表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
683/684

力を持つ者10



たまたま、思いついて久しぶりにメンバーを鑑定魔法で見てみると、ジャネットには賢者の称号が付いている。ステイタスも賢者にふさわしいレベルのものがある。


そしてロゼッタ、パトリシアには勇者の称号が付いている。


他のメンバーも見てみると、アリシア、ソフィアにも勇者の称号………


なんだ、これ?


これはレイチェルの仕業か? それとも、修行の成果なのか?


あるレベルまで到達したものが、勇者となるのか?


それとも、何かが勇者を必要としているのか?


賢者に数人の勇者か?


でも、勇者レベルが、昔の俺だ


まだ、勇者なり立てのレベル。


それは言う必要はないけど、俺が鑑定魔法を使いだしてからジャネットが、こちらをじっと見ている。


しかし、話かけられることはないので、俺は鑑定魔法を、他のメンバーに実行してみたが、大きく伸びたステイタスの他は、使える魔法の種類が増えている。


全員が、すべての魔法の種類を使えるようになっている。


そして特殊な魔法である飛行魔法、転移魔法、そして異空間魔法を使える。


この調子じゃ、勇者が、まだ、まだ増えそうだ。


しかし、全員に神官とか僧侶って言うのじゃなく、そのレベルではなく、聖属性魔法能力が使える者っているステイタスを見つけた。


聖属性魔法が使えることは、今からの戦いに、すごく有効なことだと思える。


奴らの弱点と言うことができる聖属性魔法、それが全員が使えるってことは、すごいことだと思える。


これで、本当に戦いやすくなる。


そして自分を守る事ができる結界魔法のかなり強固なものを張る能力を有している。


これだけの能力があれば、それぞれの戦地に、単独では無理でも、数人で向かわせることができる。


しかし、怖いのは、戦いの場で、それ以上の魔法力を使った場合の補給路だ。


周りを囲まれることがあれば焦りから周りが見えなくなり、補給をできなくなる。


常に発動する必要があるのが、魔力マナの補給を常にしていないと、あとは自分の中の魔力だけ。


その体の中の魔力をも使い果たすと、魔力切れを起こし、立っていることさえできなくなる。


魔法を使う時には、まずは周辺の魔力を集めて、自分の体にためていくが、容量が無いとためることができない。


自分の体の中に、普段から、あとどれくらいためることができるのか?


そこを把握しておく必要がある。


まぁ、お腹と同じだな、空腹であれば、多くの食べ物を食べることができるが、満腹であれば食べることも苦しくなってしまう。


しかし、魔力をためる器を大きくすることができれば、まだまだ魔力をためることができる。


初めから器が大きい人もあるかも知れないが、そんな人はマレだ。


そんなに魔力をためる器が大きければ、常に満タンにしていかないと、魔力切れと同じ状態になってしまう。


満タンに気が付かないで、ためようとすると、あとは魔力が逃げていくだけ。


自分の器以上に魔力は保持することも、ためることもできない。


もし、そんなことをすれば自分の体がもたないだろう。


!っ、俺は、そんなことを考えていたら、気が付いた。


自分でも魔力は集めているが、どこからか、知れないが供給されている。


供給先を探っても、わからない。


しかし、俺に魔力が供給されているのと、俺から、メンバー全員に魔力供給がなされている。


つまり、メンバー全員とつながっていると言える。


俺からの魔力を遮断されると、全員の今の魔法力がどれくらい落ちるのか、それはわからない。


と言うのも、俺への供給元がわからないから、遮断しようがない。


しかし、この供給されている魔力を鑑定してみると「あれっ?」


魔力の質? が違う。


いつも、俺たちが集めている魔力とは違う。


なんだ? これ?


疑問に思って、俺は手の平に火魔法を展開してみた。


俺がやっていることに全員が注目している。


俺は説明も何もしていないが、皆がジッと俺の手を見ている。


俺の掌にはファイヤーボールが現れる。


そして、俺は自分で目を閉じて、どこから魔法が供給されるか、鑑定、確認してみる


メンバーみんなが、俺を取り囲むようにしてくれる。


同じ方向を向くと、他の人が集まってくるので、俺の方を見ていたり、外を向いていたりしてくれる。


俺は、気が付いてしまった。


どこからかわからない魔力は、一切、使われていないということが。


じゃ、供給される魔力は、なんだ?


いつも使っている魔力とは違って、他に何かに使える魔力があるのか?


魔法鑑定を何回も繰り返していると、出てきた表示がある。


それは神?#、とははっきり表示しない。


何回やっても表示しない、なんだか、拒んでいるみたい。


なんだろう?


そこに俺の袖を持って揺さぶることが起きた。


「ねぇ、クリス」


俺は思考から意識を戻して袖を揺さぶる人を見た。


袖を持っていて、揺さぶっているのはアリシアだった。


「あっ、アリシア?、なに?」


「ねえ、クリス、そろそろ移動した方が良いんじゃない?」と周りを見ると、大勢の人が見ていた。


「おっと、移動しようか?」と言って歩き出す。


もちろん二人の子供たちも一緒に、四天王で俺が倒した奴をチラッと見ると灰になっている。


俺は去り際、風魔法で灰を飛ばした。


急いで現場を離れる。


現場を後にしながら、ステラは相変わらずアリシアと歩いている。


ステラ「さっきのクリス様のどうしたんですかね?」とアリシアに聞いている。


アリシアは「ああ、あれはね、クリスがなにか考え事をして重要なことに気が付いた行動だよ」


「えっ、あれがですか?」


「うん、そう、それも、とても大事なことを思いついたときだね」


「へ~、そうなんですね」


「うん、あとは、なにを思いついたのか?、気になるよね?」


「はい、とても気になります」


「聞いてみようか?」


「えっ、良いんですか?」と言うなり、小走りに俺の両横に来た、二人。


二人が同時に腕につかまりながらアリシアが、「ねぇ、クリス、ちょっといい?」


「うん?、なんだいアリシア」


「さっき、何を考えていたの?」


「ああ、そのこと………」と言いながら俺は話していいものか、考えている。


「ご主人様………」とジャネットが何か言いたいことがあるような言い方。


「うん、わかっている。じゃ、俺の考えと言うことで言うね」


全員が俺に周りに集まりながら、ここならいいだろうと思うところで立ち止まる。


どこか話ができるところに入ってもいいが、ここの場所が他の人に聞かれにくい


なんだか俺の周りに、集まって、俺の顔を見られると、なんだか変な感じ。


女性から見られるって圧倒される。


女性パワーの方に圧倒される。


顔をマジマジとみられて喋るって勇気いるな~


と顔が赤くなる感じがするが、それを我慢しながら緊張して説明をする。


「さっきのは、たまたま全員を鑑定してみたんだ」とさっき、考えたことをみんなに説明する。


全員に説明していくけど、称号や能力のことは説明したけど、なにかわからない魔力とつながりは説明しない。


俺でもわからないことを今は、説明しようがないから。


アリシアが「えっ、じゃ、ちょっと、待って………」と困惑気味。


ステラ王女だけが「アリシアさん、勇者になったんですね」と嬉しそう。


ステラはアリシアの腕につかまりながら、さも、自分のことのように喜んでいる。


ジャネットは賢者って説明した時には、別に驚きもせずに納得顔、もしかして知っていたのか?


ロゼッタとパトリシアは、驚いた顔をしたけど、一番、驚いた顔をしたアリシアに、消されてしまった。


アリシアが「じゃ、私がクリスト同じ勇者ってこと?」


「うん、そうだけど、あくまでも新米のと考えた方が良いと思うね」


「そう」と言って、俺から新米のと言われて、少し安心したみたい。


「あーっ、アリシアだけ、なんて、ずるい」とイザベラ


それを聞いて、一瞬、静かになり、周りの音だけが聞こえて………誰かが、ぷっ、と噴き出すと、皆が笑い出した。


「もう、そんなに笑わなくていいじゃない」とイザベラが顔を赤くする。


「うん、そのうちにアザベラにも勇者の称号がつくかも」とソファア。


まぁ、称号なんて、いつつくのかも、どの称号なのかも選べないが。


「イザベラ、勇者なんてなるものじゃないよ。勇者の称号が付くと、それだけも責任が付きまとうから」


「確かに………そうだね」と俺の顔を見るソフィア


俺が「勇者なんて、そんな称号だよ。つねにみんなから注目を集めるし、大きな責任を持つことになるし、できなければ、みんなからなんて、言われるか、わかったもんじゃない。普通の冒険者だったら、成功すれば、ほめられることや、失敗してたら、陰口程度ですむけど、勇者は、そうはいかない。

ましてや、パーティーメンバーを無くす結果になった勇者なんて、本当に、噂程度だけじゃすまない」


「うん、それはわかっている、ごめん、アリシア」と少し落ち込むイザベラ。


ソフィアが「そうだね、今までは、それを、すべてクリスが背負ってきたことだね」


「うん」


ジャネットが「ご主人さまは、今まで負けたことはありますが、失敗と言うのはありません。敵は、どうやってご主人様を倒す事ができるのか、あらゆる方法を用いてしてきましたが、それでもご主人様を、倒す事はできていません」


「と言うことは勇者って狙われる?」


「そうです」


アザベラが「じ、じゃ、勇者じゃなくて、いいわ」と横を向いた。


アリシアが「勇者か、なんか、実感がわかない」


「そうだね」


「クリスも、そうだったの?」


「ああ、そうだよ、俺の場合は、教えてくれる人もいなかったし………アリシアは俺に聞けばいいよ」


「………うん、そうだね」と初めてアリシアは、勇者になるってことを考え始める。


勇者になって、誰からか、教わる事もない、自分でやってみるしかない、なんて、どれほど、不安で怖いことななのか?


それがわかるのは、ずいぶんあとになってからだろう。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ