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15豪邸探検

宜しくお願いします。





  退院して二日目の午前中、朝食後にこの豪邸を探検することになった。

 付き添いはアイリーゼと父様と母様。


 「まずは一階から」


 「行こうか」


 「はい!」


 自室の隣はアイリーゼの部屋、そして空室と続く。


 「この空室は兄弟が出来たら活用されたりするんですか?」


 「ああ、そうだ。良く分かったな」


 「なんとなくそんな気がしたんです」


 この先兄弟が出来るか知らないけど、出来たらこの部屋の住人となることは分かった。


 「兄弟が増える予定はあるんですか?」


 「未定だ」


 「なるほど」


 仲良し夫婦だからいつできてもおかしくないと思うけどね。

 空室の数は三部屋。

 後三人兄弟が出来ても大丈夫ということ。


 アイリーゼの部屋と似たような作りになっていた。

 お次は反対側の部屋。


 「こっちは客室になっている」


 「泊まる人がいるんですね」


 「滅多にいないがな」


 なんとなく二部屋目を開けて内装をチェックした。

 ベッドと机、テーブルにテレビ。

 なるほど、ホテルみたいな作りになってるんだね。

 トイレとシャワーも完備しているみたい。

 豪華な感じですね。


 「客室も五部屋ある」


 「多いですね。満室になることはあるんですか?」


 振り返って父様と母様に問いかけると。


 「そうそうあることではないわ」


 「保険みたいなものですか」


 「そうとってもかまわない」


 あるだけマシといった所かな。


 歩を奥に進めるとキッチンに到達した。

 その隣にはダイニングが。


 「そこは浴室になってる」


 父様がダイニングの隣にある部屋を指しながら言った。

 ということは、その隣にあるのは脱衣所と洗濯機かな?


 「父様、夜一緒に入りませんか?」


 「いいな。家族全員で入るか」


 え、それは良いんだろうか。

 母様とかヤバイのでは。


 「いいわね、入りましょう」


 とうの母様から承諾のセリフ。

 いいんですか?

 僕、男の子なんですよ。


 「晩御飯前と後どっちにしますか?」


 「晩御飯前にしようか」


 「了解です。楽しみです」


 タオルで前を隠してくれますようにと心の中でお願いした。


 「そうね。所で午後に買い物に行かなきゃよ」


 「ユートの服だな?」


 「ええ。今のままでは一週間もたないもの」


 「ああ、午後に行こうな」


 確かに今あるのは通販で買った三着のみ。

 一週間は九日だから、後六着買うことになるのかな。


 「二階に行こうか」


 「はい!二階は父様と母様の部屋の他に何があるんですか?」


 「父さんたちの部屋もある。他にビリヤード場もあるな」


 ビリヤード場、確かに豪邸にある印象がある。

 正にピッタリのイメージ。


 そして三階へ。


 「ここはひいひい爺様とひい爺様の階ですか?」


 「そうだ。後、ステレオルームがある」


 「音楽鑑賞の為ですか?」


 「ああ。主にクラシックが好まれたりするが、ちゃんとポップスもあるぞ」


 音楽、知ってるのが無さそうな気がする。

 知らない曲ばかりな印象を受けるけどどうなのかな。

 創始者の方々は地球の音楽を導入したのか否か、気になる。

 クラシックはともかく、ポップス。

 ラップも流行ってたけど、そういうのも入ってるのかな。


 「最上階、四階は何があるんですか?」


 「ユートにとっては開かずの間だな」


 「入れないんですか」


 「ああ。アイリーゼも入れない」


 僕はともかくアイリーゼも駄目だなんて。


 「何か別名でもありそうですけど」


 「うん。別名は契りの間という」


 「それは入れませんね」


 一瞬で納得した。

 伴侶を得てからなら入れるかもしれないけど。

 少なくとも交際手帳の公認婚約の状態にならないと駄目でしょ。

 もしかして公認婚約になったらここに入れられるのかな。

 強制は嫌だなと思いながら、開かずの間の扉を見つめた。


 「部屋からは絶景が見られるから、入れる日を楽しみにしておくといい」


 「了解です」


 最上階だから何か特別な物が見れるんだろう。

 何が見れるんだかその時までのお楽しみ。


 「よし、じゃあ最後は地下に移動しようか」


 「確かプールとトレーニングルームとガレージがあるんでしたよね。リハビリ出来ますかね?」


 「ああ、ユートの部屋を経由して水着を持って行こう。昨日しなかった分、今日やればいい」


 「はい!」


 そう、昨日は家具屋やら家電量販店などに行った分、時間を取られてリハビリが出来なかった。

 その分、今日すればいいということ。


 自室に行き、リュックに入れっぱなしの水着を取り、下へ行く父様達と合流した。


 「タオルはどこにあるんですか?」


 自分の部屋にシャワー室があるけど、そこにタオルは完備されてなかった。


 「そういえば、まだ置いてなかったわね。取ってくるわ」


 母様が二階の部屋に行き、そこからタオルを持ってきてくれた。

 着る物も確かに必要だけど、タオルなどの日用品も必要。

 午後の買い物のリストにそれもちゃんと入れておかないとね。


 「おおー、凄い!」


 プールの屋根に当たる部分が開放され、外と繋がった。


 「地下の屋根のままでも悪くないが、この方が開放的だろう?」


 「はい、凄いです!より広く感じます!」


 上が閉まっていても大きく思っていたプールがより大きく感じた。


 ゆっくりと体を慣らしながらプールに入った。

 とりあえずはクロールからかなと決めて泳ぎ始めた。


 続いて平泳ぎ、背泳ぎ、そして自信がなかったバタフライへと。

 何とか四種目全て泳ぐことが出来た。


 プールから上がって、身体をタオルで拭った。


 「どうだ?」


 「良い感じです。明日も来ようと思います。後はトレーニングルームにある機械で走りを実施したいと思います」


 「そうだな、そうすると良い」


 プールの天上を元に戻し、トレーニングルームへと移動した。


 「ジムみたいですね」


 最新の機器が揃っていると言っても良いんじゃないかな。


 「走りはこっちだ。漕ぎもするならこっちだ」


 走り専用の機械に乗って、スタートさせた。

 小走りから始まり、軽いランニングへと。


 「俺も走るか」


 と父様が隣の機械の上の住人となった。

 約一キロ一緒に走った。


 続いて漕ぎのバイクへ。

 こちらも約一キロ実施した。


 次にやる時は二、三キロくらいずつやろうと決めた。


 「プールは何メートルあるんですか?」


 「約十メートルだ」


 ということは、三往復した方が良いかな。

 次からは三往復にしようと改めて決めた。


 漕ぎを三キロほどやったところで切り上げた。

 漕ぎは走りより多くした方が良いかな。

 次やる時は四、五キロくらいにしよう。


 最後はガレージを見学して豪邸内の探検は終わりとなった。


 ガレージにはごく普通の車両が多くあった。

 普通の五人乗りの物やヴァン型の自動車、家族全員が乗れそうな中型なバスまであった。

 それらが計五台ほど。


 「どうやって上に行くんですか?」


 「これだな」


 父様がボタンを押すと、天井の部分が折れて坂のような構造になった。


 「凄いですね」


 「ああ、初めて見ると驚くな」


 傾斜がジェットコースターみたいだ。


 「時々にしか使わない車が収納されている」


 「このバスとかも使いどころがあるんですね」


 「家族全員で旅行に行く時とか使用するな」


 「なるほど」


 確かに全員乗車するとなるとこれくらいの大きさのバスが必要となりそう。

 どんな所に出かけたりするのかな。

 ちょっと離れた所にあるホテルとかかな。


 「どんな所に行くんですか?」


 「最後に行ったのは別荘だな」


 「別荘。あるんですね」


 こんな豪邸があるんだから、別荘もあっておかしくないとは思ったけど。


 「ああ、山に近い方にな。家族全員じゃあ、もう定員オーバーで泊まれなくなったがな」


 「そうなんですか?」


 「ああ、四部屋しかないからな。増築しないと無理だろう?」


 「そうですね。四部屋じゃ足りなさそうです」


 全部の部屋の定員が二人でもないだろうしね。


 「一家族なら余裕があるから今度行こうな」


 「楽しみです!」


 「おう、それは良かった」


 僕の頭を撫でながら父様がにこやかに言った。

 もう片方の手はアイリーゼの頭の上にあった。

 本当に撫でるの好きですね。

 撫でられるの好きだから良いけど。


 「家の中は以上だが、それ以外に紹介したい場所がある」


 「はい。どこですか?」


 「隣だ。補佐役の宿舎があるんだ」


 補佐役といえば侯爵の補佐をしている方々。

 その宿舎が隣にあると、なるほどね。


 一階に戻って、玄関経由で正門を目指す。

 正門から出て右に行くと、何階建てから分からない建物が現れた。

 補佐役の方々は一体全体何人いらっしゃるんだろう。

 五階以上の建物が二棟以上ありそうなんですけど。


 その内の一棟の入り口に入って行く。

 中は清潔さが保たれている、ホテルのロビーのような場所だった。

 カウンターがあり、人が一人いた。

 ここがフロントってことかな。


 「ネルトール様、ティーヤ様、ユートレイクス様、アイリーゼ様、ようこそ。本日はどういった趣で?」


 「ここを紹介しに来た。二人の長はいるかな?」


 「はい、今お呼びしますね」


 父様に指示され、人を呼ぶらしい。

 どんな人なのかな。


 呼び鈴のようなものをチリンチリンと若干乱暴に鳴らすフロントの担当者さん。

 すると通路の奥から人が二人、こちらに向かって走って来た。


 「緊急のベルとは何事だっ」


 「あ、皆様方。本日はいかがいたしましたか?」


 一人が問い詰め、もう一人が僕たちのことに気づいたらしい。


 「ああ、ここを案内したくてな。紹介したいが良いか?」


 「はい、もちろんです」


 父様が大きく一つ頷いてから、手を腰の横らへんに添えて、紹介するようなポーズをとった。


 「こちら補佐役の長を務めるお二人、エクタ夫妻だ。夫のダクトルと、その妻のコレッタだ」


 「ダクトルです。以後お見知りおきを」


 「コレッタです。宜しくお願い致します」


 身長差十センチ以上はありそうなご夫婦でした。

 夫のダクトルは焦げ茶の髪を七三に分けてる、ヘーゼル色の瞳をしているややガッチリした男性。

 妻のコレッタは薄い桃色の髪の毛で、長さはミディアムといった所で、瞳の色は薄い緑色をしていた。


 長といわれるだけあって、ひいひい爺様達と同じ年齢帯に思えた。

 それでも十分童顔で、ぱっと見で二、三十代にしか見えないんだけどね。

 本当の所は四、五十代といったところかな。


 「何かありましたら是非、こちらにお寄りください」


 「ご用事がありましたら、いつでもいらっしゃいませ」


 お二人ともウェルカムな感じで言ってくれたので、大きく頷いておいた。


 「こちらこそよろしくお願いします」


 「お願いします!」


 僕に続いてアイリーゼが言った。

 本当に元気のいいことで。


 「我々に敬語は不要です。是非、普段の口調でお願いします」


 「直ぐには無理です」


 「はい、徐々にで良いのでお願い致します」


 「了解、努力します」


 「します!」


 僕の後に続いたアイリーゼが可愛かった件について。

 とにかく年上でも口調を気を付けなきゃいけなくなったね。

 普通だったら丁寧語でいいところを、まさかのタメ語で喋れとは。

 今すぐにというわけじゃないから、ゆっくりと慣れていけば良いよね。

 頑張ろうっと。


 これで本日の豪邸探検は終わったのだった。

お読みいただきありがとうございました。

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