表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
93/684

前世の明確な記憶

第83話 前世の明確な記憶




前世の記憶が完全ではなくて蘇った俺は、アルベルト・フォン・アーサーだったが、有能な魔法使いだったが、押し寄せる人の多さに力つき倒れてしまった。


自分の意識が薄れながら思った事は、涙を流しながらくいることではなく、そうならないように止めなければいけないし、動かなければいけないと言うことだった。


でも意識は薄れていく。


薄れていく意識の中に俺は、もし今度、生まれ変わることができたらと考えながら意識は途絶えていった…… 。


俺は、地下2階の部屋で涙を流していた。


周りに誰もいないことが幸いして、本当に泣いてしまった。


泣くのをやめようと思っても、涙が溢れてきて、涙は止まるどころか、どんどん、あとから洪水のように流れてきた。


止めようとしても止まる涙ではなかった。


ランプの光だけが照らし出される、この部屋で、まさか前世の記憶が蘇るとは思えなかった。


その時にタイミング悪く、ドアをノックする音がした。


ドアのノックを解除すると入ってきたのはアリシアだった。


なかなかクリスが戻ってこないから様子を見に来たんだけど、このフロアに降りたらクリスの声が聞こえたから。


と心配してきてくれたみたいだ。


アリシアを部屋に招き入れてソファーに俺は座り、アリシアに、すがりつくようにして泣いた。


アリシアは何も聞かずに立ったままで、しばらくそのままでいてくれた。


本当に悪いタイミングで来てくれるんだから!


涙を止めようと思っても、止まる事はなかった。


アリシアの洋服を濡らしながらも、俺は、さらにアリシアに顔を押し付けた。


しばらく、アリシアの体に顔を押し付けながら流していた涙が、いつの間にか枯れていた。


俺はアリシアに、「ありがとう」とだけ言った。


アリシアは俺の出身の村に行った時に、本当のことを話しているので、今自分が感じたことや覚醒したことを話した。


アリシアは、俺が座っている横のソファーに座って、何も言わずに静かに聞いていた。


そして前世の時に、俺が、どうして死んだかということも話した。


また涙が溢れそうになったが、アリシアが、両手を握ってくれた。


「大丈夫だよ、クリス」


「もう、そういう事は起こらないよ」


アリシアだけは、今でも俺のことをクリスと読んでくれる。



挿絵(By みてみん)



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ