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WATER HEART  作者: ふる
第一章 転移
2/9

-救い-



落下している。目が、音が、肌が、頬が、風を感じる。

風が強すぎる。

一瞬の間、気を失っていた。


見下ろすと大きな滝と広がっている森の一部が見えた。

森の木が赤黒い色をしている。不自然だ。

明らかに、日本ではない。こんなジャングルが日本にあるとは思えない。


これは夢だ…夢に決まってる。

こんなこと有り得ないんだ。



「うぁあああああああああああああああああああッ!!!」



鳥肌が立つ程の空気の冷たさ、轟音で鳴る風切り音、感じたことのない浮遊感で

音、視覚、思考がぐちゃぐちゃになる。


空から落ちている。現在進行形でだ。

こんな空から地面に叩きつけられたら、命はない。

絶対に死ぬ。落ちて肉片になって、ジャングルの栄養になって熊にでも食われるんだ。


怖い、怖い、怖い。


体が地面に近づいてくる。顔が引き攣った。

人としての本能が地面に降りることを拒否している。

何も考えられない、現実逃避することしかできない。


目を瞑れば…



「あぁぁあああぁあああ!!!おぉふぅ!!!」



体で木々の枝を突き抜けた後、

固い地面に背中から叩きつけられた。


息がーーーーーできないーーーーー。

人生で初めて感じるほどの痛み、目が霞む。こんな痛みは人生で一度も体験したことがない、、、

霞んだ目で自分の腕を見ると在らぬ方向へ曲がり、骨が飛び出ていた。

体の下には水溜まりができている。


俺は…これで死ぬのか…死にたくないこんな所で…



こんな姿で!!!



強い願いと共に体の至る所から水が溢れてくる。

壊れた腕、動かない両脚を水で包んでいく。

ーーーーーそして、体全体が水で包まれた。



(水で すくうのです

ーーーー で包むのです)



何かが音となって聞こえた。体の痛みが消え、視界が広がる。


俺の腕は?脚は?大丈夫なのか?

ハッと腕を見ると体に纏っていた水がすべて地面へと流れる。

骨が飛び出し、壊れた腕が前の姿に戻っていた。



「 治っている 」



周囲を見渡すと大きな木々生えていた。

真下には夥しい量の血が広がっている。

誰もいる様子はない。


どうなっているんだ。今のは何だったんだ・・・

誰かが俺を救ってくれたのか・・・。



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