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第651話 滅亡する世界(序章)2



俺はウルフの側近の四天王から、特性の毒を塗った剣で刺された。


キズは直すことはできたが、特別な毒の鑑定が間に合わなかった。


薄れゆく意識は暗くなるばかり………


もうダメなのか?


世界を助けられないで俺は消えるのか?


「………」


いや、俺には使命がある………そして、皆と笑って過ごせる未来がある、こんなところで野垂れ死にしたくない。


死にたくない………


死にたくない………生きるんだ


メンバーが俺の体に触れてくれた、あの感じを思い出せ………


冷えていく体から温かいものが流れ始めた。


冷えていく体とは正反対のものが、徐々に体に満たされていく………


手や足が動かなくても意識するだけ、考えるだけで魔法は発動するはずだ………考えろ………


俺は意識を保ちながら、毒の除去をする。


その為には、特定をする必要がある。


毒の特定は普通なら困難になるが、その毒には特徴があった。


ゾルザックの奴が去り際にウルフが作った毒だと言っていた。


そう、それは毒性のあるものと、ウルフが、いつも使うドス黒いオーラを混ぜたものだった。


しかし、混ぜただけじゃない。


さらに研究を重ねたものだった。


奴が使うドス黒いオーラの特徴は、もうわかっている………


俺は特徴がわかっているドス黒いタールのような毒を消しながら、徐々に体の冷えがなく、温かさを増していくが、たぶん、俺は一度、死んでいると思う。


しかし、死んでも体に残った毒は、無くなっていない。


俺はウルフが作った毒を浄化しながら、徐々に回復を促す。


急がなければ………


俺は閉じていた目を開けたが、まだ顔を上げることができない。


さらに継続して魔法を行使し、自分を回復させていく。


しかし、まさかミーアが伏兵だとは思はなかった。


いやミーアが悪い訳じゃない。


たぶん、ミーアは、どこかに閉じ込められている?


そうだと思いたい。


いつからミーアにすり替わっていたのか?


まったく考えてもいなかった………ミーアが生きていれば……


やっと体を動かすことができるようになったので、俺は、立ち上がって座って周りを見渡した。


あちらこちらで山が噴火を繰り返している。


時々、地面も揺れる。


今は、急いで戻る手段を探さなければ………


戻る手段は?


位置把握する必要があるのか?


いや、それよりも空気があるけど、その点は大丈夫だが。


俺は、先ほどから、アリシアの顔を浮かんでいる。


そしてメンバー全員の顔を思い浮かべていく。


ソフィア……コリン……ジャネット、ロゼッタ、パトリシア、アレク、アデル、エイミー、アイリス、セラフィーナ、シャーロット、エマ、リアム………位置情報を把握するため、それぞれの顔や今まであったことを思い出す。


目を閉じて、検索魔法を拡大して、どれくらい離れているのか確認していく。


位置情報から判断すると、やはり俺たちが住んでいる星じゃない。


どれくらい離れているか、わからないがみんなの元に帰るには、できるか、どうかもわからないが、俺を連れてきたゾルザックにもできたんだから、俺にできないわけがない。


検索魔法のイメージ概念で、アリシアたちがミーアの恰好をしたゾルザックと戦っていることがわかる。


ミーアの恰好をしているため攻撃を躊躇しているため、焦りと緊張と心配、不安が交差している。


急がなければ………


俺は、ここで集まるか、わからないが魔力を集めていくことをした。


そうすると、俺たちの世界よりも濃密な魔力が集まってきた。


ゾルザックの奴は気が付かなかったかもしれないが、ここは魔力に満ち溢れている。


俺は魔力を体に集め、ため込んでいきながら転移して戻って、すぐに戦いに参加することができない。


ほんとうに奴がミーアを殺して成り代わっているのか?


それとも、どこかにミーアが利用価値があると判断されてとらわれているのか?


あのとき、ミーアを迎えに行ったのはアレクだがアレクでさえ、だまされたのか?


アレクが見抜くことができないほど、なり変わりが巧妙だったのか?


俺はミーアの気配を追ってみる、まずはサイラス帝国にミーアの気配を探す。


そうするとミーアの気配がしている所があるが、弱い。


俺は検索魔法に意識を集中して魔法力を上げる。


そうすると地下に結界魔法で覆われた牢屋を見つけた。


そこには、サイラス王もいる。


そしてサイラス夫人もいるみたいで、3人が毛布、一枚に寒そうに、くるまっている。


俺は初めてミーアに念話を飛ばして会話ができるか、確認してみる。


『ミーア、聞こえる?』


ミーアはあたりを見渡してキョロキョロしている。


『ミーア、今は念話で話しているから、俺は、そこにはいないよ、ミーア、言葉に出さないで、頭の中で考えてごらん、そうすると俺にはわかるから』


「はい、クリス様、あっ………『はい、わかりました、クリス様』」


サイラス皇帝も夫人も、突然、娘のミーアが話をしだしたことに疑問を持ったが娘の邪魔をしなかった。


ミーアは、父親と母親に抱き着きながらミーアは小さい声で、二人に説明する。


「いま、クリス様の声が聞こえてきました」と小声で言う。


それを聞いて二人は、何も言わずに頷うなずいた。


念話『クリス様、私たちはケガもありませんので大丈夫です』


『うん、わかった、もう少し待っていて、安全のため、結界魔法で覆うから、誰が来ても、、突破することはできないからね』と伝えると、俺は牢屋を結界魔法で覆って守った。


これでミーアは安心だ。


じゃ、皆のもとに戻るとするか?


その前にメンバー全員に、ミーアは安全だと伝えた。


それを聞いた途端に、メンバーの攻撃が変化した。


もう遠慮はいらない。


攻撃パターンが変わったのを確認した俺は、魔力を集め終えて、ここの世界の魔力は、俺にとってはすごく濃密な魔力になっている。


人それぞれで違うと思うが、この星は、俺にとって魔力を集めやすい。


俺は、この星にめぼしいものを見つけマーカーをする。


これで、また、ここに来ることができる。


俺は魔力を充填させ、転移するが、まだまだ満杯とはいっていないような気がする。


「転移………」と思ってアリシアを思い浮かべて、転移する。


一瞬でアリシアの横に転移することに成功して戻ってくることができた。


もう、皆には伝えていたことだから驚くような人はいなかったが、、奴だけは違った。


そう、ゾルザックは俺をみて驚いている。


「お、おまえ、どうして………」


俺は、奴が驚く姿をみて、ちょっと面白くなった。


あまりにも俺の出現で驚いたみたいで………


ここまで驚く奴を見たことがない。


「お前の名前は、確か………」


「おまえ、もう忘れたのか?」


「お前なんかの名前、いちいち覚えているわけないどろう。そろそろ、そのミーアの成り代わった姿を解いたら、どうだ?」


「この姿のミーアと名乗る人物は、もう、俺の部下が変装がばれた時点で殺している。もう利用価値が無いからな」


「ええっ、ほんとうなのか? それは残念」と臭い芝居をした。


「………」


「じゃ、お前には、ミーアのかたきとして死んでもらうしかないな」


「そうか、もう変装もしなくて良いと言うことだな」


「気持ち悪いから、変装を解いてもらった方が、戦いやすいな」


「じゃ、このままにしておこう」


「いや、おまえ、やっぱり、どう考えても変だろう」


「………まぁ、いいや、俺が勝つことはわかっているが、人の姿のまま、戦って勝っても部下からなんと思われるか? わからないからな、そして、この姿を維持するのもあきてきた」


と言うや、ミーアの姿から、もとに戻っていく。


現わした姿を見れば、魔物でも、魔族でもない………巨大な角をはやした体格がいい悪魔の姿だった。


「おまえ、どうやって、あの小さなミーアの姿をしていたんだ?」


「それをお前に説明する必要あるのか? お前たちは、これから俺様が殺してやるのに……」


「まぁ、いいや、おまえこそ、俺の刀の塵となるんだから」


と言って、俺は異空間からではなく、自分の魔法力で剣を作り出した。


その剣は、眩しいくらいではないが、黄金色に輝いている。


聖剣であれば、青く光るの場合が多いと思うが、どこか、どう違うのか、今は確認している暇はない。


ゾルザックを倒すこと、こいつは、今までの奴とは違うような感じがする。


俺は後ろにいるメンバーに結界魔法を張ってたが、自分たちでも別々に結界魔法を張っているから多重結界になっている。


これで、安心して戦うことができる。



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