1000年前の世界20
アリシアに索敵魔法を教えて、実践してみたけど、イメージがなんとか掴めたと思う、あとは練習あるのみ。
索敵魔法を使えると、すごく便利なんだ。
でも、そんなに簡単じゃない。すぐにできることじゃない。
どれくらい集中しているのか?
イメージする力も必要だし、感じることも必要になる。
それを持続することも難しい。
俺の魔法は、イメージすることを大半に費やしている。
いかに強くイメージすることができるか、また、それを持続させることができるか、あとは、魔力の強さの問題になる。
誰でも勘違いしているのが魔力が1番だと考えている事。
でも基礎魔力が足りていないのに、いくらイメージしてもできない。
でも基礎魔力は、練習すればするほどついてくるものだ。
まぁ、最近のアリシアなら指導すれば、できると思っている。
*
ヒルダのことはアリシアに任せて俺は王族の監視をしてみる。
ここも、城の中の部屋だけど王しか俺たちがいることは知られていない。
俺たちは借りている部屋にいるわけじゃなく、借りている部屋で別に魔法で空間を作って空間の中にいる。
城を監視すると王は、執務室で仕事中みたいで宰相が横にいるけど、宰相も仕事の書類を整理しているみたい。
王は書類を読んで王印を押して、宰相に渡している。
宰相は、チェックして済と書いたケースの中に入れる。
次に生き残っている1番目のエイプリルは今は着替え中
お姫様の着替えを見てしまった。たまたまだからね。
そして2番目のダイアナは、机に座って何か書いている。
3番目のハロルドは体を鍛えるために走っている。
4番目はエリオットは剣で誰かと模擬戦をしている。
それぞれがしていることをとれば、普通の生活だろう。
もしかして王族は関与していないのか?
生き残っている王族は、変化ないので、ロバート男爵を確認してみる。
ロバート男爵は昨日、ジュリアス伯爵から言われていることがあるから、今日から動くはずだ。
ロバート男爵を索敵魔法で探すことにしたけど、今日は城にはいないみたい。
ロバート男爵を探すと、今日は出かける様子もなく、屋敷にいるみたいだ。
屋敷全体を索敵魔法で確認してみると庭に地下への入り口がある。
たぶん、暗殺者たちなどの入り口だと思われる。
しかしロバート男爵が服を着替え出した。どこにいくのか?
外を見てみると玄関に馬車があり、ロバート男爵が出かけるために馬車の用意をしている。
ロバート男爵が階段を降りて馬車に乗り込んだ。
馬車は走り出して門を通り過ぎていく。
門を通り過ぎると閑散だった人並みが徐々に多い通りに出てきた。
人通りが多いのに速度を落とすことなく馬車を進めていく。
しばらく走ると一通りがない街路で馬車を止めた。
ロバート男爵だけが馬車から降りてくると古びた建物のドアの前に立ち何か言って待っている。
扉の中からも声がして扉が開いた。
合言葉があるみたいだ。
相手の男は朝早くからロバート男爵がきたことに驚いている。
「おい、今日くらいに奴らが帰ってくるはずだな」
「そ、その通りなんですが、時間まではわかりませんよ」
「待たせてもらおう」
「どうぞ」
と言ってロバート男爵を椅子に座らせる。
あちらこちらに酒瓶が散らばっている。
「何か、飲みますか?」
「いや、いい」と言って葉巻を取り出して火をつけた。
奥には男2人いるみたいだ。
ロバート男爵は、イライラしながら次の葉巻に火をつけた。
「おい、まだか?」と大声で言う。
「はいっ、その辺を見てきます」と言って男たちは出ていった。
残されたのはロバート男爵だけ。
徐々にロバート男爵はイライラして椅子を蹴散らしている。
さらに、また座ると葉巻に火をつけてぷかぷか葉巻を蒸している。
もうロバート男爵が、ここにきて2時間が過ぎようとしている。
しかし暗殺者も暗殺者を迎えに行った男たちも帰ってくる事はなかった。
「くそっ、どいつもこいつも役立たずが」
さらに2時間経っても誰も戻ってこない、見に行った男たちも、まだ帰ってこない。
ロバート男爵は朝早くきたけど、待っても待っても誰も戻ってこないため、さらにイライラしてきた。
もう昼を過ぎたけど、イライラ男爵の元に戻ってくる人はいない。
この部屋を出ていた男達も暗殺者が戻ってこない限りはイライラしている男爵の元には戻って来れない。
イライラしているような人のもとに戻るのは誰もいないと思う。
ロバート男爵は、いくら待っても誰も帰ってこる様子がないので、建物から出てきた。
もう朝日が真上まで登ってお昼を回ったことを指している。しかしそれでも誰も戻ってこなかったので、男爵は屋敷に帰ることにした。
屋敷に変えてみるとジュリアス伯爵から遣わされた人が待っていたが、はっきりと連絡がまだ来ないと伝えてもらった。
ロバート男爵は夕方まで待ってみたが、連絡も来ないので、どうしたらいいのかわからなかった。
そこに怒った顔をしたジュリアス伯爵が馬車でやってきた。
「これは伯爵、ようこそ」
「ロバート男爵、一体どう言うことだ?」と聞いてきた。
「それが、その‥‥‥何も連絡がなく、たぶん、失敗したということだと‥‥‥」と歯切れが悪い。
「なに?失敗だと」とジュリアス伯爵が怒気をこめる。
「はい、申し訳ありません、連絡はないのは、どこかで川が氾濫して橋が渡れないとか、盗賊に襲われたとかの場合があるんですが、手配した者たちは手練れのものばかりですので盗賊に敗れたと言う事は考えられませんので、どこかで大雨が降って川が氾濫して橋が渡れないと言う事はあるんですが、それでも遅すぎますので多分手配したものが返り討ちでやられてしまったかと」
「手練れを手配しても返り討ちに合うような奴が村にいるとでも?」
「はい、それしか考えられません」
ロバート男爵は気がついたように「!、もしかしたら襲った時にA級の冒険者でもいたのかもしれません」
あったり〜、A級じゃないけど‥‥‥
「なんにしろ、ヒルダ姫を暗殺するのは厳しくなったかと」とロバート男爵
「それは、困った、あの方が王位に着くためには、全員を殺す必要がある」とジュリアス伯爵
「そうですね、これから、どうしますか伯爵」
「うむ、困った」としか言わない。
「王の毒殺も失敗しておるみたいだしな」
「はい、王がいつも飲んでいる薬に毒を混ぜたんですが、城は騒ぎになっていませんでしたから」
「ことごとく、我々の計画をつぶしている者がいるのか?」
「‥‥‥」
「ヒルダ姫に送った暗殺者のほうにもう一度、人を手配しろ、暗殺者がどうなったか確認してみるんだ」
「しかし、今手練れを割くのはどうかと、確認するのは往復で最低6日はかかりますから」
「そうだな、では、ヒルダの方はいいとして、計画を進めるとしよう」
「まずは、邪魔な王をどうにかしたい」
「そうですね、王さえいなければ、容易いことです」
「まずは目的であるダイアナ王女を、王位につけることだ、そして、俺が摂政となり、王を後ろから操るために、あの麻薬が必要になる」
「人を意のままに操作できる麻薬ですね」
「そうだ、今、研究開発しているところだが、うまくいっていない」
「しかし、それができれば、簡単に人を操ることができるんでしょう」
「そうだ、ウルフ様から、そう聞いている」
ウルフの奴が、この世界にきた目的は、わからないけど今までの誘拐や麻薬などの事件は、関係があるみたいだ。
あぁ、実行犯はわかったから、どう動くかだな。




