表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
511/684

1000年前の世界18



ウルフがジュリアス伯爵の研究室にやってきて、魔物が出てくる箱を作っていた。


途中で気づかれそうになったので、索敵魔法を解除した。


ドス黒い魔力を込めようとしたものはウルフが作ったものだろうか?」


そして箱もウルフが作ったものか、誰かが作ったものを利用しているのか?


ウルフの奴が、この世界でブラックボックスを作っているのは、どうしてだろう?


ここにブラックボックスの原料があるのか?


この世界で、それとも誰かが作っているのか?


そしてジュリアス伯爵は何を作ろうとしているのか?


謎だらけだな。


俺たちが、1000年前の世界に来てから、まだ数日しか経っていないから、そんなに早く情報が集まるわけない。


俺は時間がある時に、宿の宿泊を止めてお金を戻してもらった。


別にケチでやっているわけないけど、俺たちが宿泊していることがわかれば宿自体が狙われる恐れがあるからだ。


ウルフに見つかる可能性が出てきたので、監視することはできないから監視対象をジュリアス伯爵に変更した。


今、ジュリアス伯爵は屋敷の上に上がってシャワー中みたい。まだウルフが研究施設にいるので常時見ないことにした。


ほんの数秒確認してから異常がなければ監視を止めて、しばらく待つことにした。


もう夕方になってきた、ジュリアス伯爵に変化はない。


今日は、これ以上、監視しても意味はないかな?


あとは夜に再開してみよう。


俺は監視をやめて食事にすることにした。


今は異空間から出ることはしない方が良いと思うので、全員に空間で我慢してもらう。


交代するジャネットは食事したあと、寝たみたいだから、そのままにしておく。


今まで寝ていたアリシアとヒルダがテーブルに座っている。


アリシアが「ねぇ、クリス、進捗具合はどう?」と聞いてきたので


「今のところ何もないね」と答えた。


「ふーん、そうなんだ」とアリシア


「あっ、でも、ウルフの奴がジュリアス伯爵のいた場所にやってきたよ」


「えっ、ウルフが? やっぱりグルだった」とアリシア


「うん、そうみたいだね」


「それで、ウルフは何をしていたの?」とアリシア


「それがよくわからないんだよね」


「でもブラックボックスを作っていたみたいだよ」


「えっ、じゃあ、またどこかの世界で悪さをするの?」


「だと思うよ」


話の内容に全然ついていけていないヒルダがいる。「???」


ヒルダは話がわからないから聞いているだけにしているみたい。


「うん、ブラックボックスの中に黒い玉を入れて、自分の魔法を込めていたみたいなんだ」


「ウルフの魔法って言ったら、ドス黒い魔力のこと?」


「そうだよ。でもブラックボックスも完成品を異空間から出しているし、黒い玉も異空間から出しているから誰かが作っているのかと言う問題があるんだ」


アリシアが「ウルフはそこで作っていなかったんだね」


「そうなんだ、異空間から出したと言う事は、別のどこかで作っていることも考えられるけど作ったものを渡されたと言うこともあるんだ」


「もしかして作っているのは魔族?」


「それもありえるね。でも問題が山積すぎて何をしたらいいか分からなくなってきたね」


「うん、そうだね。それでどうする?」とアリシア


「このまま監視するしかないね」


俺はジャネットが起きてくるまで、監視することにしたけど、ジャネットは寝坊している。


まぁたまにはいいと思うし、俺も、そんな時があるから。


俺が継続して王族の4人とロバート男爵とジュリアス伯爵の2人を中心に監視する。


ロバート男爵とジュリアス伯爵は確定した。


でも、何をやりたいのか、わかっていない。


特にジュリアス伯爵の研究が。


麻薬で患者を増やすことじゃなく、麻薬で何かをするみたいだ。


そしてウルフが変装に使うときの人の皮を憑依する能力もウルフの能力なのか、わからない。


何もわからないだらけで、索敵魔法を使い監視する。


ロバート男爵は屋敷に帰らず、馬車の中で居眠りしている。


ジュリアス伯爵は、シャワーから上がってバスローブを着てソファに座って足を組んで酒を飲んでいる。


そして葉巻に手を出して火をつけた。


葉巻の甘い匂いを楽しみながら酒を飲んでいる様子。


そこにドアをノックする音がした。


「旦那様、ロバート男爵がおいでになっていますが」と執事


「うむ、通してくれ」とジュリアス伯爵


と言って執事が下がったら、そこにはロバート男爵がいて部屋の中に入ってきた。


「失礼します、伯爵」


「そこに座れ」とジュリアス伯爵


ロバート男爵は伯爵と向かい合う形でソファに座る。


伯爵は、ロバート男爵に酒を勧めて男爵も飲み始める。


「それで進捗具合はどうだ」とジュリアス伯爵


「は、それが、まだ連絡が来ないので、はっきりとは確認ができていません」


「そうか、あの村までは馬で飛ばしても3日はかかるからな」


どうも、ヒルダの村に送った暗殺者のことを話しているみたいだ。


「それでも、もう何か連絡があったも良さそうじゃないか?」


「はっ、申し訳ありません。情報を早く遅れと言っているんですが、距離も問題もあるかと」


「そうか、では朝になれば姫を殺害できたと言う報告を楽しみにしているぞ」


「はっ、すぐにでも報告に参ります」と男爵は頭を下げて部屋から出ていった。


やはり黒幕はウルフと結託して動いているジュリアス伯爵に決定だな。


さぁ、これで、どう動くべきか?


でも言葉だけで聞いているので証拠が見つかっていない。


ジュリアス伯爵が直筆で書いているものが見つかればいいんだけど。


大体暗殺するんだったら書類なんか残すはずはないから金銭のやり取りと命令の言葉だけになってしまうから証拠が残りにくい。


どうするか、また家探しをして証拠となるものを見つけるか?


ウルフのやつを一瞬だけ確認してみよう。


ウルフが実験室で何をしているのか?


でも見つからないようにするために5秒だけ確認してみることにした。


索敵魔法でジュリアス伯爵の屋敷にある実験室を見てみることにした。


ウルフはブラックボックスにドス黒いオーラを詰めている最中だ。


「ボックスと玉が足りないな」とウルフと呟きながらウルフは異空間から物を取り出した。


取り出したものを手に握ってボックスを作っていく。


なんだ? あれは? ウルフの手に握られているから、よく見えない。


また見つかる可能性があるから索敵魔法を一度解除した。


ウルフの手に持っているものが、なんだろう?


あれを使ってボックスを作っているみたいだ。


しかしブラックボックスが普通の箱だと思っていたら違うみたいだ。


ウルフだって神獣だから、土魔法や錬金術を使えてもおかしくはないから、使えないんじゃなくて、あれでしかブラックボックスを作ることができないのか?


そこにジャネットが起きてきた。


「ご主人さま、大変、申し訳ありません。交代の時間なのに寝過ごしてしまいました」


「ジャネットもたまには、休むことも必要だよ、だから、いいよ、そして面白いものが見えたからね」


「えっ、面白いものとは?」


「それはね、やはりロバート男爵とジュリアス伯爵はつながっていたみたい」


「そうですか」


「それとねジュリアス伯爵の地下実験室に今、ウルフがいるんだ」


「えっ、あのウルフがですか?」


「うん、そうなんだ。ちょっとジャネットに聞きたいことがあるんだけど」


「はい、なんですか?」


「ウルフは今、手に何かを持っていて、あのブラックボックスを作っているみたいなんだけど、それが何なのかわからないんだ」


「手に何かを持っていてブラックボックスを作っていると言う事ですね」


「うん。そう手に持っているもの知りたいんだ。ウルフのやつを監視していたら気づかずれそうになったから長い時間監視することができないんだよ」


「そうだったんですね」


「まぁ、5秒くらいだったら、大丈夫だと思うけど、俺が索敵魔法で中に入るから俺が見た映像で確認してもらえる?」


「はい、わかりました」


「じゃ、いくよ」と言って索敵魔法を展開してウルフを監視することにした。ただし5秒間だけ。


ウルフは、まだブラックボックスを作っているみたいでテーブルの上に大量に積み上げられている。


5秒経ったので索敵魔法を解除した。


「ジャネット、わかった?」


「ちらっとしか見えませんでしたけど、私も一度だけ、実物を見たことがあります」


「それで、あれは何?」


「あれはですね‥‥‥」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ