第32章
第32章 季節
九月。夏が終わりを告げ、秋が来る季節だと思っているけど、どうしてこんなに暑いんだろう。
未だに暑いし汗をかく。冬が来ればいい。でも、私は寒がりだからどっちもやだな。どうせなら、春か秋がいいな。
「あついよ〜〜」
私はわざとらしく机にうなだれる。
「ハハ。まだ九月だからね」
少し笑いながら、卓くんは笑い通りに楽天的に言ってきた。
「でも、これから涼しくなるんじゃない?もう夏は終わるし」
「こんな暑いのに?」
私は窓を指さす。セミがミンミンとやかましく鳴いている。
「でも、久保さんって寒がりじゃなかったけ?」
「うん、そうなんだよ。だから、冬も嫌いなんだよね。どうせなら、ずっと秋ならよかったのに」
「日本は高温多湿。季節は変わっていくよ」
相変わらず、ちゃっかり雑学を披露してくる。こう言う雑学の披露は嫌いではない。
*
空が曇っていて、少し涼しくなった気がする。視覚は不思議だ。映るものだけで感じ方が変わるのだから。多分、差は一か二度くらいだろう。
「あ、久保さん。アイスあるよ。暑いから食べれば?」
アイスの自販機を指さして、少し笑いながら言う。
「いや、曇ってるからいいよ」
「ん?あぁ、そう。じゃ、買お」
卓くんは慣れた手つきでお金を入れ、コーンのアイスを買い、手早く包装を剥がしてゴミ袋に捨てると、口を開けてアイスにかぶりつく。
「…………うま」
フフフと口角を上げる。
「…………ねぇ」
「……ん?」
「一口ちょうだいよ」
「やだよ。自分で買いなよ」
「じゃあ、いいよ」
少しムカついたが、いい顔が見れたからいいや。
こんちくわんこそば。お久しぶりです。小早川です。
ついに、書けました。率直に言うと、忘れていました。酷い。詩の執筆に夢中になっていました。あと、学校。学校が始まって、疲れが見え始めています。早起きしないといけませんし。




