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13退院、そして帰宅

宜しくお願いします。




  「退院の準備が出来ましたら、この紙を受付まで持ってきてください」


 「分かりました」


 とうとう退院だ。

 待ちに待ったこの日が来ました。

 残すは部屋の持ち物チェックとお会計。

 流れとしてはお会計が済んだら、最終的に持ち物チェックって感じかな。


 着替えは既に終えていて、後は持ち物の確認だけ。

 確認を終えたら。


 「一緒に来てください」


 「「了解」」


 父様と母様が付き添いで来てくれているから安心。

 渡された紙を持ってアイリーゼを含めた四人で受付に向かう。


 「お願いします」


 「はい、ただ今」


 受付のお姉さんが紙を受取り、横にあった何かを操作した。


 「こちら、お会計票になります。一階のカウンターで受け付けています。終わったらまたこちらにお越しください」


 「ありがとうございます」


 父様が向かうことにし、母様とアイリーゼ、僕は病室で待つことにした。


 「いよいよこの日が来たわね」


 「はい。ドキドキしてます」


 「今日、兄様と寝られる?」


 アイリーゼの可愛い問いには、


 「ええ、大丈夫よ。ユートの心次第ね」


 母様の答え。


 「問題ありません。一緒に寝ようね」


 大きく頷きながら答えた。

 大歓迎だよと。


 「わーい!」


 万歳しながら喜んでくれて何より。

 兄妹としての第一歩を改めて今日から踏み出す。

 遊ぶ約束もしてるし、やることは沢山ある。

 楽しみなことがいっぱい。


 「会計済んだぞ」


 「ありがとうございます」


 「思ったより安かった」


 僕の頭を撫でながら父様がそう言った。


 「そうですか」


 今度は受付に行き、会計が済んだことを伝えた。

 すると看護師さんが二人出てきて、部屋の確認作業を始めた。

 それは直ぐに終わり。


 「持ち物は無いようですね」


 「退院おめでとうございます」


 「ありがとうございます。お世話になりました」


 頭を下げて感謝を伝えた。


 「お世話になりました」


 父様と母様も同じように挨拶をした。


 最後の挨拶を終え、病室を後にした。

 約三か月、長かったようで実は短かったかもしれない。

 持ち物も最低限しかなかったから直ぐにチェックが終わったし。


 水着と帽子と日焼け止めクリームの三点だけ。

 服を購入した通販で買ったリュックの中に全部入っている。


 父様と母様に着いて歩く。

 行先は不明。

 多分、家に帰るんだと思うんだけど。


 「駐車場に行く」


 「はい」


 どうやら車で来ていたらしい。

 今はエンジンが切られてるから、浮いてない状態だよね。

 近くでじっくりと観察してみたい。


 一階までエレベーターで降り、そこからしばらく歩くと。


 「凄い、近未来みたい……」


 ガラス張りの駐車場が現れた。

 車は地下に収納されているらしく、順々に機械で取り寄せているのが見えた。

 父様が近くの係の人に紙切れを渡した。

 あれで車が上がってくるのかな。


 しばらく待ってると、父様と母様がガラス張りの部屋に入っていった。

 車が到着したらしい。

 アイリーゼに続いて僕も部屋に入る。


 そこにあったのは黒いハイヤーみたいな車だった。

 明らかに日常使用じゃないと思うんだけど。

 ひいひい爺様限定じゃないんだと変な感慨を感じた。

 特別な日だし、そういうことにしておこう。


 アイリーゼはチャイルドシートに。

 僕も特殊なシートがあったので、それに座った。


 「ユートはまだ身長が足りないから、少年用のシートに座ってね」


 「了解しました」


 シートベルトは普通に締めるんだね。

 アイリーゼのチャイルドシートと比べると簡略化されているシートだった。


 「準備は良いかい?」


 「「はい!」」


 「行きましょう」


 父様の運転で車が動き出した。

 パッと見た感じ、普通の車と変わらないように見えた。


 病院を出て左折、そうしてしばらく行って今度は右折。

 少し進んで左折、また進んで左折、そして左折。

 左折が多い。


 「もう着くわよ」


 母様の声に一つ頷き、外を見た。

 ここまでまったく外を見ないで、運転席の父様に集中していた。

 外の景色を見なかったことの後悔を今更だけどした。


 大きな門の前に停車した。

 もしかしてここなのかな。


 門がスーっと開き、車が進んで入った。

 ここが目的地みたい。

 奥に大きな家が見えた。

 家というよりは豪邸と言った方がいいかもしれないけど。


 整備された道をしばらく進み、右にそれて停車した。

 するとガレージなのだろう、大きな扉が上に動き出した。


 開ききった所で車が内部に入る。

 直ぐ近くで停車した。


 「着いたぞ」


 父様の声でシートベルトを外した。

 アイリーゼのシートベルトも外してあげた。


 「ありがとう、兄様」


 「どういたしまして」


 ドアは父様が開けて待っててくれた。

 車から降り、車庫内をザッと見渡す。

 すると色んな車があることに気づいた。

 リムジンだったり、普通の車だったり色々。


 「また後で来るかもしれない」


 「そうね。家具屋に行く必要があるわね」


 そう話をしながらガレージを後にした。

 先を行く父様に着いて後を歩く。


 しばらく歩くと、扉が見えて来た。

 観音開きになっているみたい。


 「ここだ」


 そう言って父様が両手で扉を開いた。

 大きな玄関が見えた。

 すぐそこにはスリッパが人数分、四足並べてあった。


 「あ、これ病院で選んだ……」


 「そうよ。ユートは紺ね」


 「はい!」


 父様は青、母様は赤、そしてアイリーゼはピンクだった。

 靴を脱いでからスリッパに履き替えた。


 そして先を行く父様の後に続く。

 直ぐそこには大きな広間があり、そこに数人人がいるのが確認できた。


 「よくぞ戻った。おかえり、ユートレイクス」


 ひいひい爺様がセンターの位置で満面の笑みで迎えてくれた。


 「はい、戻りました。ただいまです」


 一礼してから、ひいひい爺様の元に進んだ。

 両手で迎えて抱擁して出迎えてくれた。

 リンクスの反応がビンビン来た。


 横にはひい爺様や爺様が並んでいた。

 親戚勢ぞろいな感じがする。

 叔父や叔母、イトコやハトコはいないから、直系のみといえるかな。


 順々に抱擁して迎えてくれた。

 リンクスを何度も確認した。


 勢ぞろいしている皆様、全員この家に住んでる家族だよね。

 何階に住んでるのかな。

 そして私の部屋は何階にあるのかな。

 というかこの屋敷、何階建てなのかが疑問だよね。


 「ひいひい爺様、この屋敷、何階建てなんですか?」


 ドストレートに聞きすぎたかなと思いつつ。


 「四階建てだ。ワシは三階に部屋がある」


 「四階。それは凄いですね」


 随分と階数の高い邸宅なんだなと思った。


 「もしかして、地下とかもあります?」


 「ある。プールがあるぞ。後、トレーニング用の設備がある。他に地下にはガレージもある」


 プールがあると聞いてはいたけど、それがまさか地下にあるなんて。

 物凄くびっくりした。


 「リハビリがはかどりそうですね」


 「ああ、頑張ると良い」


 「はい、頑張ります!」


 「改めてこの家の案内をする。それよりも気になってるものがあるんじゃないか?」


 ニヤリとした笑顔でひいひい爺様が問いかけてきた。

 なんだろう、直ぐには思いつかないんだけど。

 家関連の話題だよね、何かな。


 「パッとは思いつきません。何ですか?」


 「自室は気にならないのかな?」


 「あ、そうです、それがありましたね!」


 大きく頷きながら答えた。


 自分の部屋の事、なんで直ぐに思いつかなかったのかな。

 他の階の構造も気になるけど、自分の部屋も大事。

 やっと自分の部屋は何階にあるんだろうという疑問が戻って来た。

 早速、案内を頼むことにした。


 「ユートの部屋に案内しよう」


 頼む前に率先して先を行ってくれた。


 「お願いします」


 ひいひい爺様の案内で一同が歩み始めた。


 階段の下を通り抜け、通路を超えれば、そこにあったのは。


 「ここだ。開けなさい」


 「はい」


 声に応えてドアノブを回して押してドアを開けた。


 「凄い……」


 一言で表して良いのなら、広いの一言。

 ガランとした部屋が広がっていた。

 漫画やテレビ、美術館とかでしか見たことがない光景だよ。

 奥の窓から光が溢れてきているように見える。

 そこには窓だけじゃなく、外にも出られるようになっているのかもしれない。


 「右奥にあるドアが寝室へと繋がっている」


 示されたドアも開けて、隣室に足を踏み入れた。


 広いスペースにベッドがドンと鎮座していた。

 更に奥にはドアがあったので、何があるのか確認する。

 一番奥からトイレ、シャワールームとウォークインクロゼットだった。


 ベッドの大きさはセミダブルかな。

 思っていたより結構大きかった。


 暫定勉強部屋の方に戻り、ザックリと付近を観察してみる。


 「勉強机を置くだけじゃ寂しそうですね」


 「家具屋に行って色々と選んでくるといい。後、家電のテレビなどの設置をするといい」


 話してるだけで置くものの候補が生まれてきた。


 「父様、母様、宜しくお願いします」


 「うん、任された」


 「了解よ」


 まずは家具屋と家電量販店に行く必要があるってことだよね。

 その二店舗で完了しそう。


 「昼ご飯を食べたら早速行ってみようか」


 「はい!」


 朝一での退院だったから、まだ時刻は午前中のはず。

 部屋に必要な物として、時計が欲しいかもと思った。

 後カレンダーもあった方が良い気がする。

 考えれば考えるほど必要な物が浮かんできた。


 「父様と母様の部屋はどちらに?」


 「この上、二階だ」


 「行ってみる?」


 大きく頷いて答えた。


 「参考にしたくて。良いですか?」


 「もちろんよ」


 「じゃあ、行こうか」


 部屋を出て階段で二階に上がった。

 上がって直ぐの部屋に父様がノブを回して開けて入った。


 出入口付近にソファセットがドンと置かれており、壁際には大きなテレビが。

 奥の窓際には窓を背にして机と本棚が鎮座していた。

 壁際の本棚はともかく、机は内側に向けて設置されていた。


 ソファセットは三人掛けのソファが一つに、対面に一人掛けのソファが二つ。

 真ん中にローテーブルがあった。

 もっと置けそうだが、シンプルにそれだけが設置されていた。

 また一人掛けソファーの間には小さなテーブルも配置されていた。


 私だったら反対の対面にも同サイズのソファを置きそうだけどな。

 もしくは三人用に対しての二人用とかどうなのかな。


 後必要なのはローテーブルかな。

 真ん中に位置すれば問題なさそう。

 そしてその奥にテレビを設置すれば良さそうかな。


 父様と母様の部屋の内装、ほぼ丸パクリだけどいいよね。

 時間が過ぎる中でまた新しい何かが必要になったらその時に補充すればいい訳だし。


 「うん、決まりました」


 「そうか、それは良かった。午後に向けて準備万端だな?」


 これに対しては大きく頷きながら答える。


 「はい!何を買うのか決定しました」


 「よし、それじゃあ、昼の準備に向かうか」


 「了解です」


 聞いた所、休日のご飯は担当制で順番に作っているらしい。

 今回は父様と母様の番という事。

 そこに僕も入れてもらった。

 アイリーゼは見学役かな。

お読みいただきありがとうございました。

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