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8-1交際手帳と

宜しくお願いします。




  目覚めてからもうすぐ一週間。

 と言っても、こちらの一週間の九日間にはまだ遠いけど。

 水金地火木土天海冥だから、今日は木曜日。

 地球人の感覚がある私にとっては週末っぽく感じられるけど、実際は平日。

 お見舞いもひいひい爺様たちが来てくれているけど、恐らく今日は多分爺様と婆様の番じゃないかな。

 身内が多いのもあって、おかげさまで地球シックになっていない。

 ちゃんと自分はここの人間だっていう確信が持てた。


 カラフルな髪の毛と目がその証拠。

 ひいひい爺様、ひい爺様とお二方とも同じような色合いの、私と同じ色の髪の毛をしていた。

 対してひいひい婆様、ひい婆様と茶系の色の髪の毛をしていた。

 私の髪の毛が紺色なのは直系男子の証じゃないかな。


 今日来る予定だろう爺様も紺色の髪の毛をしている可能性が高い。

 婆様は茶系なのかな、それとも地球でもなじみがある黒か金髪、はたまた赤か。

 会えるその時を楽しみにしておこうと思う。

 面会に来てくれる日はそう遠くはないはず。

 もしかしたら、今日かもしれない。

 今の所、日替わりでお見舞いに来てくれているから。


 そう考えている時、ピンとリンクスに反応があった。

 この感覚は近い親族だとビンビン来る。

 昨日来てくれたひい爺様とひい婆様より強い感じがする。

 つまりは。


 「こんにちは、ユートレイクス。元気かね?」


 来た、声をかけてきてくれた彼は爺様だと思われる。


 「こんにちは、爺様、婆様。元気です」


 自分の中で確信を得たので親しい親族の呼称で呼んだ。


 「リハビリ中なんて偉いのね、ユートレイクス」


 私の股に巻かれているゴム製のヒモを見ての婆様の感想だ。


 「早く歩けるようになるように努力してます」


 そろそろ自力で立てるようになれるかな、と考える。

 立つ際に補助があれば、確実に立てるような気がする。

 点滴用のチューブも外れたし、試してみようかな。


 ベッドの上で動いて、横の空いてるスペースからソロリソロリと足を下してみる。


 「大丈夫か!?」


 私の行動を見て爺様が慌てた。


 「立てるか試してみようと思いまして」


 「無理しないでね」


 心配そうな婆様の声。


 「はい」


 足がプルプルしているけど、なんとか立てた。

 と思った瞬間、もう限界が来たのか倒れ込んでしまった。


 「まだ早かったみたいです」


 「おう、ほら」


 爺様が私を抱っこし、ベッドの上に置いてくれた。


 「ありがとうございます」


 「焦ることはない、じっくり取り組んでいくといい」


 「はい。次はもっと鍛えてからチャレンジします」


 「そうね、そうすると良いわ」


 ベッドの上で体勢を整えた。

 今日は何の話を振ろうかな。

 それとも振ってくれるかな。


 「先日お父さんとお母さんに愛称で呼ぶようにと言ったそうだが」


 ひい爺様とひい婆様は、お父さんお母さん呼びされてるんだ。


 「はい。あ、爺様と婆様もその愛称、ユートって呼んで下さい」


 「了解よ、ユート」


 「ああ、分かったユート。そうだ、名前も名乗っておこう。デルグランツだ」


 紺色の髪の毛に茶系の瞳の色の爺様。


 「リラフィよ」


 金髪に紺色の瞳の婆様。

 ここで茶系以外の髪の毛の色。

 柔らかな色合いだなと感じた。


 「愛称はデルとリルだから、気を付けてくれ」


 「はい。デルグランツ爺様とリラフィ婆様ですね。了解です、愛称は呼びません」


 これで直系の親族全員の名前と愛称を知ったことになる。

 こうまで徹底されていると、自分の愛称がどんなものになるんだか気になった。

 交際してからじゃないと付けられないとのことだったので、道のりは遠い。

 どこの誰とそんな関係になって付けてもらうのだろうか。

 未来を見渡す能力なんてないから、まったくもって分からない。


 「爺様と婆様は出会ってからどれくらいで愛称が付けられる交際に至ったんですか?」


 恋愛においての例を一つきいておこうと思い、質問してみた。


 「出会ったのは特級四年の時で、仮交際は六年の時で、交際は卒業後ね」


 「リルは俺の一つ上でね、だから俺の場合は出会いは特級三年依頼所で、仮交際が五年生で、交際は六年生の時だ。六年の夏だった」


 おっと新情報、婆様の方が爺様より一つ上と。

 なんだか意外だった。

 男性である爺様の方が年上に見えていたから。

 といっても、二十代後半から三十代前半くらいにしか見えないんだけど。

 父様と母様は二十代前半でひい爺様とひい婆様は三十代、ひいひい爺様とひいひい婆様は四十代くらい。

 この星の人間は童顔らしい。

 それか私の人間の年齢においての観察力がないだけなのかもしれない。


 「それって交際期間的に早いんですか?遅いんですか?」


 「早い方だな。結婚したのは正成人してからだったが、それ以前のことは短い期間で行われた。ネルトールとティーヤ並みの早さだった」


 「父様と母様も早かったんですね」


 「あの二人は年齢的に最速での結婚だったからな。三十三での結婚は物凄く早い。俺達の正成人してからの結婚の方は並みといえる」


 「デル、正成人も十分に早いと思うわよ。多くは旧成人を迎えてからじゃない?」


 「そうだな、旧成人の方が多かったな」


 成人年齢が一つの分け目となっているみたい。

 父様と母様の三十三歳は、特に成人年齢とは関係ないみたいだけど。


 「旧成人って何が出来るようになるんですか?」


 父様が以前簡単に説明してくれたけど、改めて聞くことにした。


 「子供を授かれるようになる年齢よ」


 「それまで授かれないんですか?」


 「ええ。女性はその年齢で生理が始まるのよ。男性も精液に精子が宿るようになるのよ」


 「不思議ですね。体の成長とはまったく関係ないんですね」


 地球人とは全く違う人種ということかな。


 「身体の成長は上級四年で止まるのが一般的だな」


 「男性の下半身の変化とか、精子が宿ってなくても発生するんですね」


 「ああ、変化は学生成人の誕生日が最初となる」


 聞けば聞くほど不思議なことばかりだ。

 身長が伸びるのは上級四年生までなのに、下半身の変化はその後の学生成人の二十九歳。

 身体がどういう仕組みで出来てるんだか謎だ。

 成長したら自然と起こるわけじゃなく、まるで鍵がかかっているかのように成人年齢で

 アンロックされるとは。

 もうちょっと追及してみようかな。


 「子供は最低四十一歳差なんですね」


 「ああ。ネルトールは二子だが、五十二歳差だ。一子のナリーサは四十九歳差だな。子供の生まれる順番も軽く取り決めがあってな。一子の次の二子は二歳半の差があるべきだと考えられている」


 「そうなんですか。不思議ですね。自然妊娠だとそれくらい頑張らないといけないんですね」


 「妊娠はある程度コントロール出来るの。一子が四十九歳だったのは計画妊娠よ」


 地球じゃ考えられない。

 こちらと地球人では体の仕組みが完全に違うんだろうな。


 「じゃあ、四十一歳で直ぐに授からなかったのはコントロールしたせいだと?」


 「そうよ。侯爵になる年齢を逆算した結果ね。四十一歳で直ぐに授かっていたら、

 侯爵位の途中で寿命が来ちゃうから」


 「そういうことですか。大変なんですね。って、私の息子だか娘も計画的に授からないと

 なんですね?」


 伴侶になった人に完全お任せするしかない。

 男は出すだけだもんな。

 受け取る側が受け取らなければ出来るものも出来ない。


 「そうなるな。エアル家は男子に継承権があるから、一人でも良いから男子を生んで

 もらわなければならない。ユートの年齢から逆算して五十歳くらい以降だな」


 約四十年後に子供を授からないといけないなんて、なんてこと。

 地球時間に換算すると約六十年後になるけど。

 遠いようで近い未来、どうなることやら。

お読みいただきありがとうございます。

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