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全部思い通りだと思ったのよね? 人生終了です、ご愁傷様。

掲載日:2026/02/18

「なぁ、ディアーヌ」


 他の貴族令嬢に虐められ、家の庭園で泣いていた私。

 その手を優しく握ってくれる人がいた。


「困難ってのは大きければ大きい程、乗り越えた先が輝いて見えるもんだよ」


 だから泣かないでくれ、と彼はハンカチを私の顔に押し当てる。


「人生ってのは、ドラマチックであればあるほどいいだろ」


 女の子なんて特にさ、と少年は明るく笑った。



***



 貴族御用達のレストラン。

 その一角で食事をとっていた私は、すぐ傍で話す男女の会話に耳を傾ける。


「計画は順調ね、ガスパル」

「ああ、ジネット」


 どちらも聞き覚えのある名だ。

 ジネットは私が通う魔法学園の同級生であり男爵令嬢。

 彼女と楽しそうに食事をとるガスパルは同じく私の同級生であり――私の婚約者だ。

 幼い頃、彼や彼の家からの強い要望で押し切られた婚約だったはずなのだが……今の彼は完全に浮気相手にお熱である。


 二人が同じ席につき、会話を弾ませる中、ガスパルは言う。


「ディアーヌを陥れられるのも、もうすぐだ」


 ジネットがころころと笑う。


「楽しみだわ。あの澄ましている顔がどう歪むのか」

「ああ。それに――聖女を害したあいつがどこまで落ちぶれるのかもな」


 ジネットは聖女と呼ばれる、世界に一人しかいない特別な存在……という事になっている。

 神に選ばれた、悪を祓い、他者を癒す力を持つ存在。

 聖女を害する者は完全な悪。重い罰が下される。


「一週間後――俺はあいつに婚約破棄を突き付ける。その時こそがあいつの人生の転落の瞬間となるだろう」

(全部、聞いているのよね)


 その後も私に関して詳しい話をぺらぺらと吐く二人の会話に耳を傾けつつ、その会話が「婚約したらもっとイチャイチャしよう」などという生産性のない話題になった頃合いで席を立った。


「さて。打てる手は全て打っておかなければならないわね」


 馬車へ乗った私は薄く笑みを浮かべるのだった。



***



 帰宅したのは夜も更けた頃合い。

 私が馬車から降り、玄関へ向かった時。

 玄関前に立つ人影を見つけた。


「遅かったじゃないか」


 初めは父か兄かと思ったが、そうではなかった。

 赤髪と翠眼が特徴的な、美しい顔立ちの殿方――ロラン・ラファルグ公爵。

 若くして公爵となった優秀な方であり、兄フェルナンの幼馴染だ。

 家柄や本人の友人を多く作れそうな気質もあって、兄は幼い頃からロランや王太子殿下と親しくしていた。

 特に、王太子殿下よりも自由に移動できるロランとは私も幼い頃から面識があり、それなりに可愛がってもらっていた為に、私達は浅くはない関係を築いていた。


「ヴィアラット侯爵もフェルナンも心配していたぞ」

「左様ですか。……何故こんな時間まで我が家にいらっしゃるのです?」

「フェルナンとの話に花が咲いてな。そうしたら偶然、君の帰宅に鉢合わせたという訳だ」


 十中八九、私を待っていたのだとは思う。

 それを素直に告げないのは、婚約者がいる異性を待ち伏せるという行いが褒められたものではないからだろう。


 そして、彼が私を待っていた理由も……何となく察しがついている。


「……最近、悪意を以て君を陥れようとする噂が多くはないか」


 ――私が聖女を虐げているという噂。

 それが流れ始めたのがいつ頃からだったのかは定かではない。

 気が付いた頃には、私の弁明が意味を為さない程にこの噂は広がっていたのだ。


「心配してくれているの?」


 使用人を遠ざけ、周囲に他の者がいない事を確認してから私は他人行儀な言葉遣いをやめる。


「当然だろう」


 先程のようにはぐらかすかと思えば、存外素直な返答があった。


「君に限って噂のような愚かな振る舞いをする訳もあるまい。それに……悪評の広まり方や速度も不自然だ。誰かが意図的に広めていると考えた方が合点がいく」

「今となっては誰もが口にする噂だというのに」

「それが君を疑う理由にはならないだろう。……ディアーヌ」


 ロランは私の耳に顔を寄せ、囁いた。


「――何を企んでいる?」


 その問いに私はそっと目を細めた。


「……そこは、『大丈夫か』と声を掛けるところでは?」

「初めはそうするつもりだったさ。だが、君は気落ちしているように見えないどころか……野心的な目をしている」


 ロランの返答には微笑みだけで曖昧に返す。


「君は聡い。この状況を打破する為に先んじて手を打っていてもおかしくはない。……と思ったが、素直に話す気はないんだな?」

「何の事やら」


 呆れるように溜息が吐き出される。

 ロランは頭をガシガシと掻いてから私から数歩離れた。


「まあいい。君が話す気がないのなら、俺は俺が正しいと思った事をしよう」


 彼はそう言ってその場を離れようとする。

 その背中を見送りながら、私は口を開く。


「レストラン・ヴォロディーヌに行っていたの。気分転換にね」

「王都でも貴族が多く好むあそこか」

「ねぇ、ロラン」


 私の声に足を止めたロランがこちらへ振り向く。

 そんな彼へ私は笑いかけた。


「私、人生はドラマチックな方が好きよ」

「……何だ、急に」


 そう言って彼は恥ずかしそうに苦笑した。



***



「ディアーヌ・ド・ヴィアラット! お前との婚約を破棄する!!」


 一週間後。

 私は魔法学園でそう告げられる。


「お前は聖女ジネットに嫉妬し、暴言を吐くだけではなく、暴行にも出た。中には命の危機すら覚えるような事すら行った!」


 そう言ってガスパルはジネットと腕を絡ませたまま、私がジネットに行ったという嫌がらせの数々を並べた。

 私はそれに驚いたふりをする。


「っ、そ、そんな……っ、私、そんなことしていません!!」

(これが見たかったのでしょう?)


 目に涙を溜めながら相手を見れば、ガスパルとジネットの目が三日月形に歪んだ。


「こちらには証人も証拠もあるんだぞ!」


 勝ち誇ったように笑いながら、偽装した証拠を並べる。

 尚、虐めの発生時刻は全て私が一人だった時間をつかれているので、私はアリバイを立証することが出来ない。


 私は無様に口先だけで自分の無罪を訴える事しかできなかった。

 周囲からは蔑むような冷たい視線が注がれる。


 誰もがガスパルとジネットの味方だった。

 そして誰もが気付かなかった。


「お前と婚約を破棄した後、俺達はお前の悪事を国へ提出する。精々迎えが来るのを震えて待っていろ!」

「そ、そんな……ッ!!」


 手で隠した私の口が――弧を描いている事など。



***



(さて。出来得ることは全てやったかしら)


 その晩。

 私は婚約破棄や冤罪の話を知った家族に心配をされつつ、「部屋で休ませて欲しい」と自室まで戻っていた。


 私は机の引き出しを開ける。

 中には日記帳や何通かの手紙などが収まっていた。


 最近出回っている噂への恐怖や、無罪を訴える声を綴ったそれらには、私の悪評が広まった時期から集めていた私の『情報』が散りばめられている。


「あとは……」


 考えを巡らせた、その時。

 部屋の戸がノックされる。


「ディアーヌ」


 ロランの声だった。

 私は思わず小さく笑ってしまう。


 婚約破棄の騒動があったのは今日の昼間だというのに、随分と耳が早いものだ。

 戸を開ける。


 目の前には平然を装いながらも僅かに息が上がったロランの姿があった。

 ロランは初め、焦りと心配が混ざったような顔をしていた。

 けれど、私を見た途端――一瞬唖然として、それから大きく肩を落とした。


「……焦った俺が馬鹿だったのか」

「心配の言葉はくれないの?」

「俺は君が気落ちして部屋から出てこないと聞いたから来たんだ。そんな何も起きていないと言わんばかりの涼しい顔をされては用意していた言葉すら出てきやしない」


 落ち着き払った様子の私に彼は拍子抜けしたようだった。


「どうするつもりなんだ、ディアーヌ」

「どうする、というのは?」

「このままでは君は間違いなく極刑だぞ。聖女を傷付けようとした罪のせいで」

「そうね」

「そうね、って」

「私にはどうする事もできないわね」

「な……」

「だって、気付いた時には弁明の余地すら残されていなかったのよ? 転がる先は明白。裁かれる未来は避けられない」


 ロランの顔色を変え、愕然とする。

 そんな彼を安心させるように、私は笑みを深めた。


「……私には、ね」


 意味深に繰り返される言葉。

 ロランは数度瞬きをし、更に数秒考えを巡らせてから、自分を真っ直ぐと見つめ続ける視線の意図に気付いたらしかった。


「――まさか」


 私は同意の代わりに微笑で答える。


「一つだけ気掛かりな事があるとすれば、私一人の力では辺境の村まで調べる事は出来なかったという事くらいね」


 翠の瞳が真剣な色で私を映す。

 続きを促しているようだった。


「ジネットが定期的に遣いを出すのよ。親族がいる訳でもない、小さな村に。まぁ……一応自分なりに頑張って動いてはみたのだけれど、やっぱり私にはどうする事も出来なかったわ」


 そう言いながら私は、部屋の奥――開けっ放しになった引き出しへ視線を移した。

 死角から、大きな溜息が聞こえる。


「取り返しがつかないことになったら…………恨むからな、ディアーヌ」


 その言葉は、私が望んでいる言葉に近しい意味合いを持っていた。

 視線を逸らしたまま、私は小さく笑みを浮かべた。



***



 それからすぐに私は国の騎士に捕らえられ、地下牢に投獄される。

 私に下される判決は、当然のように極刑。

 言い渡されてから暫くは、流石に心臓が落ち着かなかった。


 家族には心配しないで欲しいと手紙を残していたし、ロランもいるから親バカの父とシスコンの兄の荒れ具合に振り回される母……などという地獄絵図は回避できていると思いたい。


 地下牢での生活は、控えめに言って最悪だった。


 食事は質素だし量も少ない。

 あとベッドがなくて床が冷たい。

 おまけに見張りの騎士は暴言ばかり投げてきて煩いし、少しばかり暴力を振るわれる事もあった。


 けれど、こんな扱いも全て想定内。

 私は動じることなく、囚人としての扱いに耐えた。


 そして――



***



 処刑当日。

 私は大勢の民衆の前で断頭台に立たされた。


 伝令官が罪状を読み上げる。


「ディアーヌ・ド・ヴィアラットは、世界の宝であり神の寵愛を受けた聖女ジネット様の殺害を試みた。よって貴女(きじょ)を斬首刑に――」


「待て!」


 その声を、別の声が遮る。


 声の主は、この瞬間に飛び込んで来た、周囲とは明らかに異なる上質な衣類に身を包んだ人物――王太子殿下だ。

 彼は刑を見届けるべく立ちあっていた国王陛下へ声を掛けた。


「父上、たった今読み上げられた罪状は誤りの可能性があります」

「……誤り?」


 王太子殿下は神妙に頷く。


「どうか、彼に発言の機会を、そしてその間の刑の執行に猶予を頂きたい」


 王太子殿下は非常に優秀な人物であり、国王陛下からは未来の王としての手腕と、何より人柄に強い信頼を寄せられていた。

 そんな彼の頼みを、国王陛下は承諾する。


「構わん」

「ありがとうございます」


 王太子殿下が彼、と示した人物は立ち位置の都合から確認ができなかった。

 けれど、二人の会話が終わり、殿下がその者を呼んだところで――漸くその姿が見えた。

 日光に赤い髪を反射させながら、ロランは大勢の前に立った。


 彼は硬い表情で視線を彷徨わせ、刑の見物に来ていたガスパルやジネットを見つける。


「ラファルグ公爵家当主、ロラン・ラファルグでございます。事は急を要する為、早速ですが本題に入らせていただく。こちらは、我が家と国の調査隊の力を借りて作成した調査書で――たった今、その信憑性を証明したものになります」


 それから持っていた書類を掲げる。


「この調査書の内容はディアーヌ・ド・ヴィアラット侯爵令嬢の無実の証明、そして、彼女を意図的に陥れようとした者がいることの証拠が記されておりますが、この場で全てを語る訳にもいかない為、最もわかりやすい証明を一つ、この場で披露いたしましょう。……ララ様、こちらへ」


 ロランは王太子殿下の後ろに控えていた少女を呼ぶ。

 王太子殿下やロランと比べ、随分素朴な服を着た……恐らくは平民である少女、ララは緊張した面持ちでロランの隣に並ぶ。


「彼女はララ・ノヴェール。――真の聖女です」


 刹那。

 周囲が大きくざわめいた。


 同時にジネットの顔が青くなる。

 ガスパルは彼女とは違って驚愕の顔で、ララとジネットを見ていたので……恐らくは他の観客と似たように驚かされた側だったのだろう。


「ララ・ノヴェール、です……。その、聖なる力というものが自分に宿っている自覚はありましたが……あるお方から家族の命で脅されていた事、また、この力のせいで手に余るような出来事に巻き込まれてしまうのではという恐れから、これまで息を潜めて生きてきました」

「な、な……っ、アンタ――」

「ですが……っ、そ、そのせいで、何の罪もない方の命が奪われようとしているのならば……このままでいる訳にはいかない、と……ここへ馳せ参じた次第、です」

「ありがとうございます、ララ様」


 ジネットが途中で声を荒げた事もあり、怯えの色を見せるララへロランは優しい声を掛ける。


「それでは……お願いできるだろうか」

「は、はい」


 それからララは、彼に促されるように手を組んで――次の瞬間、眩い光を発現させる。

 彼女の体の内側から生まれたそれは瞬く間に周囲の者達を呑み込んでいき……


 光に呑まれた者達はハッと、我が返ったように目を見開いた。


「わ、私ってば、一体……」

「な、なんだ……? あれ、どうしてディアーヌ様をこんなに憎んでいたんだ……?」


 そんな疑問の声が上がりだす。


「今、悪しき力によって皆様に掛けられていた洗脳を、聖女の力で解きました」


 皆がその身をもってララの言葉が真実だと気付いただろう。

 そして、であるならばこの悪しき力の出所は……と。


 皆の視線が一斉にジネットへ集まる。


「……ジネット・シュラールを捕らえろ。また、彼女に協力した者も分かり次第同様にだ」


 国王陛下は顔を強張らせ、そう命じる。


「な……ッ、お、おい、どういう事だよジネット……ッ!」

「お、お待ちください! きちんと事情を――い、いたい! ちょっと!! 離しなさいよぉっ!! 私を誰だと思って――」


 騎士団は一斉に動き出し、ジネットとガスパルを捕らえた。

 ガスパルは何も知らなかったのだと無様に泣きじゃくり、ジネットは本当に自分が聖女なのだ、何かの間違いなのだと必死に訴えていたが……二人の言葉に耳を傾ける者はもう、この場に一人もいなかった。



***



 その後、私は解放され、王宮へ連れて行かれた。

 謝罪や、今後正式に告げられるだろう詫びなどについて国王陛下から伝えられ、その後は王宮の一室で甲斐甲斐しく世話をされる羽目になる。


 数時間ほど時間が経ち、漸く落ち着いた時間を確保した頃。

 王宮の一室で、溜息が一つ落ちる。

 私に付き添っていたロランのものだ。


「ジネットは裏社会で手に入れた魔導具で周囲を洗脳していたらしい。自分が聖女であり、君が悪女であるという噂を刷り込ませていた。……しかも、その道具がそもそも、敵対している国の間者が悪意を以て流した道具だった」

「あら。そうなのね。では本当に極刑は避けられそうにないわね」

「そうなのね……って、君な」

「知らなかったもの。私はただ、あんな人が聖女な訳がないという確信と、噂の広がり方の違和感を持ち、あとは……本来の聖女が居そうな場所に目星をつけただけ」

「聖女が偽物だと知っていたジネットだからこそ、本物の聖女の居場所も見つけ出せたんだろう。貴族の財や権力があれば平民の隠し事なんて簡単に見抜けてしまうからな」


 ロランがじろりと私を睨んでいる。


「ガスパルもまさか、ジネットが偽物の聖女だとは思っていなかったようだけれど。彼は率先して私が極刑となるきっかけを作っていたし、ジネットに最も加担していた人物だから……彼もまたジネットと同じ刑に処される事でしょう」

「本当に、どこまでも淡々と……。こちらはほんっとうにギリギリだったんだぞ……」

「どうもありがとう、ロラン」

「もうこんな思いはこりごりだ……はぁ」


 ロランが大きく肩を落とす。

 それから、ソファに優雅に座って紅茶を飲んでいた私へ近づいた。



「……もう少し、分かりやすく頼ってくれないか」

「私と貴方が繋がっている事が分かれば、貴方まで悪評に巻き込まれて迷惑を被るかもしれないでしょう」

「公爵家をあまり舐めるんじゃあない。それに……」


 追い詰めるようにソファに手をつく。

 美しい翠の瞳が真っ直ぐと私を見ていた。


 そして次の瞬間、彼はハッとしたように目を見開く。


「君のことで、迷惑だと思う事もない。……君に何かある方がずっと参ってしまうだろう」


 彼はそう言うと、私の手からカップを奪い、テーブルに戻す。

 それから空いてしまった手を優しく握ってくれた。

 握られた私の手は……残念ながら、少しだけ震えていた。

 彼はそれに気付いてしまったのだろう。


「怖かったならそう言ってくれ。終わった事だとしても、心の傷を多少癒してやるくらいの事なら、俺にもできるだろ?」


 困ったような、けれど優しい微笑みを向けられる。

 そんな顔が――幼い頃の彼の顔に重なった。


 ……あの頃からずっと、彼の姿は私の目に眩しく映っている。

 格好良くて、優しくて、面倒見の良い……私の中の王子様。


 彼の言葉に肯定はしない。

 その代わりに……私は彼の背中に手を回した。


「でも今は、悪い気持ちではないのよ。本当に。だって――」


 私に応えるように、ロランもまた私を抱き寄せてくれる。

 そんな彼の耳元で私はそっと囁いた。


「――人生というのは、ドラマチックであるほどいいから」

「……変な事を言うんじゃなかったな」


 これは想定外だ、と呻くロランの反応が愛おしくて、私はくすくすと笑う。

 私達は暫く、近くから互いを見つめって。


 それから私はその先を促すように目を伏せる。


「更に言うなら……恋愛はもっとそうでしょうね?」

「全く……」


 呆れて笑う気配があった。

 優しく甘い熱が、私の口を塞ぐ。


 二人きりの部屋の中、私達は互いの愛にゆっくりと溺れていくのだった。

最後までお読みいただきありがとうございました!


もし楽しんでいただけた場合には是非とも

リアクション、ブックマーク、評価、などなど頂けますと、大変励みになります!


また他にもたくさん短編をアップしているので、気に入って頂けた方は是非マイページまでお越しください!


それでは、ご縁がありましたらまたどこかで!

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