ラフレシアの着ぐるみ
ナキ・ミケランジェロの工房の事務所・・・
そこに、巫女部隊のアキヅキ・レンがいた。
彼女は、邪馬台国の「稲荷族」である。
稲荷族は、農耕種族ながら科学や魔法に相性がよいのが特徴だ。
陰陽術や風水といった技術も持つ。
最近では、キティルハルムの有名ブランドである、デイブランドと提携し、ナキ・ミケランジェロの着ぐるみのデザインをしている。
地元・邪馬台国では巫女部隊のファッションショーに出品している。
「ナキちゃんッ!
リクエストあるッ!?」
ものすごい神波動を放ち、王宮絵師アニス・ニナもかくやという速度で、デザイン画を描いていく・・・
アニス・ニナは、黒猫系の一級貴族で、一流の画家である。
「ラフレシアにゃ!」
「ラ・・・
ラフレシア!?」
リシテアールにも、ラフレシアは自生している。
そう・・・
「死ぬほどクサい」あの怪しい花である。
デイブランド工房・・・
「いいでしょう!
このデザイン、至高のものといたします!」
工房の長エニアス・デイブランドは、ものすごい神波動を発して、胸を張る。
彼女は、キティルハルムの民に珍しく、抜群なセンスを持つデザイナーだ。
「まったく・・・
キティルハルムの皆さんったら、地味な服ばっかりで・・・」
憤慨するレン。
「猫に小判もいいところです・・・」
しかし、そういったデザインが似合う人物が多いのも事実。
「頭が、花弁から出ていて・・・
脳波コントロールで動作する触手があって・・・
その先っぽに、怪しいチェーンソーが・・・」
ナキの熱弁は続く・・・
趣味悪すぎだろ・・・
後日・・・
頭部の完全ガードと、攻撃用の触手を持った着ぐるみが完成した。
最大のキモは・・・
レン自身が施した、防御魔法の魔方陣の刺繍である。
余談だが・・・
この技術は、リシテアール公式特許を取得した・・・