表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/25

18話

次の日の朝、俺はいつもの広場へと急いで向かっていた。


「お、坊主、来たか!」


「今日もよろしく頼む!」


 俺が広場についたときにはすでにカルヴィスはいた。

 

「それじゃあ始めるか。まずは昨日の復習からだな。昨日感じた感覚、今も忘れずに感じられるか?」


俺は目を閉じて昨日感じたあの感覚を思い出す。

体の奥、心臓のあたりにある。ぼんやりとした温かい感覚、生命エネルギーの感覚、その感覚を今も確かに感じることができる。


「ああ、しっかりと感じられる」


「よし、それじゃあ今日は次の段階だ。生命エネルギーを”気”に変換する。」


 ガルヴィスは腕を組み、少しだけ表情を引き締める。

 

「イメージとしては、自分の中にある生命エネルギーを燃やす感覚だ。」


「燃やす……?」


「そうだ。”気”が火、”生命エネルギー”が薪だと思えばわかりやすいか?」


 説明を聞き俺はうなずく。


「じゃあ、どうやって火をつけるかだが、自分の意志で念じればいい、『力になれ』ってな。そうすれば生命エネルギーを消費して”気”を発現することができる。まあ、これも結局は感覚を体で覚えるのが一番手っ取り早い、とりあえずやってみろ。」


俺は目を閉じ、心臓付近の暖かい感覚に意識を集中する。


(燃えろ…燃えろ…!燃えろ……!!。俺は──もっと強くなりたい!)


 温かな感覚に火を灯すイメージを、必死に思い描く。


(剣士として強くなるために──そして、リディアに追いつくために!)


 呼吸が自然と深くなり、意識が一点に集中する。


 そして──


 ……ポッ……。


 一瞬、心臓のあたりが熱くなる感覚。


 そっと目を開けると──


「……!」

 自分の体の周りに、ほんのわずかだが、淡い白い光が揺らめいていた。


「出てるな」

 隣でガルヴィスが低くうなずいた。


「それが“気”の発動だ。まだ吹けば飛びそうな小さい火だが、間違いなくお前自身の力だ。まさか一発で成功するとはな、やっぱりお前才能あると思うぜ」


「……やった……!」


 声が震えそうになるのを抑えながら、俺は目を見開いた。


「けどな、これで終わりじゃねぇ。ここからが始まりだ」


 ガルヴィスは立ち上がり、木剣を肩に担ぐ。


「これからは、“気を扱う技術”を学ぶ段階に入る。

 気を体のどこに流すか、どう練り上げるか──その制御を覚えていくんだ」


「……はい!」


 俺は力強く返事をした。


 感じるだけだった力を“使う”ことができた。

 ほんの小さな一歩だ。けれど、この一歩は──俺にとって、どんな宝よりも価値がある。


(これで、俺もようやく──スタートラインに立てた)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ