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19家庭教師の授業

宜しくお願いします。




  「じゃあ、今日も地理を勉強しようか」


 「お願いします」


 そうして始まった今日の勉強内容は前回同様に地理。

 王国名の中にある領名を覚えていく。

 最初に習ったのは我がアピテタ王国のエアル領。

 伯爵家であるエアルッツ家、子爵家であるエクリッツ家、栄爵家であるエアル家の分家などなど。

 州が県と同じ扱いで、その内部にある市ごとに各家が管理している形だ。

 つまりエアル家が収めるエアル島全体が一つの州として数えられている。


 「夏と冬の集まりで呼ばれている家などもあるね」


 「ああ、あの」


 いくつの家が呼ばれているか不明だけど、親族だけの集まりじゃないことは確かだった。

 もしかしたら分家の分家とかが出席しているかもしれないけど。


 エアルッツとか明らかにエアルから取った名前じゃないかと。

 他Eから始まる家名のほとんどが市町村の長であることが分かった。


 「ほとんどの家がEから始まるんですね」


 「そうだね。区別をつけるためにもEから始まる家名を付けたんだろうね」


 「逆に付けない方が区別がついたんでは?」


 「例えばエルイーノ領があるだろう?Eの頭文字で家名を付けられるもう一つの領だ。他はここ、エアル領だけになっている。

 Eが付けられる家名として、ここが存在しているようなものだからね。他の領地では違うんだよ」


 「そうなんですね。深いです」


 ここアピテタ王国ではEの他にアピテタ王家とアルクサイト公爵家、アウイン侯爵家のA、そしてヴェント公爵家と

 ヴァイス侯爵家のVがある。

 他の国だとまた違うアルファベットの頭文字があるから、そこから新たな名字が発生しているのだろう。

 すぐ北にあるイテラック王国だと、イテラックのIという風に。


 「すべて覚えるのは大変だから、とりあえずはマルトの侯爵家までにしよう。後は、この先少しずつ覚えていけばいい。

 学校でもちょうどそれくらい覚えさせるくらいだ。小テストに出てきてもおかしくないからね」


 「はい」


 マルトというのは侯爵家のことで、同じ発音の公爵家と分けて呼ぶときに使われている。

 ちなみに公爵家はデュグという。

 これらの呼び方は、元のルーラと呼ばれる星で生活していた頃の名残らしい。

 古語といわれているものだ。


 「じゃあ、一端本は置いて、これに記入して」


 そこにはアピテタとイテラックの地図が書かれていた。

 それと同時に領の場所に領名が書けるように空白があった。

 更に下には領名が書いてあり、選択できるようになっていた。


 「空白を埋めればいいんですね?」


 「そうだ。やってみて」


 「はい」


 一番最初に一番左、西にある島にエアルの文字をカタカナで記入する。

 そして西から順番にエルイーノ領、縁爵領、アウイン領、アルクサイト領、ヴァイス領、ヴェント領、アピテタ王領となった。

 次にイテラックだが、縁爵領と王領以外がイマイチだ。

 とりあえず空白を埋める努力をしてみた。

 アピテタは自信を持って間違ってないと言えるはずだが、イテラックが不透明だ。


 「出来ました」


 「うん、イテラックが王領と縁爵領以外ダメだね」


 「ですよね。分かってました」


 王領と縁爵領は分かりやすい感じだったので覚えたけど、他の領地の特徴は覚えきれてなかった。


 「次までにイテラックの領名を覚えておくように」


 「はい」


 「また同じ形式で出すから。よく勉強しておくように」


 「はい、分かりました」


 教科書を開いてイテラックの領名を確認する。

 上から下へ、そして左から右へ。

 アイオルット、ゼグザシオン、ザス、イパッテアと。

 アピテタと比べて公爵領と侯爵領が一つ少ないのが特徴だ。

 イテラックの他にも同じような王国がある。

 アピテタ同様三つの領地か、二つの領地。

 三つの領地の方が二つより多い。


 領地が三つあるのはラクト、ウシムグ、フェトリウール、ズポタ、オムディアンド。

 他二つの領地があるのはロサセルソ、カルトゥズ、ダンコラム。

 そこに三つのアピテタと二つのイテラックが加わる形だ。


 「今日はここまでにしようか」


 「ありがとうございました」


 「良く復習しておくようにね」


 「はい、頑張ります」


 各国の領名を覚えるのは必須だろう。

 よく復習しておかないと。


 夕食までは三十分ほど。

 まずは間違っていたイテラック王国の領地を覚えていく。


 槍の道場数が全国一というより世界一のイパッテア公爵領。

 木工が盛んで木槍作りといえばのゼグザシオン公爵領。

 鉱山があり、採掘と槍の制作が盛んなアイオルット侯爵領。

 槍の道場数が僅差で世界二位のザス侯爵領。


 特徴的な産業があるイテラックの各領。

 エアル領より覚えやすいかも。

 いつか道場巡りでもしてみたいなと、ふと思った。


 特に気になっているのがパイセス剣伯領。

 上位貴族じゃなくて下位だけど、剣伯というんだから剣が主流なんだと思う。

 槍が主な武器らしいこの世界で剣を扱っているというのがポイント。

 槍より剣の方が好きだから気になっているのかもしれない。


 そんなパイセス伯領があるのはザス侯爵領内。

 よく覚えておこうと心に決めた。


 詳細の下位の分家などを習うのはいつになるのかな。

 エアル領の分家も習ったから順番に次回になるかもしれない。

 どんなことを教われるんだか楽しみだな。


 そんなことを思ってたら晩御飯の時間が迫って来ていた。

 今日の当番はひい爺様達のはず。

 補佐役も担っているひい爺様達が何を作ったのか凄く気になる。


 隣のアイリーゼを誘って晩御飯に行こうかな。

 そんなことを思いながら部屋を出た。


 「あれ、晩御飯に?」


 アイリーゼとバッタリ鉢合わせた。


 「はい!兄様も?」


 「うん。一緒に行こうか」


 「はい!」


 手を繋いでダイニングへ。

 本当、アイリーゼと仲良くなれて良かったと胸をなでおろした。

 またいつか一緒に寝ることになるんだろうな。

 拒否する理由が浮かばないから、普通に一緒に寝ると思う。


 ダイニングについてアイリーゼの椅子へと誘導し、チャイルドシートのような椅子に座らせた。

 僕も少し上げてある特殊な椅子へと進んだ。

 早く身長が伸びて上げてある椅子を卒業したいな。


 気になる今晩の晩御飯は、鶏のから揚げだった。

 他にはキャベツのサラダとネギと豆腐の味噌汁があった。

 全員でいただきますを言い、晩御飯を食べ始めた。


 下味がしっかりとしみ込んでいる唐揚げは美味しかった。

 それより先に食べたのはキャベツのサラダだけど。

 ドレッシングは透明だったので、かかっているかイマイチ分からなかった。

 それでもかかっていると信じて食べたら、少し酸味を感じるドレッシングの味がした。


 ネギと豆腐の味噌汁も出汁が良く効いていて美味かった。


 文句なしに美味しい晩御飯を提供してくれたひい爺様達に感謝。

 丁度お腹いっぱいになったからおかわりは無し。

 父様だけご飯のおかわりをしに行っていた。

 唐揚げのおかわりは売り切れゴメンだったみたい。


 全員でご馳走様を言い、晩御飯が終わった。


 この後は何をするのか決まっていない。

 どうするか父様と母様に聞こうかな。


 「父様、母様。これからどうするんですか?」


 勉強以外のことがあれば、それをしたい。


 「少ししたら風呂に行くが、一緒に入るか?」


 「はい!」


 先日も一緒に入ったけど、今回も一緒に入りたい。

 まったりとした時間が過ごせて、とても良かった。

 母様たちも一緒に入ったけど、タオルで前を隠してくれていて助かった。


 「私達も一緒に入りましょうか。ね、アイリーゼ」


 「はい!」


 家族風呂二度目になりそう。

 それはそれで楽しみだから良いけど。


 それじゃあとお風呂の準備をするべく、自室に戻ってパジャマと下着の着替えを持って浴室で合流した。


 「父様、鍛えてるんですか?」


 細マッチョな父様を改めて見て、ストレートに疑問を発した。


 「軍で鍛錬してる」


 「なるほど。筋肉がカッコいいです!」


 「ティも気に入ってくれているが、ユートもか」


 「はい!父様みたいになりたいです!」


 目指せ細マッチョ。

 適度に付いている姿に憧れる。


 「リハビリを延長して頑張れば多分直ぐ付くと思うぞ」


 「頑張ります!」


 子供の頃から筋肉を付けると身長が伸びないとか聞いたことあるけど、大丈夫かな。

 とにかく父様を目標に鍛えることを決めた。

 プールでの泳ぎを倍にして、ランニングマシンでの走りも倍にすれば良いかな?

 ランニングはマシンだけじゃなく、外で実施しても良さそうだけど。

 むしろ庭で実行した方が良さげかもしれない。


 家庭教師の先生が来る前か終わった後に走りのトレーニングを入れようと決めた。

 それとも体術の授業で行われたりするのかな。

 体育の授業も考えられるよね。

 その時を思いワクワクしてきた。

お読みいただきありがとうございました。

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