表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/13

第40章〜第41章

   第40章 変化②


 冷え込んできたある日、教室に入ると久保さんが早く座っていた。

「おはよ。久保さん」

「あ、おはよー。タックー」

「それ……って」

 僕はあることに気がついた。まさか、この前の宣言通り、今度はデレを発動させた?いやいや。

「今日さ、タイツ履いてるんだ。こういうの、好きでしょ」

 あ、これだ。ダメだ。完全にデレだ。確定した。

「久保さん、そんなこと言うっけ?」

 一応、確認のために言う。

「やっとね、デレになる気分ができたんだー。どう?今日の私」

「うん、そうだね。違うね」

「そういうわけだから、よろしくね。タックー」

 そのあだ名に、一日付き合うのかと思い、ため息をついた。


               *


「タックー。ご飯食べよー」

 お弁当を持って、久保さんは近づいている。いつも通り、机をくっつける。

「ねぇ、ミニトマト食べてくれない?」

「自分で食べなさい」

「じゃあ、卵焼きは?」

「いる」

「引っ掛かんなかったか」

 箸で僕のお弁当箱に卵焼きをのせる。

「そういえば久保さん」

「……ん?」

「なんか、いつも通りに戻ってない?」

「あ、ほんとだ」


   第41章 冬将軍


 冬将軍という言葉がある。これは、とても寒いことを表す言葉だ。ちなみに、どうして将軍かというと、フランス皇帝ナポレオンを震え上がらせたほどの寒さが由来らしい。

「さむいよーーー!」

 久保さんは大きなため息をついた。

「なんでだろうね。晴れてるとあったかいのに、曇ってると寒い」

 今日の彼女は重装備だ。ブレザーの上にコート。首にはマフラー。手には手袋。耳には耳当てを。スカートの下にタイツを履き、こっそりモコモコ系の靴下まで履いている始末。寒がりを超えた寒がりだ。

「電気毛布も導入したのに、まだ寒いよ〜。卓くんはよく寒くないよね」

 かくいう僕も、手袋はしてるんだけど。あいにく、マフラーはしていない。なぜなら、首がむず痒くなっちゃうから。

 冬になればの楽しみが、僕にはあるのだ。

 なにかって?お風呂だよ。お風呂は冬場の救世主と言える。全身を温まるあの感覚がたまらないのだ。

 そんなわけで、僕は久保さんと反対で、密かに冬を楽しみにしているのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ