30下準備
宜しくお願いします。
たまたまコロッと出た案が正式に採用されることになった。
なんの案かというと、夏祭りの開催案である。
今現在、出店の種類を割り出している最中です。
「たこ焼き、綿あめ、焼きそば、お好み焼き、イカ焼き、チョコバナナ、りんご飴、じゃがバター、焼きトウモロコシ……」
言葉に出しながら紙に記していく。
「ベビーカステラ、チュロス、かき氷、たい焼き、大判焼き、焼き鳥、フランクフルト、クレープ……」
食べ物系はこんな所かな。
次は遊ぶ系だけど。
「金魚すくい、ヨーヨー釣り、型抜き、くじ引き、スパーボールすくい、射的、輪投げ……」
他にも色々あったような気がするけど、思い出せない。
そういえば、お面とかもあったっけと思い出せた。
こっちで人気なアニメとかってあるんだろうか。
テレビは主にニュースやワイドショーしか見てないから分からない。
アニメがあるかどうか番組表を見て探さなきゃ。
朝なのか夜なのか深夜なのか。
「飲み物は無いのかな?」
紙を覗き込んできた父様に問われてハッとした。
「あります、忘れてました。ビールにラムネ、ジュースです!」
種類が微妙に少ない気がするけど、しょうがないと思って欲しい。
「ラムネというのは?」
「ないんですか?」
「初耳だ」
父様の返答に意外に思った。
「ガラスの容器にビー玉が入ってるんです。食のオムディアンドに問い合わせてみませんか?」
もしくはネットで検索をかけるのが良いかもしれない。
「ネットでラムネを検索してみるか」
「お願いします!」
父様がポケットから携帯を取り出し、タップし始めた。
恐らくスマフォだと思われる。
「これか?」
父様が検索結果を見せて来た。
見事にラムネの瓶だった。
「それです!ありましたね。中身は炭酸の飲み物です。もしかしたらカフェインが入ってるかもしれません」
「ああ、入っているみたいだ。初級以上で解禁される飲み物だな。後、妊婦も駄目みたいだな」
幼年学級はダメなんだ、意外。
妊婦さんも駄目なんだなと、とりあえず納得。
「いちいち年齢聞かなきゃいけないの面倒くさいですね」
「ノンカフェインのラムネもあるみたいだぞ?」
またもスマフォの画面を見せてきてくれた父様に一回頷き。
「じゃあ、それを採用しましょう」
「そうだな、そうしよう」
「出店、パッと浮かぶものはこれくらいですが、全部提供できますかね?」
「初耳の出店もあるから、それはオムディアンドに問い合わせてみてみる必要があるな」
また一つ頷いてから、
「知り合いがいらっしゃるんですか?」
問いかけてみると。
「ああ。現地に友人がいるからソイツに連絡して聞いてみような」
「はい!」
また大きな頷きと共に返事をした。
「じゃあ、かけるぞ」
そうして電話をして問い合わせた所、たこ焼き以外は全部あった。
たこ焼き、屋台で一、二を争う人気店なのにないとは。
材料を知ってる訳でもないので、作りようがない。
あの丸型の特殊な鉄板もないしね。
残念だけど、たこ焼きは諦めるしかなさそう。
いつか創始者が提供してくれるのを期待して待つしかない。
そのいつかが近い将来だと良いけど。
せめてレシピだけでもとお願いしたいけど。
連絡を取る手段がないので、ひょっこり現れるのを待つのみ。
目玉のたこ焼きがないのは痛いなと思いながら、次の案を練ることにする。
屋台を運営するオーナーがアピテタ内は何人いるのか。
果たしてオムディアンドから人員を呼ぶ必要があるのか。
綿あめはないそうだから、それは国外から呼ぶしかないと思う。
あの独特な機械も持ってきてもらわなきゃだよね。
お祭りのフィナーレで使用する花火はアピテタ内でありました。
中央公園で上げる予定となった。
公園までの一本道には出店が開催される予定。
元からそういう設定にされるはずだったようで、その環境の良さにビックリした。
花火、日の目を見ずに廃棄される予定だったらしく、される前に見つかって良かったと安堵した。
想像以上の金食い虫だったみたいで、一般には流通しなかったそうだ。
一発三万円以上とかかかれば納得だよね。
とりあえず花火の購入予定は上に任せる予定。
花火を上げる花火師さんの給料も込だからね。
下手したら設備諸々の経費を込で億の単位くらいかかるかもしれない。
なんにしろ、僕の役割は案を上げること。
費用やら細かい経費は全て上に任せている。
朝から出店が出て、夜には花火が上がるという予定。
上手くいくと良いけど。
ところで遊ぶ系の出店で却下が出たのが一つある。
それが何かというと金魚すくいだ。
生き物を扱うと価格がドカンと上がるそうです。
出店価格じゃなくなるらしいので、金魚すくいはボツとなった。
他は大丈夫らしいのでホっと一安心。
地球仕込みのお祭り、上手くいきそうで良かった。
後はいつ開催すれば良いのか、それ次第かな。
夏休み中というのが一番だよね。
週末だと更に良いけど。
そうして決まった仮の日付は葉月の四周目の週末、水曜日。
出店は朝ではなく前日から開催というスケジュールになった。
つまり、冥曜日から開かれる予定。
出店は全国から出展者が集まるらしい。
こういったまとまった機会は無いらしく、普段はキッチンカーなどで移動しているそうで。
屋台は普通に出店するとのこと。
その場合は普段営業しているキッチンカーなどのまま出店するそう。
新たに屋台を建てる必要がなく、その点では面倒ではないそうだ。
出店する場所の確保が問題になりそうな予感。
どれくらいの数の店が出店するんだろうか。
食事系の出店だけでも二桁行くよね。
「三十店くらいかな?」
「決まったか?」
問いかけてきた父様の方に向き、頷きを一つ。
「はい、大体は。キッチンカーで屋台じゃなくても出来る点が良いですね」
「ああ。新たに屋台を起ち上げるとなると作り上げるのが大変そうだからな」
屋台の建設費用だけで幾らか持って行かれるだろうしね。
「オムディアンドから綿あめとラムネの店を呼ぶ必要がありますけど」
ここエアル領までの飛行機の費用とかどうなるんだろうと考えるけど、思いつかなかった。
「他はここエアル島内だけで開催可能か」
問い合わせて見てみると、出店に諾を出してくれた店が多かった。
「はい。キッチンカーが多いみたいですが」
他はお馴染みの屋台を建設するみたい。
今年開催できるのかな。
「今年から可能ですかね?」
「いや、来年からだな。今している下準備だけで時間が取られる」
準備に時間を取られるのは多々あることだもんね。
「そうですか、分かりました。入念に案を起こしますね」
「ああ、そうしてくれ。他思い出したことがあったりしたら、その都度報告を頼む」
「了解です」
今のところ全部出し切ったっぽくてないけど、少し時間を置いたら出てくるかもしれないからね。
流石に出店の案は全部搾り出した気がするんだけど。
「あ、フライドポテトがあったかも」
「追加だな。それなら直ぐ対応できるだろう。全国区で提供されているだろうからな」
ファストフードでもおなじみだからか、英語のまんまで大丈夫だった。
「はい!あ、さらに追加で唐揚げなんかもあったかもしれないです」
「食べ歩きにもってこいだな。これも直ぐ対応できるだろう。追加だ」
どこでも対応できる追加分がポンポンとでたけど、これで終わりかな。
まだありそうな気がする。
でも、遠方に問合せしなきゃな出店はもうない気がする。
「今のところは以上だと思います。他浮かんだらまた言いますね」
「ああ、そうしてくれ」
何かに関連して思い出すケースが多いから、色々と考え込んでみたけど、それ以上は出てこなかった。
また何か別の事をしている時にポンと思い出すかもしれない。
他に思い浮かべるのは別の場所で提供されている出店かな。
ディズ〇ーランドの食べ物を思い浮かべて思い出したのが。
「あ。ポップコーンとターキーの足があります」
「ターキーとは?」
「七面鳥を英語にした言い方です。それをスモーク、燻製にしたものが美味しかったと思います」
こっちにも七面鳥はいるのかな。
「なるほど。ポップコーンはすぐ対応できるだろうが、ターキーは分からない。七面鳥は滅多に聞かない」
「そうですか。七面鳥じゃなくてもフライドチキンにする手もありますが」
「それなら直ぐに対応可能だ。代案として上げておこう」
「はい、そうしましょう」
ターキーとフライドチキン、手に持って食べられる点が一緒だ。
ターキーの燻製はともかく、フライドチキンは唐揚げと一緒に提供できそう。
ここまで肉っぽい出店ばかり思いついたけど、他にもあったような気がするんだよね。
米系は何かなかったかなと思い出そうとする。
普通におにぎりを提供しても良いかもと思ってから、焼きおにぎりの存在を思い出した。
食べ歩きに良さそうじゃなかろうか。
米の変化球でお餅で何かなかったか考えると、海苔で巻かれている図だけ思い浮かんだ。
なんていうんだっけ、あの状態の餅。
焼餅?揚げ餅?
焼きは別に名称があったような気がする。
揚げ餅かなと、一端一人で納得することにした。
「また思い浮かんだか?」
「はい、焼きおにぎりと揚げ餅です。あ、肉巻きおにぎりなんてのもありました。
後名称を忘れたんですが、お餅を焼いて醤油で味付けして海苔を巻いたものもあったなと」
「ああ、磯辺焼きじゃないか?餅を焼いた物を使用するんだよな?」
「はい、多分それです」
父様からの案にうんうんと頷いた。
「オムディアンドに行った時に食べたことがある。大体そんなもんか?」
「また思考をどこかに飛ばせば浮かぶかもしれませが、現時点では以上ですね。今度こそ」
「はは。そんなに思い詰める必要はないぞ」
笑い交じりに言われて、大きく一つ頷いた。
「はい。少しボーっとしますね」
「うん、そうするといい。いきなり沢山思い浮かんでパンクしないようにな」
「はい!」
交際費用として国から資金が出るのかな。
だから来年の開催予定なのかもしれない。
「もしかして、来年から費用が国から出るんですか?」
「ああ。今年は無しに決めていたが、来年からは申請するから祭りの費用が出る」
なるほど、そういうことですか。
交際費とかかな。
寄付金とかも出るのかな。
エアル領にとって初めての試みらしいから、ドキドキしている。
もちろんワクワクもしているけどね。
少し頭を休ませることにした。
来年開催予定の夏祭りに思いを馳せる。
どんな風に盛り上がるかな。
こちらの人にもちゃんと受け入れてもらえるかな。
何にしろ凄く楽しみだな。
お読みいただきありがとうございました。




