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ウルフと魔族



「クリス、本当にありがとう」とソフィア


「本当だね、握手攻めに合うところだった」とアレク


「やっと分かっただろう、俺の苦労が‥‥‥」


「うん、分かった」とソフィア


アレクの様子を見て、俺は異空間からケーキを出した。


「お腹減っただろう、ケーキを食べようよ」


ケーキの反応にアレクはすごく嬉しそうに反応した。


「やった〜」とアレク。


俺たちは紅茶をと用意しながら、休憩することにした。


念話でダイラス連邦の首長に連絡を入れておいた。


ケーキを食べながらアレクが思い出したように話し始める


「ご主人さま、ちょっと気になったことがあるんだけど」


「うん、なに?」


「トラの討伐に出向いて、初めてトラを見たときに、赤い目が気になったんだけど、そうしたら思い出したんだ」


「‥‥‥」


「私が、随分前に赤い目をしたトラを倒したことがあって、その時は人間が実験動物でトラを使ったことがあったんだ。どうやってかわからないけど、トラは赤い目をして暴走していたんだ」


「なるほど。もしかして以前、麻薬の時も、その実験の一環か?」と思う声をあげてしまった。


「アレク、それはいつ頃?」


「えっと時間感覚が違うから、確か‥‥‥1000年前の、えっと国はガルシア帝国」と言ってしまった。


私は、ご主人さまの顔を見た、ご主人さまは、息を止めているみたい。


「ご主人さま、ごめんなさい」と謝った。


「いや、アレクが謝ることはない」と言ってくれた。


「辻褄を合わせるとウルフの奴が1000年前にいる理由、それは、このことが繋がってくるのか?」


「つまり1000年前の研究を盗んで、今の世界の動物に暴走を起こさせると言うこと?」とアリシア


「いやウルフなら、そんな手は使わないと思うな、たぶん、魔族だろう」


「魔族が?」


「うん、魔族の奴はウルフのことを兄貴って言っていたんだよ、たぶん、魔族を連れて1000年前の過去を遡り、魔族を使って、悪さをしながら、ウルフが何かを企んでいる‥‥‥そして1000年前の過去を隠れ蓑にしていると思われる」


「その根拠は?」


「全て憶測でしかないけど、俺なら、そうするから

ウルフの奴が、魔物だけじゃなく動物を暴走させても、そんな簡単なことをしないと思うから、ウルフの奴は、さらに凶悪な大規模なことを考えていると思う」


「そのための準備期間だと言うこと」とソフィア


「そうだと思うね」


「なんだか寒気がするほど、怖いわ」とアリシア


「ウルフの奴にとっちゃ、この世界が滅んだ方がいいと考えている」

ところが魔族は、人さえいなくなればと思う程度さ。

そこに違いがある」


「考えているレベルが違うと言うこと?」


「そうだね」


「そう、魔族は世界征服、ウルフは世界滅亡」


「そ、そんな‥‥‥」


「実際、事実だと思うよ。ウルフの目的は失望による自殺からもわかるけど、奴は生きている意味を失ったんだよ」


「生きている意味?」


「奴は以前、俺に少しだけ話してくれた時がある。その時に聞いた話だとウルフは人と結婚して子供がいたらしいんだけど、ウルフがどこかの国を偵察かなんだか知らないけど、行った時に家族を殺された」


「へー」


「その時に誰が家族を殺したのかと聞いたときに、奴は言い淀んだんだ。どうも村長と、もう1人の人物がいたみたいなんだ」


「もう1人?」


「そう、実際に家族を殺したのは、たぶん村長じゃなく、もう1人の奴だ。そいつの存在がわからない」


「じゃ、ウルフを絶望させた奴がいると言うこと」


「そう、たぶん、計画的にね」


「企んでいたということ?」


「うん、俺はそう思っている」


「そんな前から企むことができるなんて‥‥‥」


「そう、それができる奴がいると言うことだね」


「そんなことができるって言ったら‥‥‥」


「そう‥限られる。その奴がウルフに時を渡る能力を渡している」


「じゃ、これからは魔族、ウルフだけじゃなく、その隠れた奴とことを構えることになると‥‥‥」


「うん、そうだね」


「でも実際には、そんなに遠くのことじゃない‥‥‥もっと早まるかも」


まずは現実を見て、ここが安定したら1000年前の過去にジャンプすることだね」


俺は知らなかったけど、ガルシア帝国が滅んだのは300年前後だと思うから、ガルシア帝国は、そんなに古い国だったのか。


700年以上も国があって、徐々に軍事国家になっていき、その時に研究施設で、実験をしていたと言うことか?


もしかして動物だけじゃなく、人間にも使うために戦争を仕掛けていた?


人間の恐怖を取り除いて1兵士として戦わせるために?


でも俺がアルベルトとして戦った時には、赤い目の奴なんていなかった、と言うことは薬かなんかを進化させたのか?


より凶暴になるようにか?


目が赤くなる魔物や動物は、暴走状態になっているみたいだ。


そんなことを大量にしていたら、食用肉もなくなるから焼き肉が食べれなくなる。


食糧事情を悪化させることが目的なのか、理由はわからない。


魔族とウルフの考えていることを推測することは難しい。


今は俺たちは魔族とウルフとことを構える必要がある。


今度は、どこの国で赤い目の奴が出て暴れまわるのか?


今まではドラゴンとトラだった。


次は、何が起きるのか?


でも、もう朝方だ、寝る時間がなかったから、寝る時間を削るのが目的なのか?


またはトラとドラゴンで終わるのか?


「交代で寝て待機しよう」と言うと一番、初めは俺になった。じゃんけんで負けてしまった。


このままイーノック王国にいても意味がないように感じるけど、どうしようか迷っている。


イアン王子とキャサリン姫がいるんだから、もう、俺たちは用無しだと思うんだけど。


あとは2人に国政をやってもらうしかない。


みんなは寝ているけど、朝になって自分の部屋で朝食のパンを食べていると、騒がしくなった。


急いで口にパンを押し込みながら、騒ぎの方へ行ってみることにした。


廊下には数人しかいないけど、中のやりとりが気になる。


「だから私が次期国王になって国を守っていきます」とイアンの声。


「何を言っておられるのですか、もう、あなたたちの時代は終わりました。国を乗っ取られるなんて恥晒しもいいところです」


誰だろう?


俺は扉が開いているから部屋の外から声を頼りに聞いている。


どうもいい話をしているわけじゃないみたいだ。


中にはイアンとキャサリンがいるみたい。


国を乗っ取られたことに対して、何か言ってきた人物がいるみたいだな。


部屋の中の様子を伺っている人に、声をかけた。


「ねぇ、あの人って誰?」と声をかけたが、かけられた女性は俺に驚いた。


「勇者さま」と大きな声を出してしまった。


あちゃ〜 と思って部屋を見たら部屋の中の全員が、こちらを見ていた。


しょうがない‥‥‥と思い、部屋の中に入って行った。


「なんだ、お前は、今は大事な話をしているんだ、出ていけ」と言われたので出て行こうとしたら、イアンとキャサリンに止められた。


キャサリンが「助けてください」と腕を掴まれた。


しょうがないので「どうしたんです。イアン」とわざと呼び捨てにした。


王子が答えるよりも早く「貴様、何者だ、呼び捨てにするなんて」


「呼び捨てにしたらいけないんだったら、まだイアンは、ここの王子ですよ」と言って言葉を返した。


「そ、それはそうだが」


「今、認めましたね、イアンがイーノック王国の王子だと」


「いや、認めたわけじゃない」


「いいえ、あなたは私がイアンを呼び捨てにしたときに、言いましたよね」


「あっ、それ、私も聞いています」とキャサリン


「そこにいる人も聞きましたよね」と先ほどの部屋の入り口にいる女性に尋ねた。


「‥‥‥はい、確かに聞きました」


「話にならんな。ところでお前は、なんなんだ?」と俺に聞いてくる。


「私はイアンの知り合いで私が国を取り戻したんですから、今は私が国を預かっています。それとも俺と戦いますか?」と言ってみた。


「ふん、どうせ、一大事に兄弟に取り入り騙して城に入り込んだんだろうが、この汚い奴め。私にも私兵がいるぞ、かなり強いぞ、お前なんか、1発でのされるぞ」とすごい剣幕で言ってくる。


「じゃ、勝負して、もし負けたら、あなたに国を譲りますよ」と、そんな気はないのに言ってみた。


「よし、勝負だ、今、言ったこと、ここにいる全員が聞いているな?。もしうちの最強な奴が負けたりしたら、わしも貴族を返上することをかけよう。

いいな、わしが勝ったら、この国はわしのものだぞ」と鼻息が荒い。


「ええ、いいですよ。今は俺が国を預かっているって言いましたよね、だから、誓いましょう、魔法の誓約でしましょう」と言って誓約魔法を知らないのに、適当に格好だけつける。


「魔法?いいだろう?」


「では、手のひらで俺の腕を掴んでください、私も同じようにしますから」


と言って俺の腕を、そいつは掴んで、俺も同じようして「誓約魔法により、お互い約束を守ることとする、もし、約束を破れば死を意味する」と適当に言ってみた。


相手は死を意味すると言うことを聞いて、ビクッとしたけど、そのまま、何も言わなかった。


よっぽど私兵に自信があるんだろう。



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