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12魔物と戦争

宜しくお願いします。


  今晩の晩御飯のメニューは、白米に鮭フレークと梅干、卵のスープに牛乳プリンとお茶だった。

 日本で普通に提供されそうなメニューに改めて感動した。

 食文化は地球とあまり変わりはなさそうだと実感できたから。


 「いただきます」


 まずは茶色のほうじ茶っぽいお茶を一口飲んでから。

 お茶独特の渋みを少しばかり感じた。

 次にご飯に手を付けるとゴマ塩が混ざってない、素材そのものの味だった。

 梅干をほぐして一緒に食べると、思ってた以上の酸味を感じて驚いたが、美味しかった。

 次いで鮭フレークでも食べてみる。

 こちらは塩見を感じて嬉しくなった。

 卵スープは多分だけど、和風だしが利いていて、これも美味しかった。

 そして最後に牛乳プリンを食べる。

 プルプルしてて見た目も楽しい。

 程よい甘味を感じてジーンと感動した。


 「ごちそうさまでした」


 量も丁度良く、腹八分目辺りで収まった。


 「どうだった?」


 「美味しかったです。酸味、塩味、甘味、旨味としっかり感じました」


 五味の内、苦み以外は全部感じることが出来たように思う。

 病院食は不味いという前評判も改めて覆された。


 「所で、聞いてなかったんですが……」


 「何かな?」


 「どうしたの?」


 一旦呼吸を止めてから口を開いた。


 「エアルスフィアって平和ですか?人同士の争い、戦争とかありませんか?」


 「人同士の争いはないな。魔物との争いはあるが」


 「魔物!?」


 出てきた言葉にビックリした。


 「動物が魔力を持って悪化したのとか、改に無から誕生した物とか沢山いる」


 「軍の防衛部の防衛課が境界を間引いてるわ。イグズは人口結界に守られているから」


 「王国は違うんですか?」


 ふと気になったので聞いてみると。


 「王国は秘術の結界があるから平和よ。代々継承者が継いできてるの」


 なるほどなの回答が返って来た。


 「私もその時期が来たら継ぐんですね?」


 「ああ。侯爵位に就く際に継ぐんだ。血が重要になる」


 「だから長男のみなんですね」


 継承者は長男のみ。

 血が関係していることを知った。


 「そういうことだ」


 「イグズの結界は脆いんですか?」


 「壊れることがある。結界修復隊という部隊があってな、結界の修復に携わっている」


 結界修復隊か、直接かかわるとか凄いな。

 壊れた結界から魔物が入ってくるとかありそうだけど、大丈夫なのかな。


 「結界を通って魔物が侵入してきそうですけど、大丈夫なんですか?」


 気になったのでドストレートに聞いてみた。


 「防衛課と一緒に実行するから大丈夫だ。防衛課が空いた穴から入ってくる魔物を片付けている間に修復隊が仮蓋をするんだ。仮蓋を設置したら入れなくなるから、その間に修復作業を行うんだ」


 父様が詳しく説明してくれた。


 「修復隊に同行したことあるんですか?」


 「ああ、ある。街中に穴があって、それを塞いで修復していた。通行止めにしなくちゃいけない場所だったから、警邏隊も出動したんだ」


 「そうなんですね。ご説明ありがとうございます」


 「好奇心旺盛で何より」


 気になったことはすぐ聞くと良さそう。


 「下げますね」


 看護師さんが空になった皿を回収しに来た。


 「ご馳走様でした」


 トレーを持っていけるのにしなかったことをちょっと後悔した。

 次はいらっしゃる前に絶対に持っていくぞと気合を入れた。


 「イグズはなんで秘術の結界じゃないんでしょう?」


 「最後に見つかった島で、尚且つ秘術をかける術を失った後に発見されたからな。

 だから全王国が手を取って、あの島の守護に入ったんだ」


 「数十年前に大型な魔物が入ってね、一部損壊したんだけど、何とか修復出来て今のイグズがあるのよ」


 「ちなみに大型の魔物は倒せず、移動するまで辛抱するしかなかった」


 討伐できたわけじゃなかったんだ。


 「じゃあ、またいつかその大型のが来るかもしれないんですね?」


 「ええ、また来るかもしれないと予測が出てるわ。三十年以内とか」


 卒業して普通に就職している頃に来るってことだよね。

 ちょっと以上に怖い。


 その時、私は何になってるのかな。

 就職氷河期でも連合軍は全採用だから、連合軍に勤務しているかもしれない。

 もしそうなったら、父様や母様みたいに一等兵採用されたいな。

 お二人のずば抜けた能力を継いでるはずだから、無理しなくても行けそうだけどどうなのかな。

 とにかく連合軍を就職先の候補として入れておこうと考えた。


 「何か前兆みたいなのがあるんですか?」


 「極端に魔物の発生率が少なくなるというデータが上がってたわね。それ以外だと特にないわ」


 「スタンピード……大型が来る時って魔物が大量発生するんですか?」


 よく物語の中でも出てくるパターンだけど。


 「そうだな、まるで大型のを守るように発生する。三百六十度、魔物で囲まれるらしい」


 「前回のは父様母様、参加したんですか?」


 「ああ、避難誘導に参加した。ユートが生まれる五年前だ」


 結構最近の話だった。


 「大型なら犠牲者も多かったんですか?」


 「負傷者はかなりいたが、死亡者はいなかった。奇跡だと例えられている」


 「良かったです。それは何よりですね」


 亡くなった方がゼロなら最高の結果なんじゃないかな。


 「そういえば大型のはどんな魔物だったんですか?」


 「羽がない竜が二足歩行しているような姿だった」


 ティラノサウルスみたいな感じかな。


 「ダメージは通らなかったんですか?」


 「ああ、外傷を与えることが出来なくてな」


 「鱗が硬かったらしいのよ」


 「それで攻撃が通らずのままだったのが、撤退したと」


 疑問が残るけど、そういうこと。


 「捕食するための出現じゃなかったんですね」


 「ええ、ただ単に攻撃するためだけと考えられてるわ。真相は謎だけれど」


 人類を捕食して絶滅させる為とかならまだ分かるけど、攻撃のみなんてなんでかな。

 しかも死者ゼロ人という奇跡を成し遂げてる。


 「どこから来てどこへ行ったのかも謎なんですよね?」


 「ええ、不明よ。一部では宇宙から来たと考えられているけれど、どうなのかしらね」


 宇宙!

 壮大な感じになって来たね。

 呼吸はしないと考えられてるのかな。


 「父様と母様が参加したの以前も来てるんですか?」


 「俺が四歳の時が最初らしい。その時も外傷を与えられず撤退を待ったらしい。この時は犠牲者が出たそうだ」


 過去二回の出現していて、次が三回目。

 武器も進化してそうだけど、どうなんだろう。

 爆弾やロケットランチャーで傷つけられないかな。

 それとも大型なミサイルとかどうなのかな。

 手動の剣とかよりも効率よくダメージを与えそうだけど。


 そもそもここエアルスフィアにミサイルや爆弾が存在しているのかも知らないんだけどね。


 「爆弾とかミサイルも効かなかったんですか?」


 「当時は無くて、手動での槍の攻撃が主だったらしい」


 剣じゃなくて槍だったんだ。


 「次来たときは試すらしいわ」


 「効くと良いですね」


 「そうだな」


 「魔物以外に具体的な敵的存在はいるんですか?」


 戦争はあるのか否か。


 「人間同士が争うこともなく、平和だ」


 「一致団結して魔物退治をしてるわね」


 「そうですか、良かったです」


 魔物という共通している敵がいるお陰で平和みたい、良かった。


 「地球では人間同士で争っていたのか?」


 「はい。人間同士が争う戦争がどこかしらで毎日起こってました。ただ、ここと違って魔物はいませんでしたけど」


 例え魔物がいても地球人は戦争を続ける可能性が高いけど、それはそれ。


 「失礼します。そろそろリハビリのお時間です」


 「はい、今行きます」


 ベッドから降りて靴を履き、引き出しを開き水着を取り出した。

 最近は大人用プールでバタ足の練習が多い。

 そろそろ泳ぐのも出来そうかなといった感じ。


 「私達も行くわ。退院後の参考になるものね」


 「そうですね。お願いします」


 地下一階まで階段で移動した。

 最近はエレベータを使用しなくても下がる分は問題なく出来るようになった。


 「そろそろ泳いでみるかい?」


 「はい。じゃあ、クロールから行きます」


 「良し、やってごらん」


 勢いよく始めたは良いものの途中でバテて平泳ぎにスイッチしました。


 「まだちょっと早かったかな?」


 「平泳ぎにしておきます」


 「うん、続けて見なさい」


 「はい」


 平泳ぎは安定して泳げた。

 具体的に言うと二周は行けた。

 続いて背泳ぎに変更して泳いでみたら、これもまた二周泳げた。

 クロールが鬼門という事かな。


 途中で魔法を使用してもらいながら、計五ラップ泳げました。

 バタフライは自信がないから試していません。


 泳ぎが終わってからは、自動で動く機械へと移った。

 歩きから始まり、小走り、そして走りへと。

 随分と動けるようになったとホッと一息。


 自転車があり、そっちでもこいで回数をこなす。

 自転車の方にだけ画面があり、どれだけ進んだか風景が変わるような仕組みになっていた。


 「だいぶ出来るようになったね。退院の日も近いかな?」


 「本当ですか?ありがとうございます!」


 「クロールで二周出来るようになれば確実だと思うよ」


 「はい、頑張ります!」


 退院の言葉を聞いて俄然やる気が出た。

 次はクロールで一ラップ泳げるように努力するようにしよう。


 「良く頑張ってるな」


 「はい、父様」


 「来月の頭には退院できそうね」


 「はい、母様。来月は水無月でしたっけ?」


 「ええ。今は皐月の四十一日ね。今週の後半、土曜日から水無月よ」


 「早く退院できるように頑張ります!」


 身体はなんともないから、後はリハビリ次第といった所。

 プールだけではなく、機械で走るのももう少しできるようにしようと目標を立てた。

 早く退院して家族が住む家に帰りたい。

 気が逸るけど、焦らないようにしなきゃ。

 ここまで来てリハビリ中にコケて入院の日数が増えるとか嫌だもんね。


 階段で病室まで戻る。

 上がれた階数は三階まで。

 後二階、目標までもう少し。

 自分で考え付いたリハビリ完了まで後ちょっと。

 クロールとこっち、どっちが先に出来るかな。

 どちらにせよ頑張ろうっと。


お読みいただきありがとうございました。

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