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前世の記憶

第82話 前世の記憶


前世では、俺はアルベルト・フォン・アーサーと言う名前だった。




そして俺は、魔法の才能を認められて王国の国王直属の魔術師だった。




筆頭魔術師に取り上げられて王国で優雅な生活を送っていたんだけど、ある時、隣の国が攻め込んできた。




以前から隣の国とのいざこざが耐えなかったんだけど、ついに戦争の準備を始めたと言う噂は聞こえていた。




自分の国も戦争の準備に入ったんだけど、筆頭魔術師だった自分は、魔法師団を率いて戦闘に参加することになった。




王からの直接の命令だったので、自分は言葉を一言も話すことができなかった。




一言も異を唱えることもなく命令に従った。




魔物狩りだったら王国に召し帰られる前に、何度も冒険者として狩りをすることがあったが、盗賊と対峙したこともあったけど、悪意がない人と戦わなければいけないと言うことが、どういうことかわかっていなかった。




実際に戦場に行って、いざ戦うことをすると、相手の顔を見ていると必死さと死にたくないと言う思いや家族がいるのにと言う感じで駆り出されてしまったと言う感じが顔に現れている。




自分の国を守ると言うわけではないのに敵は攻め込んできているわけだから、何かを取られるのではなく、何かを奪うことをするために侵入してきているわけだから、殺すことに躊躇すると自分が危うくなってしまう。




しかし相手だって好きで戦っているわけではない人もいる。




命令に従って戦わなければ、味方に後から切り殺されるし、家族も危うくなってしまう。




人と殺し合う戦場と言うところは、いろんな意識が飛び交っている。




帰りたいと思っていても、そこで朽ち果てていく奴もいれば、屍を乗り越えてでも生きる奴もいる。




自分はわからないときには敵をやっつけてやると思っていたが、戦えば戦うほど、身近に敵の顔を見れば見るほど、いろいろな思いに駆られる。




魔法と言うのは遠くから打つものなので、あまり近づく事は無いが、ときには至近距離で戦わなければいけない時も生じる。




その時に相手の思いに飲まれてしまうと負けてしまう。




しかし相手にも生きると言う意味があり、従わなければいけないと言う脅迫めいたものがある。




それらを考えながら戦場で戦っていると、俺は、どんどん気力を失ってきた。




こんな人生でいいんだろうか?




もっと平和な世の中に生まれて、人に囲まれて、生きていきたい。




戦場で思うことでは無いけど、俺はそう思って戦っていた。




でもいつかは、魔法を発動しようとしても、体力がなくなり、集中力の欠乏から発動ができなくなり、そこに相手が切りこんでくる。




そこで俺の人生は終わった。


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