犯人
第43話 犯人
城の中で仕事をしている時もあれば、目的もなくうろうろしていたり、キョロキョロしていたり、挙動不審なところが多い人物が1人だけいた。
仕事に集中していない1人だ。
城にいる多くの人は、暇な人も時々はいるだろうけど、ほとんどは仕事をしているので、不自然な奴は1人しかいない。
もちろん警護の人もいるので、周りを見て歩いているけど、決してキョロキョロしているわけではない。
まだ確定したわけではないので人に言うわけにはいかないが、ずっと見張っていなければいけない。
次の日の夜おそくに監視対象が、動き出した。
第一王子が毒を盛られて、数日が経った時だった。
忘れていたけど第一王子の毒も、いちどに良くしてしまうと不思議がられるので、少しずつ抜くようにしているので元気になってきている。
城の中の上級魔術師が治癒魔法を使っているけど芳しくなかったので。
人に知られないところでやるのは、大変だ。
監視対象のやつは、深くフードをかぶって王城から出たみたいだ。
路地裏をこそこそ歩いている。
大きな通りには、まだ兵士や騎士がいるせいだろう。
俺は監視を続ける。
一応、他にもいろいろ中を確認してみたが、怪しい人物は見当たらなかった。
監視対象をつけていくと、ある酒場に入ったようだ。
そろそろ自分の出番だと思ったので、いつも監視しているバルコニーから下に誰もいないことを確認して、魔法で下に飛び降りた。
そして、そのまま門のところに行くと怪しまれるので、屋根の上を飛び越えて行くことにした。
透明化の魔法を使って。
透明化の魔法を使うことで、人から見られる事はなく自由に行動ができるから。
城下に来ると路地に入ったところで透明化の魔法を解除して、監視対象が入った居酒屋に入っていく。
居酒屋に入っていくと、監視対象が1人でテーブルに座っている。
そいつが座っているところを確認しながら、1番近いテーブルに座る。
別に顔を合わせたって、俺たちのパーティーは城の裏から入っているので、あまり関係ないんだけど。
店主が注文を求めてきたので、15歳では酒も飲めるけど、酒は飲まないので、料理を注文した。
お城では上品な料理ばっかり食べていたので、こーゆー肉料理は新鮮味がある。
持ってきてくれた湯気が出て熱々の肉料理を食べていると、監視対象のテーブルに男が座った。
座った男がテーブルに袋を出す。ジャラと音がする。
そして、今度は姫を殺せと言ってきた。
監視対象は、ことをなすのは、これで終わりと思っていたが、終えることができなかった。
顔からしてわかったが、青ざめているようだ。
しかし、後から座った男は、ジャラと音がする袋をもう1袋出した。
「前払いだ」
成功したら、また半分出すと言って男は、小さい包みを渡すと帰っていった。
ここで動こうかと思ったが、証拠がない。
金をもらって、話を聞いただけでは証拠は無い。
居酒屋で俺も肉料理をたらふく食べたので、お城に戻ることにする。
戻る方法も路地に隠れて透明化の魔法で屋根を飛びながら帰った。
俺が先に城に戻ってきたので、それから30分ぐらいして監視対象者は戻ってきた。
さあ監視対象は、どう動いてくるか?
目が離せない。
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