運命の子
第446話 運命の子
結局はレイチェルに焼串を大量に貢いだ後食べることもなく、俺たちは、一度、山荘に戻って、オーリス王国に帰ることにした。
食事は、優しいアリシアが バーベキューを取りおいてくれていた。
バーベキューを食べながら、レイチェルのことを話したら笑われた。
「 せっかくのデートが台無しだね」
「でも、レイチェルが、あんなに大量に食べるなんて思わなかったよ」
「レイチェルは神だから、人とは違って胃が大きいのかもね」
「あっ、でもレイチェルは、天界では食べることはないんだって」
「それは、そこまでって言う意味じゃない?」
「あっ、そうか、普段も食べているけど、そこまで食べないって言う意味かもね」
そこに全員が、用意して食堂に入ってきた。
俺が食べ終わると、食器を洗ってから、アリシアも用意する。
「あれっ、レイチェルは?」と聞くと、「もう、帰られましたよ、ご主人さまによろしくと言って」とジャネット
ジャネットが、それでですね、洋服を私に返してくれてですね」
「へ〜、そうなんだ」
「買った洋服で帰ったんですよ」とジャネット
「ん? 買った洋服?
えっ、それって、もしかして‥‥‥」
「はい、真っ赤なミニスカートで」とジャネット
「へ〜、そ、そうなんだ」
「なんでもクリス様に買って頂いたって言ってましたよ、 あんなに嬉しそうなレイチェル様って初めてです」とジャネット
「そ、それはよかったね」 顔から汗がタラリ‥‥‥
この次にレイチェルが現れる時に覚悟しておかなければいけないな。
まぁ、裸よりはいいか
*
用意ができたので全員でオーリス王国に帰ることにした。
山荘から瞬間転移でオーリス王国に戻ってきた俺たち、 屋敷を管理してくれているセバスチャンに挨拶をして、俺たちに用事がないことを確認した。
シャーロットに確認することがある。
あれから剣士学園のほうは、どうなったのかと言う事なんだけど、 それはシャーロットもわからないと言う事だったので、一度、お城に戻って確認すると言う事だった。
「シャーロット、俺がお城に連れて行こうか?」
「あっ、いいですよ、私、歩いてきます」
「えっ、でも‥‥‥」
「じゃ、私が送るよ」と名乗り出てくれたのは、アレクだった。
「じゃ、アレク、お願いするね」
「はい、ご主人さま」とアレクがシャーロットを連れて瞬間転移した。
「最近はクリスは、忙しすぎるよ」とアリシア
「まぁ、それは、しょうがないかな」とソフィア
「そうだね、クリスが中心に動かないといけないしね」とアリシア
「まぁ、それは、そうだけどね」
そこにアレクとシャーロットが戻ってきた。
早いな。
シャーロットが「クリス様、お父様に聞いてきました。あの練習があって、上層部に魔法が使える人が、増えてきているので、学園の方は様子見だそうです」
「あっ、うん、わかった」
あの時来ていた上層部の人たちがもう少し魔法を使えるようになれば、それを指導して剣士学園や魔法学園でも教育が行われると思う。
「あっ、それと、剣士学園と魔法学園を統合するとのことです。
やはり、クリス様の言っていた通り、統合して一貫してしたほうがいいだろうと言うことです」とシャーロット
「えっ、俺、言ったっけ?、そんなこと?」
「ええ、馬車の中で おっしゃっていましたよ」とシャーロット
「そうだっけ?」
「あっ、クリスが一人ごとのように言っていたことね」とアリシア
「そうです」とシャーロット
シャーロットが「 大体どこの国でも剣士の人は剣士学園に通って、魔法が使える人は特別扱いされて魔法学園に 通うのが普通なんですけど、多分、世界初かも」
「そうなんだね」
「ええ、 クリス様のやり方では、分ける必要がないと言うことなので」
「それじゃ、これからは冒険者も変わってくるね」
「あっ、でも学園に通っていない人は、どうするの?」とイザベラ
「 まぁ、それは教育機関が学園だから、学園に通ってもらうしかないよね」
「 またはいい先生を見つけて、その人に教えてもらうとか」とソフィア
「 でもAランク冒険者だって魔法が使えない人がいるよね」
「そうだね」
「 普通は数人でパーティーを組むでしょ、前衛とか後衛とかわかると思うんだよね。
前衛なら剣士、後衛なら魔法師という概念が決まっていたけど、それを破ることになるだろうね」
「概念を破る?」とセラフィーナ
「 そう今までのように考えるんではなくて誰でも剣士であり魔法師でもあると言うことだね」
「じゃ、魔法剣士?」とイザベラ
「うん、そうだね」
「剣士魔法じゃ、言いにくいから、魔法剣士だね」とアリシア
「しっかりと基礎魔法をやってくれていると冒険者が依頼を受けて魔物の討伐に行っても死ぬ確率が極端に減ってくるんじゃないかな?
例えばだよ棍棒を持っている魔物が襲ってきても、背後から忍び寄ってきてもきそう魔法さえしっかりと練習して展開しておけば、防げると思うよ。
ただ厄介なのが、一生懸命日々の練習をすることもなく、怠けている奴がなまじっかできると思うのが危ないね」
「そのためには誰かが見てくれる必要がありそうね」とイザベラ
「 そのための学園なんだから」
「 だから今、現在ランクを持っている冒険者だって、学園に入りなおして勉強すると言うのもいいことなんじゃないかなと思うよ」
「そうだね」
「 でもランク持っている冒険者だってプライドがあるから、素人と一緒に勉強させるのは辛いね」
「う〜ん、そうですよね」とシャーロット
「 だから、呼び方はいろいろあると思うけど、今現在冒険者でランクを持っている人でも参加しやすいような感じがいいんじゃないかな」
「はい、私も、そう思います」とシャーロット
「セラフィーナの国のライオネル公国でも、同じことが言えると思うよ」
「そうですね」とセラフィーナ
「 結局は、どこだって若者がいるわけだから、それを討伐できるだけの能力を持った冒険者を育てる事が1番だと思うから、全員が剣も使えて魔法も使えるのが1番の理想だよね」
「はい、そうです」とセラフィーナ
「 だから冒険者が、1番に基礎魔法を上達してくれていると、かなりのランクアップにもなるんじゃないかな」
「 根底から覆すようなランク制度になる可能性も秘めているわね」とソフィア
「 基礎魔法をレベルかしたほうが、いいのかもわからないね?」
「 つまり、剣が強くても魔法力がないとランクが低いと言いたいわけですね」とセラフィーナ
だって、どんなに力がつよい大男だって、多分シャーロットやセラフィーナの方が強いだろうし」
「まぁ、それは、なんとなくわかります」とセラフィーナ
「 剣を振るうには筋肉の力が必要だけど、魔法には筋肉の力は直接的には必要じゃないよね」
「もちろん最低限の力も必要だけど、魔法力で強化してしまえばいいわけだから筋肉を鍛えるわけじゃないと思うんだよ」
「魔法剣士かぁ」とアリシア
「うん、魔法剣士アリシアだね」と俺
「 なんだかクリスと話していると常識にはまらないから、新しいことがいろいろできるね」
「 そうだね、だって俺だって初めて冒険者ギルドに行って、冒険者になったときに試験もないし、今ほどじゃないけど魔法を使えたのにFランクだからね」
「あっ、そうだね、 私も初めて冒険者になったときに、貼ってある掲示板を見たけどFランクじゃぁ、ろくな依頼がなかったわね」
「 まぁ、冒険者になったばっかりだから、危ない依頼を受けて死んでしまうことを考えてのことだと思うけど、すべての人が能力がないわけじゃないからね」
「 それじゃあ、クリス様は試験制度が良いと言うんですか?」
「いや、 そうじゃないよ、シャーロット
冒険者ギルドが人を 縛ってしまうんじゃなくて自由にさせだけはいけないんだ」
「自由ですか?」
「そう自由、 特に冒険者が稼げなくて盗賊になってしまうことが多いと思うんだよね、 俺たちがシャーロット出会った時にも野営していたら盗賊が来たでしょ」
「はい、そうでしたね」とシャーロット
「 ほとんどの盗賊は冒険者の成れの果てだから、つまり成れの果てになるだけの性格と言うこともあるんだけど、うまくいかなかったと言うことだよね。
だから簡単にお金を稼げる盗賊になって人のものを奪おうと言うことを考えたわけだよね」
「はい、だと思います」
「 その人たちをどうにかやってもう一度、鍛え直すことができればと思うよね」
「つまり再教育ですね」
「 でも、再教育する予定で募集してもこないよ。
なんで俺たちを再教育するんだよって言う感じが先に立ってくると思うよ」
「 だから募集をするときにもっと強くなれるよとか、魔物が討伐しやすくなるよとか、宣伝は色々、あると思うからね」
シャーロットが下を向いて考えている。
シャーロットの横を見たら、セラフィーナも考えている。
「はい、お父様と相談してみます」とシャーロット
「私も国に帰って、お父様と話をしたいと思うんですけど‥‥‥」とセラフィーナ
「送って行こうか?」
「いいえ、アデルちゃん、お願いできる?」とセラフィーナ
「うん、いいよ、セラフィーナお姉ちゃん」とアデル
と言いながら手を繋いで瞬間転移して行った。
シャーロットもアレクに頼んで、瞬間転移して消えた。
「ほんとうにクリスって、すごいね」とイザベラ
「ん?、そう? 単純に疑問に思うだけだよ」
「 普通は、そんなこと考えないわよ」とイザベラ
「 だって、俺自身がそうだから」
「あっ、そうだね、クリスは剣もすごいし、勇者の剣も持っているし、魔法だって、 超一流どころじゃないもんね」
「でも、それだって努力の結果でしょ」とイザベラ
イザベラは認めてくれているんだ。
「そうだね、クリスって、お酒を飲む訳じゃないし、夜歩きもしないし、研究ばかりしているし‥‥‥」
「それは違うよ」
「えっ、どうして?」とイザベラ
「必要に迫られているからかな」
「必要に?」とアリシア
「うん、必要に‥‥‥」
「それは、どう言うこと?」とソフィア
「そこは、俺にもわかっていないんだ‥‥‥」
「‥‥‥」
「誰かが、また、何かが俺を必要としている‥‥‥いつなのかわからないけど、必ず訪れる未来に‥‥‥」俺は目線を上に向けて、遠くの未来まで見ているように‥‥‥。
運命の子‥‥‥かぁ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お読みくださりありがとうございます。
作者、がんばれー と応援お願いします
誤字脱字がありましたらお知らせください、すぐに訂正を行っていきます。
この物語は異世界の物語であり、空想の物語ですので混同されることがないようにしてください。
基本的に週末に連続で投稿していきますので、よろしくお願いします。




