犯人 2
第44話 犯人 2
居酒屋から帰って肉を食べた、その夜は何事も起きることもなく、監視対象を見張ってはいたが朝を迎えた。
お金を受け取っただけでは証拠が確定はしないので、まだ動くことができない。
しかし居酒屋で手渡された、小さい包みは何だろうか。
多分また、毒殺をするつもりなのかな。
同じ手でくるとも思えないんだけど、でも相手は、お金をもらうために成功させるつもりでいるみたいだ。
どう動いてくる?
そしてメンバーに伝えるかどうかと言うこともあるが、もう少し確証が欲しい。
朝は、少し大きめの部屋でメンバーと姫様と食事をする。
自分たちはお客様扱いなので、同じテーブルで食事をとることになっている。
なぜか自分だけ他の女の子4人達と比べて距離がある。
もちろん周りには、メイドさんと女性騎士が立っている。
食事中でも女性騎手は完全武装だし、メンバーの女の子4人たちも武装をしながら食事をする。
狙われるか、狙われないかと言うこともあるし、手段もどういう状況になるのかわからない。
ナイフや剣で狙われるのもあるだろう。
だから、お姫様が口にするものは、全てメイドたちが毒が入っていないか確認をしている。
第一王子は、まだ完全に回復したわけでは無いけど、さらに良くなってきているところで呼吸は、安定している。
第一王子には24時間、医者と回復魔術師がついている。
しかし回復魔術師の能力というか、力が弱すぎて、毒の弱体化ができていないんだよね。
だから俺が手を貸している。
朝食が終わって、第二継承者としての仕事をこなしている王女が、メンバーに向かって「お兄様がずいぶん顔色も良くなって安定してきました」と言っていた。
みんなが、それはよかったですね、と言うと本当に嬉しそうな顔をしていた。
しかしお姫様だけが狙われると言うこともあるし、再度、第一王子が狙われると言うこともある、また、王様や王様の妃が狙われると言うこともある。
王族は危険な立場にあるため注意しなければいけない。
どこで誰に命を狙われるようなことをしているかもわからないし、末端がしたことでも命令をしたように思われる場合もある。
組織と言うのは大変だね。
そしてお昼も何事もなく終わる。
なかなか犯人は動き出さない。
そして夕飯も何事もなく終わり、あとは入浴して寝るだけになった。
もちろんお姫様が入浴する時も、俺は付き添わないけどメンバー4人は一緒に入っていったけど、湯船に入浴も一緒にしたのかは、聞いてない。
想像してしまうような不埒な事はしないよ。
入浴した後は、寝る前のお茶会になる。
軽い食事と紅茶を楽しむみたいだ。
俺は窓側の出窓に外を見ながら座っていた。
給仕のメイドさんが入ってきて、紅茶を入れている。
しかし、なんだかメイドさんの様子が、おかしいことに遠くから見ていて気がついた。
手が震えている。
俺は、なんだか違和感を感じた。
すぐに立ち上がって、メイドのところに行き紅茶を入れようとしていた手をつかんだ。
部屋で、ざわめきが起きる。
警護をしている女性騎士が刀に手をかける
俺は手だけで騎士を制する
「ちょっと、その紅茶、メイドさん、飲んでみて」
「えっ、これは、姫様のですから、私なんかが‥‥‥」
メイドが入れた紅茶を、そのメイドに勧めてみる。
そこでメイドは俺に手をつかまりながら、崩れ落ちるように床に座った。
そこでやっと部屋の中に騎士が動いた。
メンバーは、お姫様を守るようにして囲った。
監視対象の犯人は、メイドを操って毒を盛ろうとしたみたいだ。
騎士たちがメイドを捕らえた。
操られたメイドが、毒殺しようとしたみたいだ。
メイドを部屋にいる騎士に任せて、俺は監視対象を探ってみた。
そうすると部屋の、すぐそばにいることに気がついた。
どうも様子を伺っているような感じだったので、俺は部屋の扉から出て、監視対象のそばまで行ってみた。
監視対象に俺が近づいていくと、焦った監視対象は、ナイフを取り出し、ナイフ自分の首に当てて自分の喉を切った。
俺は急いで治癒魔法を使ったから直前で起こったことに対処ができた。
あとは大声で警護のものを呼んだ。
「誰か、来てくれ!」