1000年前の世界15
俺は4人が起きていることを確認して念話でジャネットに連絡をとる。
『ジャネット、全員を連れて、ここに瞬間転移してくれる?』
『はい、わかりました』
王は上半身を起こそうとしている。
そこにヒルダと3人が転移してきた。
急に出現した3人を王は見て、驚いたが、それよりも目の前に娘がいることの方が驚かされていた「お前が、我が娘、ヒルダか?」
「えっ、僕、こんな人知らない‥‥‥」とヒルダ
「無理もないか、ヒルダが城を出たのは、小さい頃だった。母にそっくりに育ったな」
「えっ、本当にお父さんなんですか?」
「そうだよ、お前の母親は城では、生活できないことがわかり、急遽、わしの腹心をつけて、遠い村へ行かせた」
俺が「どうして城では生活できないと判断したんですか?」
「それはヒルダの母親は平民だったからだ、城の中では貴族が優位に思われて、ヒルダの母親は虐げられていたからだ」
平民は貴族社会に入ると、いじめを受けるのは当然だ。
貴族はプライドが高いから平民を見下している。
「さぁ、こちらにおいで」と王
ヒルダは動かない
俺が「無理もないよ、急に父って呼べって言われても」
「そ、そうだな‥‥‥」と王はしょんぼりしている。
「ヒルダ、王は今日、毒を盛られた‥‥‥」と言ってみた。
「ええっ‥‥‥」
「たまたま俺が胸騒ぎがして朝、目を覚ましたら王が苦しんでいた」
アリシアが「それで、朝からいなかったんだね、まぁジャネットから王のところにいるって聞いていたけど、でも聞いていたのは、王のところにいるって話だけだったけど」
「そうですね、私もご主人さまが、寝ていると思っていましたので、まさか、もう起きているとは思いませんでした」
「うん、そうだね」とコリン
ヒルダ「僕もさっきジャネットさんからお城にいるって話していたところで、クリスが何かジャネットさんに言ってきたから‥‥‥」
王は「???」話の内容についていけない。
「それで、これから、どうする?」とアリシア
「そうだね、もう王様には会うことができたし、これからは隠す必要もないかな」
「王様、気分はどうですか?」
「いや、さっきの悪さが嘘のようだ、今は普段と変わらないくらいと言うよりも普段よりもいい状態になっている」
「そうですか、今は朝、早いですけど、話をしませんか」
「そ、そうだな、わかった」と王はベットから起き上がってガウンを羽織った。
俺たちは近くに置いてある椅子を持ってきて、テーブルに座る。
全員が座って「今日は、危なかった王を助けたから、顔見せになるけど、俺たちはヒルダの王位継承権をどうにかしたいと思ってきたんです」
ヒルダ「僕も王様になるなんて、思っていません。でも正式に放棄しないと、いつまた狙われるのか緊張します」
王が「そのことだが、本当にヒルダは狙われたのか?」
「そのことについては、俺が10人ちょっとの奴らの襲撃があったこと、そして、それを俺が倒したこと、ヒルダには結界魔法の中にいてもらったこと、そして、それを証言できる村長がいる」と俺
「あっ、ちょっと待って」と言って村長を転移させた。
村長は王のベットの上に寝た状態で瞬間転移させた。
王が初めて見た転移に目を見開いている。
俺が立ち上がり「村長、村長」と言って体を揺らしながら起こすけど、村長は簡単には目を覚さない。
大声を出すわけにはいかないので、さらに体をゆすると目を覚ました。
初めは、寝ぼけた感じで目を明けたが天井がいつもみているものと違うことに違和感を持ち、ハッと目を覚ました。
周りを見渡し王がいることに気がついた村長は、驚いているけど、俺の顔を見て少し納得したような感じだ。
そして寝ているベットを見て、さらに驚愕の表情を浮かべる。
年齢に関わらず、すごい勢いで飛び上がりベットから降りて、王の前に平伏す。
「申し訳ありません。どういうわけか王のベットをお借りして‥‥‥」
「よいよい、それにしても久しぶりじゃな」と王
「はっ、王よ、17年ぶりにございます」
「そちも元気にしていたか?」
「はっ、ありがとうございます、私の方は村で元気に過ごしております」
「あの、それで、どうして、私は、ここに?」
「それは後ろにいる者に聞いた方が早いじゃろ」
と村長が後ろを向いて訪ねなかった。
村長は、ため息だけした。
「やはりお主の仕業か」
「そうだよ、急ぐからまずは座ろうか」と言って近くにあった椅子を持ってきた。
「すまぬ」と村長は座った。
「さぁ、これで全員が揃ったから、話を進めていこう」
みんなが起きだす前に、ここを退散したいから。
「あの夜のことだけど、王に説明してくれる?」と村長を見て言う。
村長は了解して、2日前のことを話した。
「なんと、そんなことが起きていたのか?」
「はい、そうでございます。しかし、ここにいるクリス殿が、全て暗殺者を倒してくれました」
「やはり、本当なのか?」
「はい、間違いございません」
「クリス殿、本当になんと言ってお礼をしたらいいか、ありがとう」と王
「いや、なりいきですから。王を助けたのも成り行きですから」
村長「えっ、王を助けた?」
「あっ、うん、王が毒を飲まされたみたいで苦しんでいたんで、助けた」
「な、なんと‥‥‥」
「まぁ、成り行きだからね。それよりも話を進めよう」
「王は、これまでも王子や姫を殺されたりしているでしょう、そして、今度はヒルダまで」
「うむ」
「実は内密に検索魔法で、1人の奴は確実にわかっているんだけど」
「ほんとうか?」
「だれじゃ?」と王様
「ロバート男爵」
「なんと、あの男爵は、城の文官たちの管理官をしているものだぞ」
「そうなんですか、でも実際に暗殺者のリーダーの横にいた奴の記憶には、男爵とあって話をしていましたから、間違いない」
「よし、すぐに捕縛して吐かせよう」と王
「まだ、それはやめた方がいい」と俺
「どうしてじゃ」
「たとえ、白状しても知らないって言えるからだよ、そして証拠がない」と俺
「そ、そうじゃな」
「男爵が実際に暗殺者を送ったと言うのはわかるけど、それを指示した奴がまだわかっていないんだ」
「慌てなさんな、王様」と俺の言葉
そこで全員が俺を見た、あまりの言い方に‥‥‥
「俺のことを言えば、俺はこことは反対側の国から来た。
俺は、世界中で15人しかいないSSS冒険者だ。俺たちは国の災害に対して要請があるときに出動している、そして7カ国の国から公爵の地位をもらっているし、7カ国の盟主でもあるから王よりも上だよ」
あまりの言い方に面食らった王様と村長。
俺が言ったことを聞いていたアリシアとジャネットとコリンも驚いている。
あまりの変わりように‥‥‥
でも国の違いはあるけど、過去でも俺は、こう言う話ができた方がいいと思う、すごく話しずらいけど演技するから言葉の端は勘弁してほしい。
そして俺は話すことにした。
俺は立ち上がって離れたところで異空間から剣を取り出して魔力を剣に放出した。
剣は見事に輝いてくれた。
その色は青。
「これがなんだか、わかる?」と王と村長とヒルダを見て聞いた。
ヒルダが「もしかして聖剣?」
「そうだよ。世界でたった一本の聖剣だ」
「そ、それを持っていると言うことは勇者?」
「そう、俺が勇者だ」と精一杯威張って言った、
アリシアとコリンとジャネットの顔が必死に笑いを我慢しているような感じだった。
今にも吹き出しそうな3人を無視して‥‥‥「勇者であり、盟主の俺が、いるんだから、俺を動きやすくしてくれればいい。全て俺の指示で動けばいいから、だれにも俺たちがいることやヒルダのことを話さないでくれ」
「わかった、貴殿に任せよう、ところで貴殿は名前は?」と王
「ああ、言ってませんでしたね、クリスです」
「ところで先ほどの演技は、ちょっとな‥‥‥」と笑われた。
演技だと言うことを気がついていたみたいだね。
「でも、冒険者ランクも盟主も勇者も本当ですよ」と言っておいた。
違う世界でだけど‥‥‥




