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3-2帰国後初日2

宜しくお願いします。



  少し考えてから口を開いて言った。


 「地球の年数で考えて最速コースまで地球時間で後三十年以上あるので、ゆっくり考えていきたいと

 思います」


 中級入学まで約十年、中級六年、上級六年、特級九年と、時間はたっぷりあるわけだから。

 途中で緑に変わるのか、男子のまま青で終わるのか。

 赤に変わるのが想像できないから、恐らく青のままいくんだろうと思いつつ。


 「それが良いわ。どんな子が好きになるのだか楽しみに待ってるわね」


 「そうだな、楽しみに待つとしよう」


 「それは私も少し楽しみです。どんな子に落とされるのか」


 美的感覚が高そうなこの世界で一体どんな子と恋に落ちるのか。

 おっかなびっくりな反面、ちょっとばかり楽しみでもあるのが事実。

 ちょっと上から目線で言ってしまったと若干後悔した。


 「父様はいつ母様と出会ったんですか?」


 二人の出会いが気になったので直接聞いてみようと思った。


 「上級の時だ。ティが友達と一緒に学校を見に来たんだったよな」


 「ええ、そうね。案内人の一人としてネルが選ばれたのよね」


 「ああ。懐かしいな」


 普段の女子校から中央校を見学しに行った時に父様に会ったという事か。


 「その時の出会いの案内人としてだけじゃなく、もっと深い関係になりたくてね。声をかけたのよ」


 「俺も同じ気持ちだったから素直に頷いたんだ。そこから仮交際が始まって、

 同時にメル友にもなってな」


 電子での文通が始まった訳ね。

 初々しくて良いな。


 「結局、案内人と私達、全員が繋がったのよね」


 「二対二ですか」


 「いえ、三対三だったわ。今となっては全員婚姻済みの関係よ」


 凄い、良い出会いだったんだ。

 父様側三人と母様側三人が繋がったんだから。


 「今も連絡し合っている関係が続いているな」


 「そうね。同じ連合軍の隊員でもあるものね」


 連合軍の隊員同士、連絡を取りやすそう。

 いい友達関係が続いているってことかな。


 「交際に更新したのは何時なんですか?」


 「おお、随分突っ込んで聞いてくるな」


 「参考までにと思いまして」


 聞くだけでいい経験になりそうで。


 「なるほどな。交際に更新してくれたのは特級の時だ。ティが仮入隊して一等兵になることが

 確定した時にな」


 「ええ、仮入隊して一等兵に決定したらと決めていたのよ。無事に決まって良かったわ」


 一つの段階が進んだらってことかな。


 「それでそのままの関係で卒業してトントン拍子でということですか?」


 「ああ、意外とすんなり自己紹介も済んで、改めて交際を続けたな。そこから仮婚約、結婚とな」


 「貴族なのはビックリしたけれど、それだけよ。そこまで驚かなかった私は

 珍しいのかもしれないけれど」


 「ひどいと関係が悪化するらしいぞ。そうならなかったのは良かった」


 一般人からして貴族の関係性ってどうなんだろう。

 やっぱり一歩引いて見てしまうんだろうか。


 「貴族なのってやっぱり何かハードルがあるんですかね?」


 「一般人と比べると家格の考え方がちょっと違うからな。代々続いてきた家という歴史があるからな。 

 そこだな」


 「王国の一部を支配しているという考えもあるわ。内情を知ると、実際には違うと分かるのだけれど」


 私も少しというかかなり支配しているというイメージがあったけど、実際は違うらしい。

 どう違うのか詳しく聞いてみたい。


 「実際の貴族はどうだったのですか?」


 「領民の為に一生懸命過ごしているわ。意見箱とかウチくらいじゃないかしら?」


 「そうかもしれないな。他家できいたことはないかもしれない」


 「意見箱とは?」


 普通のポストとは違いそうだけど。


 「家に意見を投書出来る箱がポストとは別にあるんだ。それのことだ」


 当たった。


 「なるほど。それは凄いですね。侯爵への特別便ですよね?」


 「そうだ。仕分けはするが、それに侯爵も入って実行している」


 「そうなんですね。それは凄いです」


 領民の声を生で聞かせるチャンスがあるということ。

 何かしら意見があれば投函すれば届くという。

 夢みたいな取り組みかも。


 「休みが無くて大変そうですね」


 「ああ。たまに数が多いと俺達が仕分けに入って助けることもある」


 助っ人が必要なほど届いているという事。


 「そうなんですか、それは凄いですね」


 「領民の声を真摯に聞くという姿勢は多くを学べるな」


 「ええ、素直に尊敬できるわ」


 母様の意見の通り、同じことを思った。


 「退院したら、私も助っ人に加わりたいです」


 最前線の現場を是非見てみたい。


 「そうだな、ユートレイクスほどの理解力があれば助っ人として十分だろうな。機会があれば頼む」


 「はい!」


 戦力の一人として加えられて嬉しかった。

 侯爵がどんなことをしているのか知れて感無量。

 他にもどんなことをしているのか、現場をもっと知りたいと思った。


 「と、そろそろ帰ろうか」


 「ええ、そうね。また明日もあるわ」


 「今何時ですか?」


 夕飯が過ぎてからずっと質問攻めにしていたから時間の経過が分からなくなっていた。


 「八時過ぎだ。九時には寝た方が良い」


 「早過ぎません?ああ、帰るのに反対しているわけではなく……」


 眠りにつく時間について気になった次第。


 「初日から無理をしてはダメよ。テレビがない部屋なのだから、寝てしまいなさい」


 ないんですか、テレビ。

 ちょっと期待していただけあり、がっかり感が高い。

 早くテレビのある部屋に移りたいな。

 集中治療室扱いの部屋っぽいから、それから卒業したい。


 「分かりました、寝ます。ベッド、どうやって動かすんですか?」


 「やるわ」


 母様がベッドに触れると、徐々に寝るのに最適な平の状態に戻っていく。

 若干苦労しつつ足もそろえて毛布の中、下に移動した。


 「それじゃあ、ユートレイクス。また明日な」


 「はい、おやすみなさい」


 「「おやすみ」」


 寝る前の挨拶をして二人が部屋から出て行った。


 今日は本当に色々なことがあったな、と一人振り返る。

 合計十三個の国からなるらしいこの世界。


 パッと聞いた分、LGBTQのLとGとTは学校に通っている間にある健康診断で解決するっぽい。

 BとQはどうなんだろう。

 よくよく考えたら解決できるのはLGBTQの中のTだけじゃないかと思った次第。

 真実の泉というチートらしい物があるから、きっとどちらかに振り分けられるのだろうけど。

 でもある意味、そう言った性に関する問題がない分、澱みがない綺麗な世界なんだろうなと思う。

 美的感覚も高そうだし。


 だって担当の先生もイケメンだし、晩御飯を持ってきてくれた看護師さんも美女といっていい

 容姿をしていた。

 それともこの病院の採用に関して背格好も審査基準に入っているんだろうか。

 早く外に出て普通の人を見て確かめてみたい。

 父様と母様もイケメンにイケ女だから一般的な美的感覚を評価するのに合わないといっていいかな。


 そうだ、テレビ、テレビがあった。

 芸能人と一般人の違いが分かるかもしれない。

 次に両親に会った時にテレビのある部屋に移動できないか聞いてみよう。

 ほぼ何も知らない状態から見るわけだから情報収集に最適。

 チャンネルはいくつあるのかとか。

 地上波のみなのか、BSやケーブルテレビもありなのか等々。


 ここまで感じた技術の高さから、この世界の技術は現代日本と同等、もしくはそれ以上。

 後、まだ関連づいてないけど、魔法要素もあるはず。

 どんな風に科学技術と魔法が融合しているのか、早く知りたいな。

 もしかすると病院の機器に既に魔法要素が使用されている可能性もゼロじゃないなと思いつつ。


 質問攻めにしてしまったけど、次会う時も同じように聞いてしまいそうな気がした。

 魔法と科学技術の合体というか融合がどんな感じなのかきいてみようかな。

 普段の生活にどの程度魔法が影響しているのか知りたい。


 電気が消えてないからまだ明かるいけど、父様と母様に言われた通り、もう寝ようと決めた。

 九時前に寝るなんて、覚えていない幼稚園生以来じゃないだろうかなんて考えながら。

 寝る前の最後の準備をするべくナースコールを鳴らしてみた。


 『はい、どうしました?』


 「寝るので部屋の電気を消していただけませんか?」


 『分かりました、少々お待ちください』


 返答があってから数秒後には部屋の電気が消えていた。

 わざわざ部屋に来て消すのではなく、リモートで操作できるのかと感心した。


 「ありがとうございます。以上です。おやすみなさい」


 『はい、おやすみなさい』


 それでは、改めておやすみなさい。

 良い夢を見れますように。


 すんなりと睡眠に入れないだろうと思ったけど、意外と直ぐに微睡みが速やかに近づいてきて。

 思っていた以上に簡単に睡眠状態になれたのだった。

お読みいただきありがとうございました。

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