲間割れとかしたくないし。あ! でも勘違いはしないでよ? 別にあんたのことを認めたとかそういうわけじゃないから――って、そろそろあの娘たちがトイレから出て来るんじゃない? 死体隠すの手伝って。てか、代わりにやってよ。魔法、得意なんだよね?」
「ごめん、僕、水魔法はとにかく苦手なんだ」
「ちっ、役立たず! じゃ、ちょっと入口見張っててよ。その間に――ちょっとしたいことが、ね」
言われた通り立ち上がってドアに向かおうとするラルクの視線の先で、ユーノが氷の棺に入った親子の前で膝をつき、手を組んだ。
その様子はまるで神に祈る信者のよう。
それを目の当たりにしたラルクが流石に目を剥いた。
「え? その格好――」
「や、別に神に祈ってるわけじゃないよー? ま、それを参考にはさせてもらってるけど。これは、この人たちに向けて祈ってるんだ。」
「――この人たちに?」
「そ。あたしが命を奪ったこの人たちに向けて、ね」
目を閉じ、幼い頃神殿で染みついかされた祈りのポーズをより我流に、「人」に向けたものにアレンジした体勢を取って祈りを開始する。
しばし、祈祷するユーノとそれを見詰めるラルク。その二人だけの静寂の空間がそこに産まれた。
ラルクは勤勉に階下の魔力の流れを探り、エアリス達がこちらに来ないかを探っていたが、まだまだ時間的余裕はありそうだ。
時間にして十数秒の祈祷を終え、ユーノが目を開ける。
「――あたしがしたことは謝っても許されることじゃないよね。だから、あたしはこう言わせてもらったんだ。神の居なくなった世界に、もう一度、生まれ直してきて。そこでなら、きっと歓迎してあげる。貴方達の報復を――ってね」
「君は、殺されたいの?」
「うん。全部終わって、義理を果たし終えて、最高の友人だった女の子に一発殴られた後は、もう思い残すこともないかなーって。あ、一人ほっとくと将来が不安な友達がいるけど、それくらいかなー。これまでもこれからも、あたしは積極的に手を汚していくし、多くの罪を背負いに行くわけだから。やることやったら、責任取って死のうかなって」
心中の思いがどっと堰を切ったかのように口から流れ出て驚く。
氷の棺の上に再度氷のフィルターを張りながら、戸惑いの感情に心が支配されていった。
――なんであたし、こんなこと他人に話してるんだろ? しかも、さっきまで嫌いだった奴相手に。
自分の行動に自分で納得がいかず、戸惑うユーノに、言葉がかけられた。
「止めなよ、勿体ない」
「”生きていた方が楽しいことがある”とかっていうつもり? あいにくだけど――」
「いや、違うよ。普通ならそういうべきなんだろうけど……。君が死んだら、その分君が他の人に出来るはずのことができなくなっちゃうじゃないか。多分君は、君が思う以上に多くの人間から好かれてると思う。その人達に聞いてみればいいよ。君が生きていた方がいいかどうか。多くの人が生きていてほしいって思うなら、それに背くのは、その人達にとっての大きなマイナスってことだろう? それは、凄く勿体ない」
「……詭弁だねー。そりゃ、あたしが生きてたほうが良いって人もいるだろうけどさ。それ以上に――」
「詭弁でもなんでもないよ。むしろ、大きなマイナスを背負ったなら、それ以上のプラスをもたらすのが正しい道だ。それが出来ない人もいるだろうけど、君は違うよね?」
「……もういい、やめて」
氷を張り終えたユーノが両手で耳を塞ぎ、ラルクの言葉をシャットアウトする。
それ以上ラルクの話を聞いていたら、自分の思いが揺らいでしまいそうで怖かった。
流石に耳を塞いでしまった少女に向けて言葉を続ける気にはなれず、言葉を止めてしまったラルクが、ふと階下の魔力の塊の動きを感知した。
二つの塊が、こちらの部屋を目指して向かってくるのだ。
「ごめんなさい、ユーノさん。エアリス達が来るみたいだ。僕は、ひとまずこれで失礼するよ。また、次は戦場で会おうか。お互い、無事で」
「え? あ、ちょっと!」
予想外の退去宣言にユーノが慌てるが、ラルクは既に扉を開け、透明化魔法で姿を消してしまっていた。
実はこのラルクの退去には、ユーノが知らないとある事情が絡んでいる。
ラルクはエアリスに催眠魔法をかけた際、”自分という存在と、ごく最近の彼女が通う学校に関する事象”を一時的に忘れるように彼女の記憶に働きかけた。
分かりやすく言えば、エアリスは今、ラルクの存在と今日の自分の予定――学校の講義になどに関する情報をド忘れしている状態なのである。
もしエアリスがラルクに出会えばこの催眠魔法は意味を失い、彼女を穏便に街の外に運ぶことができなくなってしまうだろう。
もっとも、最終手段として眠らせて運ぶという手はあるので、結局のところ全てを終えるまでなるべく彼女と会いたくないと考えるラルク自身の意向が強いのだが。
「ただいま~っと。いっや~、ごめんねユーノちゃん。私のお腹がやたらと強情でさあ。あ、因みにクロエちゃんは今、下で私が見つけたお菓子を集めてるところ。すぐに持ってきてくれるって! それにしても、この家って誰の家? ユーノちゃんかクロエちゃんのご親戚? あまり広くはないけど、内装も良いし掃除も行き届いてるし、凄い住みよい家ですなあ――あれ? どうしたの、ユーノちゃん? 溜息なんてついちゃって。ため息を一回吐くと一日分の幸せが逃げてくよ?」
「んん? や、何でもない。……ちょっと人生について考えてただけ」
「人生!? わお、何か深いお悩みでもある感じ!? 私でよかったら聞こうか?」
「ううん、大丈夫だよー。あたしは、あたしの生き方をするだけでいいはずなんだし、そんなに迷うほどのことじゃ、ないよねー?」
自分に言い聞かせるようそう呟いたユーノの耳に、コンコンと窓を叩くような音が聞こえてきた。
訝しげなエアリスの視線を振りきり、音の聞こえてきた窓に向かう。
――来た、かー。
ユーノがカーテンを開けると、そこには嘴で窓を叩く伝書烏の姿があった。




