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滅亡する世界に逆らう者11



俺たちは居残りのメンバーの3人とおいて、魔法陣の中に入っていく。


俺の横にはオリビア王女がいる。


そして反対側にはアリシア………


両手に華じゃないけど、ちょっとアリシアが怖い感じがする。


笑顔の中に、潜んでいるものが………


と言うのも、オリビア王女が、俺の腕をつかんでいるせい。


俺にぴったりとくっついているせいだろう。


まぁ俺が強引に手を引っ張って連れてきたせいもあるので、俺に体を寄せるのはしょうがないけど胸を腕に押し付けないで欲しい、仮にも王族の姫なのに。


歩くときも歩きにくいし………。


俺が先頭で歩いていくしかないけど、後ろからのただならぬ気配が伝わってくる。


なんだか、魔法陣から転移したところは、どこかの洞窟みたい。


それは、そうか、明るいところで、そんな勇者召喚なんて、行うわけないし………


洞窟には幸いにして罠は、未だ発見されていない。


罠を張る場合、魔法の痕跡があるはず。


しかし、今の王が、その痕跡を終えるとは思えない。


いくら古い文献があって、その通りに実行しても、勇者召喚をどうやるのか、なにか触媒となるものが必要なのか?


もしかして俺たちが、勇者召喚の触媒じゃないだろうな。


洞窟には罠を張っている形跡もなしに、俺たちを通すこと事態、怪しい。


それとも、緊張感がない、あほなのか?


まさか、俺たちが後方からいるとも思っていないのか?


それとも焦りすぎで回りが見えなくなっている?


何人くらいが、ここにいるんだろう?


そして勇者召喚は、どうやるのか?


たぶん、ここに入る時に使用したと種類は違うが魔法陣を使うと思うけど、俺は、そんな魔法陣を研究もしたことがないからわからない。


いや、以前は転移魔法で絨毯を使ってしたことがあるけど、ここの発動した魔法陣のことを確認したが、それとは別の魔法陣のような気がするんだが。


魔法陣の暗いと思われる洞窟を歩きながら、いや、、洞窟は明るい、初めに入った奴らが起動させたのか、歩いていく横には火が灯っている。


灯の火を見てみると油らしきものが供給されるようなものは無いから、魔法なのか?


俺たちは火でともされた、通路を歩いていくが、何かあったらいけないので、すぐに転移することもできるが、オリビア王女を、アリシアに預ける。


「あのオリビア、いざという時、動けないといけないから、アリシアと歩いてくれる?」


「え~、そんなぁ」と渋っていたが、納得してもらった。


「アリシア、もし異常事態が起きたら………」


「………うん、わかっている」


そう異常事態が起きたら、アリシアは、オリビア王女を連れて転移すること。


試していないからわからないが、オリビア王女がいると、脱出はできるだろう。


しかし、もし王女がいないと、脱出はできないかもしれない。


もし、試すだけの時間はない。


用心しながら進むことを考えないと勇者召喚には間に合わない。


しかし現在の王も、やったことは無いと思うから、すぐには実行できないはずだけど、勇者召喚を止めることはできる。


複製された本に書いてあったが、書物を残した者は、勇者召喚には、リスクが伴うと書いてあった。


そのリスクとは、今まで2回、勇者召喚をしたらしいんだが、一度目は失敗に終わり、国の半分が消滅したらしい。


半分と言うのは、危険なことを考えて、王都から離れた森があるところで実行したらしいんだけど、実験場を中心とした丸い範囲が消滅して、現場にいた研究者、騎士、兵士、そして王都の住民が一瞬の光とともに消滅したと書いてあった。


どれくらいの住民が、消滅したのか、わからないそうだ。


しかし、正確にはわからないけど、あとで判明したら1万人以上の王都民が見えたと書いてある。


その時の王族は、責任を問われ、絞首刑になったそうだが、それを継いだのも弟だったらしい。


今は、その弟の直系が継いでいる。


そして、文献を残したのも、その時の王の弟。


と言うことは、オリビアは、初めに勇者召喚をした王の弟の直系。


そして弟の王の時代が終わり、しばらくして、また、その時の王が勇者召喚をしたらしい。


その時は、勇者召喚も、研究を重ね、上手く行ったらしい。


その時の勇者が、どうなったのか、それはわからない。


と言うのも俺たちが探して見つけた文献の複写は、あくまでも勇者召喚についてのことだった。


それに気が付いたのも、召喚された勇者については、別の本に書いてあることを記載してあった。


今は呼び出された勇者のことなんか、関係ない。


2回目に勇者召喚の儀式が上手くいき、その勇者がどうなったのか?


気にはなるが、今は勇者召喚をしている部屋に急ぐ。


王の顔をわかっていれば、その部屋に転移するんだが、そんなおっさんの顔なんて、知らない。


オリビアの痕跡をたどれば転移することは可能かもしれないが。


壁の明かりをもとに通路を急いでいくが、あまり明るくないので、足元を明るく照らす事ができない。


逆に影になって、足元が見えない方が多い。 


なんのための灯なのか?


平面ではなく階段を下りてきたので、結構な段数を降りてきた。


探知魔法で全方位に意識を集中させながら歩いていくと、ほどなくして反応があった。


どれくらい地下なのか、わからないが、結構な階段を下りて、やっと、それらしき部屋にたどり着いた。


そのとき、異常な異質な膨大な魔力を感じる。


「全員、結界を張って」とメンバーに行って、俺はアリシアとオリビア王女の元に転移。


アリシアとオリビア王女は後方にいるため、俺とは離れている。


アリシアが張っている結界をさらに多重にするため、俺は結界をアリシアが張った外側に張った。


それに気が付いた全員が、俺たちの張った中に転移して来た。


普通なら入る事ができないけど、メンバーのオーラの種類を登録しているので、メンバーは俺の結界やアリシアの結果の中には入る事ができる。


敵であれば姿は偽ることはできるけど、オーラの種類は偽ることはできない。


オーラの種類と特定のパターンは作ることも、偽ることもできない。


特に俺の結界には、いつでも入る事ができるようにしてある。


しかし勇者召喚に使われる魔力の量が、すごい。


風圧にも似た魔力を結界で防ぎながら、収まるのを待っている。


その間にも部屋の中を伺うと、多くの人の反応が存在しているが、もう死んでいる人もいる。


俺も、今、結界を解除することはできない。


そして、しらない奴を、この中に転移させることはできない。


敵か味方かわからないのに。


ただ、収まるのを待つしかない。


長く感じるが、そんなに長い時間じゃないと思いながら待っているが、一向に収まる気配がない。


それでも、まだ、結界を解くほどではないが少しずつ収まりながら、確認すると、新たに一人の者が、中心部に立っている。


「っ !」


こいつが勇者なのか?


すごく禍々しい魔力の持ち主だ。


「うわっ、なに、こいつ」とアリシア


アリシア、言葉が汚いよ


「ご主人さま」とジャネットが危険を知らせる。


「ご主人様~」とこんなところにいたくない感じで言うエイミー


「あのクリス様、もう出ましょうよ」とシャーロット


多重結界の中にいても感じるほどの異常な威圧感と緊張させる魔力。


勇者召喚の儀式を止めるために、ここまで来たが、これ以上は仲間からの突き上げを食らうから、俺はしょうがなく、出ることにした。


出るときも、転移して来た場所に行かないとダメだと思うから、そこに転移して全員で外に出てきた。


王城の、魔法陣がある場所に転移して、急いで、そこから出た。


オリビア王女は王妃に向かって走り、「お母さま」と言っている。


「オリビア」と迎える母。


俺たちは居残りの3人にことを話す。


オリビアも自分の母親に向かって、話している。


もちろん居残りのメンバーは検索魔法と俺の目を通して何があったのか知っていた。


王女から話を聞いていた王妃が俺たちに顔を向け、「とうとう禁忌が実行されたのですね」


「はい、間に合いませんでした」


「いえ、あなたたちは、私たち親子の祈りを耳にされて、はるか遠くまで来てくれたことには感謝に堪えません」


俺は急いで話を切り替えた「王妃さま、呼び出された勇者ですが、どうも見た訳ではありませんが、魔法の種類も禍々しく、嫌な感じがします」


「えっ?」


「召喚された勇者ですが、魔力が大量にあることは良いのですが、普通の正常な人が持つような魔力はないとだけしかわかりませんので、それ以上は言えません」


「ただ、すがすがしいと言う魔法の種類ではなく、禍々しいとだけで人の判別は難しいですが………」


「あなたが、召喚された勇者は、異常だというのですね」


「はい」


「それで中にいた主人や他の者は?」


「………無くなっていると思います。召喚勇者を呼び出した時に死んだものと、その勇者に殺された者がいますが、王だと思われる人は、後者です」


「そうですか」と気落ちしたような感じで


王妃は「それで、召喚された勇者は、如何したら良いですか?」


「では召喚された勇者と敵対すると言うことで良いんですね」


「はい、主人がしでかしたことですが、その主人を殺したのであれば、敵ですね」


「それで王妃様、王がいない今、王代行は王妃様になります」


「あっ、そうですね、しかし王の死を確認しないと」


「そうですよね、でも今は無理です」


「奴がいつでてくるのか、わかりません」


「では………」


「そうですね、王不在の時の委任の考えるべきでしょうね」


「そのための代行をしろと?」


「はい、そうです、王が死んで悲しみに暮れる時間はなく、非常事態だと言うことは理解していますが」


「………」


「たぶん、奴は、王族がいないため、出て来れない状態だと思います。しかし、それもそんなに多くの時間はないと思います。その証拠に、時々、魔法陣が光るでしょう、これが起動させようとしている証拠です」


たびたび後ろの魔法陣が光っている、ということは、やはり王族の血が無いと中からも魔法陣が起動しないと言うことだ。


とぶん、魔法陣を使って出ようとしている………こんなヤバい奴が出てきたら、厄介だぞ。



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