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第656話 滅亡する世界に逆らう者4

第656話 滅亡する世界に逆らう者4


違和感を感じたのは、俺がいる場所から遠く離れた国、その国に、変な魔力を感じる。


それともう一つ、少し離れたところに温かい魔力を感じる。


特に気になるのが変な魔力のほうだ。


なんだか魔力暴走起こしそうなくらい膨れ上がっている。


しかし、動きたいけど、今は安全監視をおろそかにできない………


「あっ」


部屋で声と音がして目を開けると、目を開けた瞬間に俺の頭の上に、コーヒーカップが落ちてきた。


俺の頭にコーヒーカップと冷たいコーヒーの匂いがする水が滴る。


そして目の前のコリンが床にこける………


その時にコリンはひらひらのミニスカートをはいていたため、白いものが見えてしまった。


そこに念話で『クリス、どうしたの、結界が乱れたけど………』とアリシアから。


『あっ、いや、何でもない』


『………そう、ならいいけど、もし、なんかあったら、早めに言って』


『うん、わかった』と切れた。


危ない、俺はコリンの方をみないで、コリンが立ち上がるのに手を貸して立たせる。


「こほん」


「大丈夫か?」


「クリスこそ、ごめん」と言って頭のカップを取ってくれて、「クリス、ちょっと屈んで」と言うので、俺は無意識に前かがみになる。


前かがみになった俺の頭をコリンは濡れた髪を拭いてくれる。


あれっ、コリン、タオルなんて持っていたのか?


俺は下を向いているので足しか見えないが、さっきまで、こんなにスカートは短くなかったような………あれっ? これってコリンのスカートで拭いている?


しかし、俺は体を起こす事ができないほど、ごしごチカラ任せに拭かれるんじゃなく、拭いている布も温かくて拭き方も気持ちがいい………


その気持ち良さに目を閉じて、コリンがするままになっていた。


そこに念話で『クリス、また結界が変だよ、大丈夫?』と言うアリシアの声


『大丈夫だよ』と答えながらも、コリンがなすままにして置いたら、アリシアが様子を見に転移してきた。


コリンの後ろに転移したアリシアが、見た光景は、本当のところはコリンで見えなかったが、俺に近づいているコリンで、しかもスカートをまくり上げているところ………


「あ~、ちょっとコリン何しているのよ」と驚きと怒りを混ぜた声で言うアリシア。


それは、そうだろう、俺の頭の上にはコリンの、パンツを履いたものがあるのだから。


「アリシア?」と俺が驚いて頭を上げようとしたら、後頭部に生暖かいものが………こつん………


「あっ」と変な声を出すコリン


「もう、二人して何をしているのかな?」と凄むアリシア


コリンは俺の頭を拭いているスカートを下ろして、アリシアに向き直る


「なにもしていないよ、こぼしたから拭いているだけだよ」とコリン


「!っ、コリン、今、何で拭いていたの?」


「何って、何もなかったからスカートで?」


「もう、そんなことちゃっダメだよ、クリスだって男の子なんだから」


アリシアはコリンの性格を理解しているからだろう、俺をにらむ。


「いや俺は何もしていないよ、本当にコリンに拭いてもらっていただけだから」と言い訳をする。


いや、実際に、その通りだから。


俺が仕向けた訳じゃないと言ってみるが、アリシアは俺をにらむばかり。


俺が悪いの?


もう、いいよ、俺だって落ち込むよ~


「はぁ~」とため息をついて


「もう、二人とも、しっかりやってよ~」と言って少し笑顔になる。


「もちろん、あっそうだ、今からコリンを派遣する所だったんだ」


「えっ、コリンだけを?」


「うん、そうなんだ」


「大丈夫なの?」


「あっ、そうだ、アリシアもコリンと一緒に行ってもらえる」


「アリシアが行っている現場は、あらかた片付いているから………」


「うん、それならいいよ」


ほんとうは、押しているけど、良い状況じゃない、それは黙っている。


そこで俺は作戦を変更することことにした。


作戦変更は、俺の貼っている結界を縮めていくことをしてみることにした。


念話で『みんな、結界の外に出て………』とアリシアのチームに告げる。


「えっ」とジャネット


「俺が今から結界を縮めていくから、結界の外に転移して、様子を伺ってくれるジャネット」


「あっ、はい、了解です」


ジャネットが、そこにいるメンバーを退避させた。


全員が結界の外に出て、離れる。


それを確認して俺は結界を中に入っている魔物ごと縮めていく。


できるだけ小さく結界を縮小していく。


しかし魔物が出ているので、そこからが厄介だ。


しばらくすると魔物と結界の隙間が無くなってきた。


結界の近くにいた魔物が結界でつぶされていく………


すごい魔物の鳴き声がしている。


「ぐわ~っ」と言う鳴き声があちらこちらから聞こえて気持ちのいいものじゃない。


可愛そうだが、急ぐ必要がある。


もう、ここにはコリンとアリシアの姿を見ることはない。


そう二人は、俺の頭で感じた魔力の国に転移した。


どうも、胸騒ぎがする。


その国も魔物が沸いて出ているので結界で留めているが………


その気配じゃない。


早く確認をしておきたいが、今は、今以上の魔力を分散することは難しい。


その理由は、暴れまわる魔物の力は強く抵抗があり結界を縮めていくのに余力を残しておく必要がある。


なにがあるかわかったもんじゃない。


俺は急速に魔物の数を減らしながら結界を縮めていく。


そのたびに魔物の大きな喚き声が聞こえる。


あまりの悲痛な声に、急ぐために俺は急速に結界を縮小していく。


魔物だって生きている………それを操って敵として出現した魔物たち。


あまりにも哀れ………


魔物を結界で消滅させていかなければ、冒険者でも、これだけの魔物の数は多すぎる。


小さな群れをつくって冒険者や村を襲ったら大変なことになる。


俺にとっては大したことは無くても、一般の人には魔物は脅威だ。


たぶん、敵は俺が手に負えない状態を作り出すことにしているみたいだ。


魔物だって、敵の四天王だって、今までは大したことはなかった。


しかし、四天王だと名乗った奴は一人だけ。


もう一人と言うか、複数の暗躍している奴は、悪だくみは、すごいけど、大したことはないがアーティファクトは、研究をしていない。


と言うか時間がないんだ。


アリシアとコリンが行った国は、今のところ俺が魔物をおさえているから危険はない、と言うか、二人は、城の中で二人の女性と会っているみたい。


二人の女性のうち、年齢が若い方が、俺が感知した魔力を持っている。



俺は、結界を縮めるスピードを速めながら、さらに、その中にある、異空間の出口までも消失させるつもりだ。


しかし、魔物が大量に出てしまっているため、魔物を減らすのに時間がかかっている。


そして、俺は、縮小結界を、いま、魔物が出ている地域にも広げていくことを考えるが、今は一点集中すること。


今、やっていることが成功したら、次の現場にいく。


そのあとをメンバーに確認してもらう。


数分たった………


なんとか俺の結界で魔物を減らす事が出来つつある。


そして最後は、死骸とともに異空間の出口に魔物を戻していく。


こんな大量の死骸を残されても困る。


異空間に戻すことをするが、いま、思ったがウルフの世界に戻しても良いんじゃない?


どこから集めたのか、作った魔物か知らないけど………


しかし、一度、異空間に魔物を入れて、準備している時にも、魔物を入れた入り口は閉じているだろう。


もう少しで、それが終わる。


今は異空間に入れるのに魔物を減らしながら徐々に縮めている。


はぁ、ほんとうに厄介なことだ。



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