魔族と魔物襲来5
俺たちは国の名前なんか知らないけど、目の前の綺麗な女性の姫の名前はアイリーンというらしい。
姫が前線に部隊を率いてくるなんて、珍しいと思うけど、王子がいないのか?
または小さいからだろう。
「俺たちは支持されて動くのではなく自由に攻撃をしていきますので、よろしいですか?」
「はい、勇者クリス殿に従います」
ここの現場はやりやすい、全部が、こんな感じだったら楽なのに。
しかし先ほどからアイリーンの見る目がなんだか違うんだけど、気のせいだろうか?
しかしコリンの勇者物語の本は、すごいな、こんなところまで読まれているなんて。
もしかして実物よりも、本で俺を知る人が多い?
本を参考にして、俺を見定める?
アイリーン姫から任されたので俺たちは現場まで飛行して、上空から様子を見ている。
横のアリシアが「クリス、アイリーン姫って美人だったね」
「えっ、そう?」と俺はお決まりの惚とぼけたふりをした。
でも、言えないけど、アリシアの方が可愛い‥‥‥
俺は美人よりも可愛いのが好みだ。
俺が、いつも通りブラックボックスを索敵魔法で確認した。
ここにはブラックボックスが44個もある。
そのせいで魔物が多い、魔族の方が少ない。
「じゃ、みんな、兵士、騎士たちを下がらせてくれる?」
「はい」
「うん」
「了解」と言って女性たちは地上に降りる。
俺は最前線に降り立ち、避難が済むまで、小規模の攻撃を加えている。
普通のファイヤーボールだったり、アイススピアを多数、作って攻撃をしている。
念話で『ご主人さま、良いですよ』という声がして俺は大規模魔法を行使することになる。
『じゃ、いくよ』と言って爆炎魔法を使うことにした。
爆炎魔法を1つの場所ではなく右側から始めて左側の方にも順番に攻撃できるようにした。
それを終えると上空に飛び立ち残っているブラックボックスを見つけて転移を繰り返していく。
もちろん転移しながら聖属性魔法で消滅させていく。
そのたびに近くにいる魔族も魔物も消滅していく。
俺が44カ所のブラックボックスを消滅させたので他のメンバーに合図する。
「みんな、攻撃開始」というと13人、全員が色々な魔法で攻撃を開始した。
俺も分身体を作り攻撃に参加させる。
分身体は大規模な攻撃はできないが、普通以上の攻撃は可能だが、分身体が攻撃しているところを始めてみる。
今も作ったばかりの分身体が早速、ファイヤーボールを放っている。
分身体の威力のある攻撃で魔物や魔族が燃え上がる。
俺たちは魔族と魔物を倒していき、ブラックボックスも、同じ方法で消滅させて戦いを終わらせた。
全員の消耗もなかった。
そして戦いの場を後にして、アイリーンがいるところに戻ってきた。
俺たちメンバーが戦場から飛んで戻ってくると、アイリーンがテントの外で俺たちを待っていた。
「ご苦労さまでした、勇者クリス殿」
「俺たちは次の国に行かねばならないので、では、また」と言って飛ぼうとしたができなかった。
アイリーンに手を掴まれたから‥‥‥
「????」急ぐのに、何か話があるのかな?
「あ、あの、近いうちに、また、会えますか?」
「それは、わかりませんが‥‥‥」なんだろ、何かあるのか?
「クリス様が、盟主の国に、私も申し込むつもりなんです」
「えっ」
「ですから、この機会に、加盟国になりたいです」
「そ、それは大変、良いことですが、急にどうしたんです?」
「そ、それは、あの勇者物語の主人公に私、憧れていました。でも、どうせ作者が作った物語だろうと思い、我慢していました。
でも、実在する人物だなんて思いもしませんでした。
ここの戦場まで本を持ってきているもの、クリス様のファンだからです。
できれば本にサインをもらえませんか?」
「サインはしたことありませんが、良いですよ」
「ほんとうですか?」顔がパッと赤くなったり明るくなったりして、ほんとうに子供みたいに嬉しそう。
巻き込んでやれという感じで
「作者のサインも入れませんか?」
「ええ、できればお願いしたいです。でも、こんな物語を書ける本の作者なんて、お目にかかれませんよね」
「それがそうでもないんですよ」
「えっ、そうなんですか? あっ、そういえば作者の方もメンバーの方でしたね」
「ええ」
「どなたですか?」
全員がコリンを指差す。
「えっ、あの方が勇者物語を書いた作者ですか?」
「はい、そうです。コリンと言いますがコリンは本の印税のほとんどを孤児院に寄付している偉大な人物です」
コリン「それはクリスから十分な、お金をもらっているし、国からも多くの資金をもらっているからだよ」
「まぁ、でも素晴らしいですね、コリン様」
「あっと、話し込んでいる場合じゃなかった。俺たちはサインをしたら次の国に行きますので」
「あっ、はい、こちらにお願いします」と言って本を差し出した出たので、持っているサインペンでサインをした。
「この本は貴重ですよ、どうしてかと言うと俺がサインしたのも初めてだし2人のサインがあるのは初めてですから」
「まぁ、そうなんですか?、うちの国の国宝にします」
「いや、、そこまでは‥‥‥」
「いいえ、それだけクリス様は有名なんですよ。しかも神秘のベールに包まれていますから」
「神秘のベール?」
「はい、多分ですが勇者物語は世界中に広まっています。しかし物語の中に出てくる勇者様やメンバーの方たちがとても神秘的すぎて誰も実在するとは思っていません」
「そ、そうですか」
「はい、本に書かれてあることが事実と書いてありますけど、現実とはかけ離れすぎて信じられないものばかりですから。
でも今日クリス様にお会いできて、すべてが本の通りだと納得しましたから」
「‥‥‥」
「クリス様ほど、魔法力が高い方もいませんし、後に控えている女性たちを羨ましく思ったこともありません」
「あのアリシア様は? どなたですか?」
「はい、私ですが」と一歩前へ進み出た
「まぁ、あなたがアリシア様ですか」
「あっ、はい」
「クリス様の幼馴染でクリス様の横にいつもいて、クリス様を助けて、羨ましいほどの能力をお持ちで、そして何よりもクリス様のそばにいつでも入ることができ、なんとうらやましい」
話が長引きそうだな。
「あの、俺たちは、そうそろ‥‥‥」
「まぁ、そうですか?」
「じゃ、いきます」と言って早急に退散した。
全員を連れて瞬間転移した。
もう見えない位置に転移で出現したのは、5キロほど離れた上空だった。
「はぁ、次から次へと‥‥‥」と俺
「うん、そうだね、でも、美人さんだね、クリス」とアリシア
「‥‥‥さぁ、次の現場に急ごうか?」
「あっ、誤魔化した」とイザベラ




