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神の国(神聖ジェラルディン国)6



俺たちが神聖ジェラルディン国の王都から離れて数分で事件が起きた。


「みんなは避難を手伝って、ヤツは俺が相手するから」


「わかりました‥‥‥気をつけてください」


「うん、了解」


「クリス、無理をしないでね」とアリシアが俺に接近してきて手を握ってくれた。


その手の温かいこと、いや、俺の手が緊張で冷えているのか?


でも、俺の手を温めてくれたアリシアには、感謝、俺の緊張を解きほぐしてくれた。


俺は奴に向かい合う。


まぁ、向かい合うと言っても、相手は遠くにいるんだけど、俺は上空に対空しながら、光魔法のレーザー光線の上級のソーラー・レイを発動する。


目からじゃなく、右腕を、ゆっくり前へ上げていく。


人差し指を奴に向けてターゲットをロックする。


狙いは眉間‥‥‥


俺は一撃必殺を狙って魔力を溜め込む。


そうするとどこからともなく、キイィィイイィィイと言う今まで聞いたことがないような音がしてきた。


俺の周りの風が俺を中心に回り始めているから、すごい勢いで服が靡いている。


バタバタバタバタ


俺は検索魔法で見破ることができなかったのが、どうにも納得がいかない。


何か原因があるはずだが、それがわからないのが歯痒い。


不安というよりも、納得ができないことで湧き上がる力が俺を後押ししてくれる。


そうすると自然といつもは言わないことを言い出した。


「うおおおおおおおおおぉぉぉぉ」


さらに魔法力が上がり、指先に魔力が集められ指先が光出す。


指先の光と、奴の心臓があると思われる部分をロックする。


「いや?」


奴の心臓はどこにある?


心臓があると思える部分が、本当に心臓なのか?


今度こそ検索魔法を用いて確認してみると心臓がない。


全身くまなく探しても心臓がない。


では、ヤツは本当の実態ではなくて作り物なのか?


誰かに操作されている?


実態であれば普通ならだが心臓があるはずだし、そのほかの内臓もあるはずなんだが、ない。


あのタールのようにドス黒い魔力が邪魔をして、みることができないが、確かに鑑定魔法で見てみると教皇だと教えてくれる。


まぁ、教皇としても、あの大きさはないよな。


人間が、そんなに便利に大きくなれるわけはないから、もう教皇ではないはずだが、元教皇というべきか、まぁ、なんだって良いんだが、もう、あの教皇はいないというわけだが、いや、もしかしたら、こいつを倒したら教皇様を倒したのはお前たちだと言われかねないのかな?


まぁ、何にしろ、あのドス黒い魔力をどうしかしないと意味はない。


俺は、もう一度、意識を指先に集中してソーラ・レイを発動する。


指先に異常なほどの魔力が集まり、俺の視界を邪魔するが、俺は目を閉じて、ヤツに意識を集中する。


そしてヤツに向けて、「発射‥‥‥」と告げると上空に対空していた俺を威力で後方に下がらせるほどの威力があった。


発射したソーラ・レイは真っ直ぐに奴の胸元に向かっている。


すぐにヤツの胸元に届き、射抜いた。


しかし、手応えがない。


突き抜けたソーラ・レイを反転させて後方から頭を打ち抜いた。


そしてソーラ・レイは消えた。


「‥‥‥」


しかし、ヤツは、何が起きたのかもわからぬように、同じところに立っている。


ヤツ的には、何があったの? という感じで立っている。


しかし、だた立っているだけではなく街を襲っている。


今のが効果ないということは、どうするか?


バキバキッ ドシャ と建物を壊している。


出現したところは城みたいで、そこかしこは崩れているが広い場所だったみたいで人的被害は出ていないようなんだが。


どうする?


ヤツに接近戦を仕掛けるのは考えものだ。


奴が壊した建物に、あのタールのようなものが移っているから、触れたものすべてにドス黒い魔力が移っていく。


ドゴゴゴゴッと大きな音と共に街にあった教会を持ち上げて投げ飛ばしている。


ドシャドシャズゥズ‥‥‥ドンッ


かなり広範囲に地響きが鳴り響いている。


投げられた教会の建物は原型を留めることもなく崩れ去った。


な、なんて、ひどいことを、仮にも自分がトップの教会なのに‥‥‥まぁ関係ないから良いけど。


実態もない、全員がタールのようなドス黒い魔力で覆われている。


実体もないから、ヤツに攻撃を仕掛けても意味はなさない。


俺は街に怪しい奴がいないか、検索してみることにした。


街の人で逃げ遅れている人がいるけど、そこにはロゼッタとアレクが人を誘導している。


あちらこちらにメンバーの魔力を感じて人を非難されていることがわかっているが、怪しい奴が見つからない。


どこかにいるのか、潜んでいるのか?


隠蔽魔法で隠れているのか?


それとも、あのお決まりの憑依なのか?


どこだ?


俺は上空から、検索魔法を行使して探す。


街には、逃げ惑う人ばかりで怪しい奴はいない‥‥‥


っ! 


俺は微弱だが、ある方向に小さく引っかかるものを発見した。


しかし、その部分を確認しても、何もない。


ん、ネズミか?


いや、ネズミにしては、反応が魔力反応だった。


まぁ、世の中は広いからネズミだって魔力を持っているヤツがいても不思議ではないなぁ。


俺は地中に検索魔法を展開してみると、いた。


城が崩れた位置のかなり深い場所に、そいつはいた。


王城の地下3階に該当する地位から、あいつを操っている。


しかし、操作しているヤツを倒しても、変わらないかもしれないが、やってみるしかない。


しかし、操作しているヤツが問題だ。


そう魔力で操作しているヤツは悪魔だ。


もしかして、以前から潜んでいた?


何を企んでいるのか、皆目検討がつかないが、教皇に憑依していたヤツよりも数段、強い悪魔が操っている。


しかも、ヤツは、こちらに気がついている。


じゃないと操ることができない。


ということは奇襲はできない。


正面で向かい合うしかない。


早くしないと、暴れ回り放題だ。


俺は、効果があると思われる聖属性魔法を、これ以上、被害を大きくしないために放ってみた。


タールのようなドス黒い魔力に、どれほどの効果があるのか、わからないが、先に、こっちからやっつけることにした。


やっつけた後に操っているやつを倒そうかと思うんだけど、この悪魔は結構、強いみたいなんだ。


俺は聖属性魔法を発動させる。


俺の精神が真っ白に輝き初めて、色が白から黄色に変化し始める。


金色がどんどん輝きを増して濃厚になっていく。


そして、それを、まだ放つことなく、俺は、もっと濃密になるように練り上げていく。


もっと濃密に、もっとだ‥‥‥


俺は目を閉じてイメージを強くしていく。


そこに城の方角から一本のドス黒い魔力光線が俺に向かって放たれた。


集中している時だったので、そこまで意識が回ることができないで、俺は、放たれたものが接近するまで気が付かなかった。


しかし、急に俺は向きを変え、背中を向けた。


ドウンッウッ〜ン


と俺の背中で衝撃があって、俺は反動で弾き飛ばされた。


「‥‥‥」


何が起きたのか、わからないままだったが、剣になっていたエマが元の姿に戻って、背中に回っていく。


「リアムッ」とエマ


そう、俺を庇ったせいでリアムが攻撃を受けてしまった。


攻撃を受けたリアムが、エマが話しかけても返事をしない。


俺のマントになっていたリアムが攻撃を受けて、猫の姿に戻っている。


「リアム〜」とエマが叫んでいる。


俺は聖属性魔法をリアムに向けて、治療に使うことにした。


ただ、そのままでは、治療に使うことができないので、魔力を治療に使えるように転換して使うことにした。


しばらく治療を続けても、リアムは目を覚さない‥‥‥


目を閉じて微動だにしない‥‥‥


「リアム、目を開けてよ〜」とエマ




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