第652話 滅亡する世界(序章)3
俺は、ウルフの四天王の一人のゾルザックと戦うことになったが、ゾルザックの強さが測る事ができない。
隠ぺいしているみたいで、鑑定魔法を使っても、わからない。
俺の鑑定を持ってしても、わならないほど、高度な隠避を使っている。
ゾルザックと戦うが、今でも、魔物や魔族が、あちらこちらで沸いて出てきている。
それが世界中に広がってきている。
しかも、そいつらだけじゃなく、あちらこちらで地震が起きたり、世界中の火山が、なんだかおかしい。
ゾルザックが、俺に向けて火属性の魔法を使おうとしている。
「お前は、俺様の火で焼け死ね」と言うと大きな火の固まりが、俺に向けて放たれた。
俺は、放たれたファイヤーボールみたいなものを、俺の光剣で薙ぎ払う。
みたいなものって言ったのは、俺たちの放つ火属性のファイヤーボールとは違うような気がしているからだ。
どうも、奴が発動する魔法は、我々が使う魔法とは違うような気がする。
明らかに火魔法を使うと宣言しているが、魔法の種類が違うのか、俺が発動する魔法とも違うように感じる。
どこが、どう違うのか、わからないが………
あらためて異世界の奴だと言うことがわかる。
どうも、文化が違うように異性化は魔法系統が違う。
俺は奴が放った火属性の魔法を光剣で切って霧散させたが、奴は続けて、同じ魔法を放ってくる。
その魔法も俺は光剣で切って霧散させる。
俺は攻撃しないで奴の魔法を観察することにしているから攻撃は、まだしない。
異次元の魔法の性質を研究する必要がある。
俺が奴のファイヤーボールを剣で霧散させると、奴は、剣をどこからか、取り出して火の魔法を剣にまとわせた。
炎をまとわせた剣を、右に左に振っているが、そのたびに炎の音がしている。
そして剣を構えた。
奴は今まで、使った魔法は火属性の魔法しか使っていない。
奴は得意なのが火属性の魔法なのか、それしか使えないのか?
それとも、もっと威力が強い魔法を隠しているのか?
なんにせよ、奴の魔法を研究するために、奴に魔法を使わせることにしなければ。
奴が俺に向かって突進してくる、俺は、光剣で奴の炎を帯びた剣とつばぜり合いをする。
お互いのチカラで押し合いするが、奴をまじかで見てみると、本当に頭からも角が二本生えている。
肌が露出したところは、赤黒い。
赤黒さが、今まで見た魔族と同じような色に思える。
翼があることと、角が生えていることくらいだろう。
それにしても、近寄って初めて思うが、臭い………
風呂に入っていないせいか、臭さがたまらない。
悪魔は、風呂に入る習慣自体がないような臭さがある。
絶対、女性だったら、嫌がられるような臭さがある。
いや、この国の冒険者だって、同じようなものか?
でも、それとは違うような臭さがある。
汗の匂いとも違う匂い………
風呂に入っていない匂いとも違う臭さ。
これが悪魔の匂いか?
あまりの匂いに、俺は奴とのつ、ばぜり合いから離れた。
奴と離れて、俺は匂いから解放された感じがした。
大きく息ができる………スゥ~、ハァ~
俺と離れたゾルザックが、今度は、どうするのか?と様子を伺っていると、奴の周りから何かが立ち上がってくる。
ゾルザックの周りから湧き出てくるようなもの………
奴のオーラにように感じるものだが、黒い、あまりにドス黒いオーラ…
ドス黒いオーラが大きくなっていく。
ゾルザックの体格の数倍にも大きくなり、奴を覆いつくすドス黒いオーラ………
鑑定魔法を使ってみてみると、これも魔法になると言うことが表示される。
種類は闇魔法。
しかも誰でも使えるものではなく、特殊なスキル。
ゾルザック自体が使う闇魔法。
しかし、俺が知っているウルフが使うものと似ている。
俺に襲い掛かろうとしている闇属性のドス黒いオーラがこちらに伸びてきている。
俺は、ドス黒いオーラから逃げるように、動いていく。
しかし、俺の動きに合わせて、追ってきているが、俺の動きも、そんなに早く動く必要がないほどだ。
俺は追ってくる闇魔法の動きを研究しながら、鑑定魔法を使って調査していく。
奴の闇魔法に効果があるのは、どうも俺の聖属性の魔法だけみたい。
ジャネットや他のメンバーの聖属性魔法では、効果は薄いみたい。
俺は、奴が使った火属性の魔法を、俺の聖属性魔法で対処できることを確認して、俺を追ってくるドス黒いオーラを消す効果を実験してみる。
俺は逃げるのをやめて、足を止めた。
俺が足を止めると、すぐに俺を覆いつくそうとする。
俺が、聖属性魔法を行使する。
発動しようと考えると、聖属性魔法が俺の体から、立ち上ってきて、俺を覆うようになる。
そうすると俺の体を覆うように取り囲むドス黒いオーラが、聖属性魔法に触れた所から霧散していく。
俺が動くたびに、ドス黒いオーラが霧散していく………俺の聖属性魔法を徐々に大きくしながら、俺に襲いかかろうとする奴のオーラを消し去る。
しかし奴は、まだドス黒いオーラを帯びたまま。
目だけが赤く光っている………
全身を黒いドス黒いオーラで覆われているが目だけが赤く光っているので、不気味だ。
目がランランと光っているから、なんだか魔物みたいに思える。
俺は、奴を見ていて、あることに気が付いた。
だれかに操られている?
鑑定魔法を行使して、確認してみると、そこに表示されるのは、知らない名前が表示させる。
ゾルザックは四天王だから、そのクラスを操ると言うことは、他の四天王なのか?
その表示される名前が、アドルファス………
まったく知らない名前………
しかしアドルファスを検索しても、表示されることはない。
どこかに隠れているのか?
または性質のことなる隠ぺい魔法を使っているのか?
しかし、俺たちの世界の常識の魔法が適応しないと言うことが、非常に厄介だ。
あれっ?
そういえば、奴らの世界に行った時に、俺たちの世界の魔力を感じなかった。
アドルファスやゾルザックが、あの世界の生まれであれば、俺たちと同じとは限らない。
思い出せ………考えろ………
俺はゾルザックを目の前にして、考えることを始めた。
あの世界の魔法の原理は、どうなっているのか?
俺たちの魔法は個人にも魔法力はあるけど、自分のばかり使っていると、魔力切れを起こしてしまう。
俺は、どうしてかわからないが、知っているから、メンバーにも、そういうことを言っている。
個人個人が持っている生まれ持る魔法のチカラ、それが個人魔力、そして、どこからかわからないが、集めることができるマソ(魔力)がある。
ゾルザックを鑑定すると、奴自体もかなり高い魔力が存在している。
しかし、もう俺への攻撃で、少し魔力が減っている。
奴の攻撃を無意識で防ぎながら、考えている。
俺たちの世界に来て、奴は、どう魔力を補充しているのか?
奴を鑑定すると、あちらの世界とはつながりはない………
なんらかの手段で隠ぺいしている場合もあるが、今は隠ぺいの魔法まで確認することができない。
まったく異世界の奴らは、魔法の質が違うから苦労する。
もっと異世界のことを研究したいけど、その時間があるのか?
いま、俺には魔力は、異常なくらい充填されている。
もちろん限界ではない。
どこまで充填すれば、満杯になるのか、自分でもわからない。
しかし、四天王と言うと、以前、魔物の間にうろちょろしている奴が、その一角だとしても、ゾルザックとアドルファスと、もう一人いることになる。
ゾルザックは四天王だと自分で言っている。
そしてゾルザックを操る奴も、四天王だと思うが………
俺は考えることをやめて、戦いに集中することにした。
魔法の質の違いはあれど、俺の魔法が奴を倒す事ができるのは、確実だ。
俺の実力を持ってすれば、たやすい………




