他国に勇者あらわる3
俺たちはクラーケンを倒すことが成功したけど、アレクとアデルとエイミーとアイリスの魔法能力が上がっていることに驚かされる。
どうしてもジャネットとか、ロゼッタとか、パトリシアから見ると、背も小さいので幼い感じがするけど、もう実戦配備ができるかもしれない。
それだけ基礎魔法を練習していると言うことだろうな。
基礎魔法を練習していないと、あんなに魔法の力が上がる事は無い。
基礎魔法をいかに上手に練習するかで魔法の力は上がってくる。
何も考えずに、ぼーっとやっていたって魔法の力は上がるわけはない。
俺たちはクラーケンを倒したあと、船から飛び上がってきたけど、その時にも多くの人に驚きを与えた。
実際には今まで俺たち以外の人が、空を飛んでいるのを見た事は無い。
ウルフは別だけど。
今は海の上を飛びながら透明になっているから人から見られる事は無い。
海のすぐ上を飛んでると魚が見えることもある。
しばらくは海の上を飛びながら、簡単なものを食べて進んでいく。
結構、長く飛んでいるとお腹が減ってきて魔法力も落ちてくる可能性もあるから。
気がついていないだけでお腹が減っていてもわからないことも多いから。
船から飛びだって3時間が過ぎようとして、目の前に大陸が現れた。
港がある街がイーノック王国だと言うことを聞いている。
「あの街がイーノック王国かな?」
「みんな、もうすぐだよ」
大陸に近づいてきたので、飛行高度を取ることにした。
低空よりも上空から見た方が、全体を見渡すことができるから。
グングン、上昇していき、高度をとることにして、上空から、この大陸を見ることにした。
大きな大陸は、ところどころに街が固まってあるみたい。
イーノック王国は、大きくない国だと言うことで、上空から王都を探すと城があることがわかったので、そこが王都になる。
俺たちは港町を過ぎて、王都に近づいていく。
徐々に飛行高度を落として街の上空に到着した。
そして誰もいない路地を見つけて、降りていった。
透明魔法も解除した。
俺たちは全員で、街の散策をすることにしたけど、宿を取ろうと思う。
早めに取らないと満室で泊まる宿もないと言うことになりかねない。
高級な宿に入って行くと、女性がカウンターで仕事をしていた。
「すいません、部屋は空いていませんか?」
「いらしゃいませ、何部屋、必要ですか?」
「俺は一人部屋で、あとは分散して泊まることができれば‥‥‥」
「そうですね‥‥13人様と言うことは、6人様と8人様が泊まれる大部屋が空いていますよ、料金は、一泊、朝食と夕食がついて全員で金貨一枚ですよ」
「わかりました、それじゃ、お願いします」
「何泊、お泊まりになりますか?」と女性
「とりあえず、10泊ほどおねがします」
「わかりました、じゃ、ここに署名と金貨10枚になりますね」
誰も出さないので、俺が懐から金貨を10枚出した。
10枚は結構、高い料金だ、今までで最高額になる。
まぁ人数も増えているからね。
朝食と夕食もつくし、美味しいのかな?
高級宿だけあってお風呂もあるみたいだけど、俺たちは自分の屋敷の温泉に行く。
鍵をもらって、部屋にいくことにした。
女性たちは、4階の隣どうし、俺の部屋は3階の部屋だった。
俺の部屋を鍵を開けると、貴族が泊まるような部屋で、置いている家具類も高級だな。
でも、俺にとっては、高級な家具よりも、日当たりや景色がいいのがいいと思っているけど、異空間収納があるから、箪笥なんか使わないし。
まぁ、ベットの硬さがちょうど良いみたい。
俺はベットに寝転がりながらベットの硬さを確かめている。
夕方になれば多くの宿泊者がくることもあるけど、4人にはクラーケン退治が自分達の力の証明になったと思うな。
そこのドアをノックする音がして「クリス、私だけど良い?」とアリシアの声で言ってきた。
「俺は鍵を閉めていないので、立ち上がることなく「どうぞ」と言った。
アリシアが部屋に入ってきたと思ったら、ゾロゾロ人が入ってきた。
「あっ、やっぱり、私たちの部屋の方が広いね」とイザベラ
「それは、そうだよ、ここは一人部屋だから」
「でも、この部屋は豪華だね」とソフィア
「たぶん、ここの宿は貴族が泊まる宿だと思うよ」とアリシア
「へー、そうなんだ」とイザベラ
「だから受付も豪華なんだね」とソフィア
「うわ〜、窓も広いね」とアレク
全員が来たので、一人用としては広かったのが、狭くなってしまった。
しかも椅子がない。置いてあるのは、テーブル用の椅子2脚だけ。
俺は異空間においてある椅子を取り出して部屋に並べた。
テーブルが小さいけど、そこは我慢してもらおう、だって大きなテーブルをおいてしまうと、部屋が狭くなるから。
全員が椅子に座ったり、窓から楽しそうに景色を見たりしているから、とうぶん、帰るつもりはないみたいだから俺は異空間からコーヒーセットを取り出して、ポットにお湯を入れる、もちろん魔法で。
コーヒーの良いの匂いがする。
俺たちがコーヒーを飲んでいると、騒ぎが起きた。
大きな窓から全員で上から見下ろしながら見ている。
3人の男に対して、6人の大きな男たちが、言い争っている。
3人の男たちは身なりがいいような感じ。
6人の男たちは、冒険者みたいな格好をしている。
多くの人も立ち止まって見ている。
段々と人が集まり出しているけど、どうなるんだろ?
ジャネットが「ご主人さま、いきますか?」と尋ねてきた。
「う〜ん、どうしよう?」
「今は、まだ、様子を見ようよ」と珍しくイザベラ
今は両陣営とも言い合いが起きているから、聞いてみると肩が当たったとか、言っているから、金よこせって言っているみたい。
言いがかりをつけている方は6人だけど、そんな大柄な体型で肩が当たったくらいで、文句言うなよって感じ。
3人の行動を見てみると、一人を二人が守っているみたいな陣形をしている。
守られている方は女性だな。
3人の方は、女性は弱いけど、護衛と思われる人は強そう。
こう言う時は、あまり関わりたくないから、俺は窓から離れた。
でも女性たちは、まだ見ている。
6人組の冒険者みたいなのが長剣を抜いた。
それを見て護衛の二人は短剣を抜いた。
うちのメンバーが、俺の方をチラッとみるから、しょうがないので、護衛が守っている女性の前に瞬間転移した。
「! えっ‥‥‥」と女性は突然、現れた俺に驚いている。
護衛の二人は、俺の方を驚きながら見て警戒した。
「これで、心置きなく戦えるでしょ」と言いながらギルドカードを護衛二人に見せた。
ギルドカードを信用してくれたのか、わからないけど、護衛の二人は、行動が早かった。
6人の冒険者たちを、あっと言う間にやっつけてしまった。
すごい手練れだな、暗部か?
と言うは、守っていたのは要人か? これは、さっさと退却したほうがいいな‥‥‥
「じゃ、そう言うことで‥‥‥」と言って瞬間転移しようと思ったら、剣先を向けられた。
「貴様、誰だ」
「えっ、嫌だな、通りすがりの者ですよ」と言って、その場から立ち去ろうとした。
「怪しい奴‥‥‥」と言って、手練れの一人が俺に剣を向けた。
俺はすごい勢いで迫る剣先を、結界魔法で防ぐか、基礎魔法で防ぐか、考えたけど、手で防ぐことにした。
一度、やって見たかったんだけど、手に魔力を一点集中させて、防ぐ方法。
真剣白刃取りみたいなこと。
真上から迫る剣を両手を合わせて挟み込むようにするけど、なんと通り抜けてしまった。
こいつも魔法師みたいだな、通り抜けた剣は俺の基礎魔法に弾かれる。
しかし、まずいことに剣が折れて、女性の方に飛んでしまった。




