第654話 滅亡する世界に逆らう者2
俺は世界中に索敵魔法を展開して、魔物が出た場所は、範囲を指定して結界魔法で覆うようにして魔物が、それ以上出れないようにしている。
そして敵ではなく、検索魔法を異空間を探すことで、、湧き出る前に魔物を見つけるために、この世界とつながりを持つ異空間を見つける方法に転換した。
魔物が出てきている所は、結界で覆って、もう、それ以上、出ないように、広がらないようにしているから人的被害は及ぶことは無いと思う。
結界で覆う時に、広い範囲を確認して人がいないことを確認している。
結界の中の凶暴な魔物の中に人が一人でもいたら大変なことになる。
俺たちは、今は山荘で食事と休憩中………
山荘にいても、検索魔法は全世界に展開中、だから異次元にある、この世界と、つながっている異空間を見つけることをしている。
異空間は、どこかにつながっていないと、出すことも、入れることもできない。
異空間に入れるのは、違う世界で魔物を入れると思うけど、出すのは、俺たちが暮らす世界だ。
その俺たちが暮らす世界を破壊したり、人を殺したりする奴は、すべて敵だ。
しかし、魔物だって、異世界まで駆り出されているし、操られているとしたら、どうなんだろう。
そして時々、でてくる魔族は人の姿をしている。
魔族だって、家族があるはずなのに、急に、出陣を命じられて、しぶしぶ家族を置いていくことになるはずだ。
戦い奴は別だが、戦いに行かないと、家族が狙われるとか、人質になっているとか、戦場に出ても、裏切る行動をすれば後方から狙われる………
もし、そんな魔族にしろ、魔物もいるかも知れない。
魔物だって、生存本能がある。
俺たちの世界に、いたずら目的や遊びで手をだそうとする奴もいると思うが、やはり計画的なことだろう。
この大規模な作戦? 進行? を防ぐことをしないと………
しかし、まったく系統が違う魔法と言うには厄介だ。
しかし、そう思うのは、奴らも同じなのか?
ウルフは別として、他の世界から攻めてきていると言う事実があるから、ウルフだって神獣だから、自分は人とは違うから、俺たちの魔法をどこまで把握しているのか?
異なる星の住人と戦うことと同じだと思う。
異世界と言っても、どこかに存在する世界……
これまでも人のメンバーや、神獣たちの、魔法の底上げをしてきたが、魔物だったら、メンバーでも、十分、戦うことができるだろう。
神獣たちでも、全員が魔族クラスには遅れは無いと思う。
しかし悪魔は、その一段階、上の能力があると思える。
ジャネット、パトリシア、ロゼッタ、アレク、アデルなら悪魔でも十分、戦える。
しかし、どの悪魔が出てくるか、わからない。
隠している能力があるかも知れない。
それが、一番、怖い………
得体の知れない相手だから、気を付ける必要がある。
まったく、変なことになってしまった。
でも、俺しかできないことをしなければ………
俺は、この世界に一人の勇者だから………
*
山荘での休憩らしい休憩ではなかったが、食事も終えて、俺は、山荘から索敵魔法を世界中に展開している。
今は山荘にいて、魔力が以前よりも充実しているせいで、現地に行く必要がないほど、魔法を使いやすくなっている。
加盟国で結界魔法を使う場合は、リンゴの通信で、言うことができるし、人を派遣しなくてもいいけど、加盟していない国は違う。
その国にいきなり、魔物が出てくれば、用意もしていない国が魔物に対処できるかと言うと、できない。
準備が間に合わないだろう。
特に軍を動かす場合は、どのくらいの時間を必要とするか?
その点、冒険者は、すぐにでも動かすことができるはず。
冒険者ギルドから優先順位が上げられても、金銭で動く冒険者が動いてくれるか?
そして危険度も上がられて、尻込みする奴もいるかも。
俺は、索敵魔法を展開しているため、そこまで確認することができないから、そこをメンバーに任せることにした。
どこの国か名前も分からない国に、いく事自体、言いがかりや、背後から狙う奴もいるから良い国ばかりとは限らない。
考えが違う国もあれば、魔物出現を俺たちのせいにする奴もいるかも知れない。
それが加盟国以外だと言うことを注意する必要がある。
守ってやっているのに大きなお世話だと考える国もいる、俺たちの国は、自分だちで守ると言う奴もいる。
俺たちは、人が殺されないようにと思っていても、関わらないでくれと思う人もいる。
*
「ジャネット、俺の頭の位置を確認して、出撃してくれる」
「はい、了解です………ご主人さまが検索しているのは、ここから東に1635㌔離れた位置のくにですね。」
「うん、そう、その国は俺たちの加盟国とは違うから、要注意して、アレクとアデルソフィアの4人で行ってもらえる? そして戦力として俺の分身体をつけるから」
「はい、わかりました」
「分身体は喋る事はできないから、向こうとの話は、頼むね」
アレク「うん、わかった、私に任せて」
アデルが「うん、了解」
ソフィア「うん、4人なら安心だよ」
ジャネット「では、行きましょうか?」
「「「はい」」」」と言って4人は転移した。
「次の場所は、パトリシアとアリシアとアイリス、エイミーに頼む」
パトリシアが「はい、了解」と言って俺の頭の中を読む取る。
パトリシアが「ここから2030㌔離れた位置ですね。まだ国の人が騒いでいませんから、気が付かない間に、処理します」
そして俺が分身体を作った。
「この分身体も連れて行って」
「はい、了解しました」
「じゃ、クリス行ってくるね」
「うん、頼むよ、アリシア」
エイミーが「ご主人さま、行ってきます」
アイリスが「ご主人様、私たちに任せておいて」
俺は「うん、二人が行くから安心だよ」と付け加えた。
そして転移して行った。
そして、もう一チーム作る必要があるが、ほんとうは、それだけじゃ足りない。
「それじゃ、ロゼッタとエマ、リアム、イザベラ、シャーロット、セラフィーナには、もっと遠くに行ってもらうよ」
コリンには、俺の元に残ってもらう、連絡係として。
全員が、それぞれの国に転移していって、いっきに静かになった。
いまは俺とコリンの二人だけ、今もコリンは何かを書いている。
それぞれに俺の分身体をつけているが、分身体は、攻撃専門だ。
分身体は、人の話を聞いて、自分で話すことはできない。
俺の検索魔法で敵と決めた魔物、悪魔を対峙するだけ。
あとはメンバーから離れることなく、危険を察知すると行動するようにしている。
コリンと俺だけになると、この山荘もガランとして寂しい感じがする。
コリンが近くにして何かを書きながら、俺は、検索魔法を展開してメンバーが行っていない箇所を確認している。
早めに異空間の出口を見つけて、結界で覆っているため、魔物の出現は抑えられている。
結界に当たった、魔物は圧死して、つぶされたように死んでいるみたいだ。
俺は出現した異空間の出口を見つけ次第、結界で覆っていく。
しかし、今、現在、覆われた結界の数は10を超えた。
その数を増やしている………どこから、その数をそろえてくるのか?
これだけの魔物は、一つの世界にはいないんじゃないか?
複数の星から、集めているのか、又は、魔物を製造しているのか?
魔物を製造することなんて、できるのか?
いや、待てよ、以前、ウルフが研究者の真似事をしていたことがあった。
と言うことを推測すれば、ウルフが、研究して、魔物を製造することができるようになって、その研究施設があるのか?
俺は、あまりにも自分たちの世界を守ることばかりに一生懸命になって、敵のことを知る機会がなかった。
それもこれも、すべて俺たちの世界とは違う系統外の魔法のせいだ。




