救世主への道27(レジーナ王国編)
リアムとエマに頼んだら、ややこしいことになったので、俺が姿を見せて王子にあった。
「ご主人さま、すいません」とエマ
「ご主人さま、申し訳ない」とリアム
「あっ、うん、結果的に上手く行ったから大丈夫だから、気にしないで」
「また、頼むよ」
結果的にはオーライだから、俺も王子たちの前では演技をしたし。
俺は、魔法を使うのがうまい魔法師を演じられたと思うんだけど。
そこまでしないと、突然、猫から変わった奴を信じることなんてない。
でも、俺の登場により猫の2人が突然、喋り出したのは気にしなくなったと思う。
*
城の王子の部屋
「王子、びっくりしましたね」
「ああ、本当に驚いた。人が突然、現れるなんて、驚きだが、猫が突然、現れて、喋ったのに驚きすぎた」
「そうですね、私も猫に驚きました。」
「王子、猫は話をするんですか?」
「俺が知るかぁ。しかし猫を使い魔にしている神なんて、聞いたことないぞ」
「ええ、本当に私も初めてですよ」
「しかし偉い神にもなると猫を喋らせることなんてできるのかもしれないな」
「そうですね」
「でも、あの神様が、来てくれたおかげで、この国は変わることですね」
「ああ、そのぶん努力もしなければならんが、やっと今までのことが実ことになるのか?」
「おい、すぐに貴族連中を取り込んでいくぞ。今まで、こちら側についていた貴族はもちろん、父上や兄についていた貴族を取り込んでいくぞ、急げ」と指示を出した、男性は、急いで部屋から出ていった。
1人になった王子は「しかし、ネコが喋るのか」と独り言。
*
俺たちは、あとは第一王子のダニエルの調査に入ることにした。
時々は、第二王子のルーカスの様子を見ればいいかな?
ダニエル王子は、前は剣の修業をしていたが、もうだいぶ、時間が経っているので、どこにいるか確認する。
ダニエル王子にはマーカーをつけているので、すぐに居場所がわかった。
ダニエル王子は、数人の女性とベットの上でイチャイチャしている。
50歳は超えているので、正室の奥さんや側室もいるかもしれないが‥‥‥
やっていることは王と似ているけど真実はわからない。
今は、この城には金貨は少ないはずだ、俺がほとんど持っているから。
王子たちや、姫たちの金銭は手を出していないので、持っていると思うけど王子が、ベットの上にいるうちに確認してみよう。
どこにあるのか?
壁や絵画の後ろ、机の中、隠し扉をチェックしてみたが、ない。
金貨をイメージして部屋全体を間作すると、あった。
ベットの下だ。
俺はベットの下だけに意識を集中して、確認してみると、ベットの下に置いてある訳ではなく、ベットの下に蓋みたいなのがあって金貨は、その下だ。
俺は金貨の量を確認してみた。そうすると王の金庫に入っていた金貨よりも量が多い。
そんなに小遣いをもらっているのか?
王より金貨を持っていること自体、何かしていることが疑われる。
何をしているのか、それを探るべく王子を追うことにした。
金貨の流れどころが、小遣いをためて多くなったのか?
まぁ50歳だから、それもアリかもしれない。
冗談は置いて、小遣いぐらいで貯まるような量じゃない。
全部を見た訳じゃないが、王子の部屋は底上げされている。初めからある物ではなく入り口を入って、すぐに階段があるため底上げしているのがわかる。
つまり階段分の底上げを行なったということだ。
その階段なんだけど、幅の広い階段3段分、段差があり、そこに金貨などが隠されている。
俺は確認した金貨を、街の人に配ることも考えているため、もらうことにした。
検索魔法で、しっかりと確認して宿にいる俺の異空間に、そのまま入れた。
それをしっかりとジャネットに見られていた。
「ご主人さま‥‥‥」
「はい、ジャネットにも」と言って空間収納から出した金貨を数枚、渡す。
「私は、そんなことを言っているのではなく‥‥‥、でも、もらっておきます」
「大丈夫だよ、永久に懐っていうのはないから」
「そですね、失礼しました、でも、私がもらった金貨は?」
「それは手数料としてもらってよ」
「はぁ、そうですか。では、もらっておきます、手数料ではなく調査費として」
王子が見たら驚くだろうな。でも、すぐに気がつきはずだ、倉庫を狙ったやつと同じ奴だということが。
別に気がついても良いけど面倒になるから、その前に出どころを見つけたい。
俺は王子が動くのを待っても良かったが、、城の中を索敵してみた。
そうすると、やはり悪人は同じようなことを考えるみたいだ。
この国には、奴隷制度があり、国公認の奴隷商がいる。
今、そいつが、奴隷を馬車の上に牢屋に入れて城にきている。
どうして国公認っていうかって、それは城にきているからだ。
街にも奴隷らしき洋服を着た人もいるし、城の城門の警備は厳重なのに門を通ることができるなんて、おかしいから。
国公認でやっているから、城門を通過できる。
もちろん奴隷商人の確認はすると思うが。
他にも何か、ないか確認してみたが、今のところ見つからない。
ということは、国が認定して融通をする代わりに金をふんだくるか、王子自体が主犯格で奴隷商をしている可能性だ。
多分、あれだけの金貨ということは首謀者だろうな。
さぁ、人を解放しないといけないからメンバーに説明することにした。
「検索魔法で確認したら、この国は奴隷制度があるみたいで、人身売買が行われているようだね」
「誘拐とかじゃなくて、合理的になんらかの方法で奴隷にしているってことだよね」とイザベラ
「そうだね、国が奴隷制度を容認しているからできることだよ、普通だったら、王族が関与することはないんだけど、そうじゃないみたい」
「でも、クリス、誘拐と違って国が関与しているということは、今、囚われの身になっている人を解放しても、その場で終わってしまうよ」とアリシア
「そうだね、仮にだけどレジーナ王国は、奴隷制度がないみたいだよね」
「あっ、街で、そんな人が歩いていることがなかったね」とアリシア
シャーロットが「でも、オーリス王国でも奴隷制度は、昔はあったんですが、かなり前にやめてしまったそうですよ」
「えっ、オーリスもあったの?」
「はい、実はそうなんですよ。昔の文献には国を反映させるために、どこからの国から連れてこられたそうです」
「そうなの?」
「ええ、今でこそ、奴隷はいませんが、でも、昔は奴隷だった人が住んでいますよ。残念ながら、今でも奴隷だった人を蔑んだりする事件がありますが」
セラフィーナが「あの私の国も同じようなことがあったそうです。人って、やっぱり、上に見たり、下に見たりすることが起きてしまうみたいで、自分達の方が優れているんだとか言う人がいますから‥‥‥」
「そうだね、人が、ある人を蔑んだり、軽蔑したりすること上下関係で優位に立ちたいという人がいなくなれば、どんなに世の中が平和でいることができるか?
何かに因縁をつけて人を殺したり戦争を仕掛けたりすることほど、愚かなことはないよ。
人が持っているものを欲しがることなんて、自分のものにしたいって思ってしまうんだろうね
欲しがる行為、軽蔑する行為を持つのが人なんじゃないのかな?
だから餓鬼って言うんだろう」
「えっ、ガキ?」
「ううん、飢えた鬼だよ。
生前に贅沢をしたため、死んでからも、それを忘れることができない亡者」
「あっ、そっちか」とイザベラ
「金儲けをして良い暮らしをしたから、それがいつまでも忘れることができない、死んでも、あの頃はよかったなとか、美味しいものをいっぱい食べれたなとか、こんなにお金があるぞとか、洋服をこんなにいっぱい持っているからとか、高級品をいつも身につけて、食べているんだぞとと死んでも思う餓鬼さ」
「死んで鬼になっても、飢えていると‥‥‥」とセラフィーナ
「そう、その通り、だから俺なんか、屋敷も一つあればいいと思っているし、領地なんか、いらないって思うし、食べるものなんか、、そのへんの屋台で足りるし。
本当なら、屋敷だって、管理が大変だよ、今は全部の屋敷は俺のものになっているけど、掃除するのも大変だし、庭なんて草も生えるし、最近は言っていない屋敷もあるし、貴族なんて、しがらみだけだし」と言ってシャーロットとセラフィーナをみる。
シャーロットが「まぁ、私は、普通の生活なんてできません」
「そうだね、良い生活をしていたから、普通の庶民が、どういう生活をしていたのか、知らないだろうしね」
セラフィーナが「そうですね、私、時々、お城から抜け出していましたが、そこで生活していた訳じゃありませんから」
「うん、旅行に行くのと同じだよね。城を抜け出すことなんて」
「胸が痛いですね」セラフィーナ
「でも、俺だって、そうさ、小さな村で生まれて、アリシアと幼馴染になって冒険者になることができて、ソフィア、イザベラ、コリンに俺が声をかけて、魔物を倒す依頼を受けて、そしてアリシアが、メンバーになって、ここまでこれた‥‥‥普通なら平民から貴族になれるなんて、考えられることじゃないよ
よっぽどの武勲を立てない限り無理だね」
「でも、クリス様は、多分、この世界で最強の魔法師」とシャーロット
「うん、そうだね、世界最強だね」とソフィア
コリンが「うん、そうだよ世界最強どころか、未来も過去を入れても最強じゃない、これからクリスの最強伝説が始まるんだよ、私たちは、その場に立ち会えるんだよ。私たちはクリスが活躍する歴史の承認になるんだよ。
ねぇ、みんなワクワクしない? ドキドキしない?
これからの人生で、一番、危険なことが待ち受けている。
それをみんなで協力して超えていけるんだよ。
あの日、私はクリスに出会えたことを誇りに思う、ううん、誇りに思える、だって私の人生で一番、輝いた時間が来ようとしているんだよ。
その輝いている時間を苦しいかもしれない‥‥‥、何か悲しいことが起きるかもしれない、憎まれたりすることもあると思うし、笑い合える時間もあるかもしれないんだよ。
今の時間を大切に、一瞬でも良いから、クリスと一緒にいることを感謝するよ、私は。
だって平凡な人について行っても味わうことなんてできないよ。
だから私も魔法を努力して、できるだけクリスから借りている魔法を使わないようにしているよ。
クリスの指輪の魔法は、素晴らしいよ、素晴らしいから、それに甘んじていると伸びない、魔法が伸びないんだよ。
たぶん、クリスは、魔法を使う感覚を掴んでほしいから、私たちに指輪をくれたんだと私は思っているの」
「‥‥‥うん、そうだね」とソフィア
アリシアが「うん、私もなんとなくわかっていた。クリスは戦うために指輪をくれたんじゃない。
私たちがクリスに遅れているからだよ。
早くクリスの能力に追いつこうとしても、クリスも成長しているから、追いつけない‥‥‥。
どんなに努力をしても、どんなに練習しても、追いつけない、でもクリスはヒントをくれた、それが指輪‥‥‥」
「‥‥‥」
アリシア「でも、亀を倒した魔法は本当にすごかった、身震いがするくらい震えたわ」
「そうだね、アリシア、私たち神獣から見てもね、ご主人さまは規格外よ、その規格外のご主人さまにも弱点はあるかもしれない。
それをカバーするのが、私たち神獣の役目であり、ソフィア、イザベラ、コリン、シャーロット、セラフィーナなのよ」
「うん、わかった、頑張ろう」とアリシア
「うん、頑張ろう」とソフィア、イザベラ、コリン
「はい、頑張りましょう」とシャーロット、セラフィーナ
「うん、そうだね、女性に弱いご主人さまをカバーするよ」とアレク
「いや、それは、ちょっと違う‥‥‥」と俺が言うと
みんなが大声で笑っている‥‥‥




