魔法の鏡
ウルフが逃げたと思われる魔法の鏡を砂漠に持って行って実験をするしかないと言う結論になった。
でも、これが奴が残した罠であれば爆発する可能性もあるから、唯一のものを失うことになる。
しかし鏡については情報もないから、追跡できる唯一のものを使って実験をするために、俺たちは全員で、砂漠地帯に瞬間転移してきた。
ここは、どちらかというと、俺たちの国に近いから、飛行経路になるので、砂漠があることは、あらかじめ知っていた。
「検索魔法で人がいるか見てみるね」と言いながら、検索を使う。
「うん、大丈夫みたいだ」
鏡を立てておくために、スタンドを開いて固定した。
この魔法の鏡にはスタンドがあるけど、どうしてかわからないけど、壁にかけてあったんだ。
「じゃ、俺が魔力を魔法の鏡に入れてみるから、みんなは下がっていてくれる?ジャネット、お願い」と行ったらジャネットがみんなを遠くに瞬間転移した。
そして、ジャネットとパトリシアで結界魔法を多重がけした。
俺も自分に結界魔法を張りながら魔法の鏡に魔力を入れていく。
そうすると魔法の鏡は、どんどん魔力を吸い込んでいく、それで鑑定魔法を使いながら、数値を見てみる。
数値は、どんどん上がってきているから、あの800と言う数値は魔力なのかな?
数値が600になったら、俺は一度、魔力を充填するのをやめた。
しばらく待つけど、数値に変化はない。
念話で全員に「今、魔力を600まで入れたけど、落ちることもないし、変化なし」と告げた。
「クリス様、今度はゆっくり入れて見てください」とセラフィーナ
「うん、了解」と答えて、俺はゆっくり800を目指して入れていく。
今、700、710、730、750、もう一度、止めて待ってみる。
魔法の鏡を触って見ても、表面は硬いまま。通れることもない。
もう一度、魔力を充填してみる。
‥‥‥770、780、790、800っと、で止める。
そうすると魔法の鏡の表面が水のようになった。
念話で、みんなを呼び寄せる。
「一応、結界魔法を張ったままで、近づいてきて」
全員が、瞬間転移で近くにきた。
「みんな、見てごらん、今がちょうど800なんだよ」
「うわー、なんだか、すごいね」とイザベラ
「みんな気をつけてね、もしかしたらウルフが見ているか、出てくる可能性もあるから」
「はい」
みんなは正面じゃなく、横にずれる。
俺が、その辺に落ちている木の棒をとってくる。
木の棒を、魔法の鏡に入れてみる。ゆっくりと棒を入れてみると、タプんって感じで入っていく。
俺は木の棒を戻した。
木の棒には、水もついていない。
俺は、みんなと顔を見つめる。
「‥‥‥」
「これは、もう入ってみるしかないね」というと、まぁ、入るのは俺なんだろうな?‥‥‥と思った。
なんだか得体の知れないものに入るっていやだな。
その前に数値を見てみると、少し減っている。
俺は魔力を足して800にしてから入っていく。
まずは怖いから足の先、つまり靴から、少しずつ、少しずつ、まだ足の指は入っていないけど、靴の先は鏡の中だ。
俺が後ろにいる全員を見る。
全員が真剣な顔をしている。
その顔を見たら、入るしかないよね〜。
俺は、ゴクリッと唾を飲み込んで、手を伸ばして入っていく。
鏡の中を水の膜に入るような感覚で入っていく。
手と足から鏡の中に入って体と顔が同時に膜を通り、見えてきたのは、白一面に多くの鏡が浮かんでいる。
なんだ、ここは?
キョロキョロしても、白一面と鏡意外で何もない。でも鏡は薄らいだような状態で、壁らしきところに浮かんでいるだけ。
俺は、帰る時のために鏡を振り返ると、薄れて消えかかっていた。
慌てて、たぶんと思われることをする。消えかかっている鏡に魔力を注いでみると、消えかかっていた部分もハッキリと現れてきた。
「あーっ、よかった〜、これで帰れなくなることもあるからな、閉じ込められるとか冗談じゃないよ」と誰もいないのに声に出してしまったけど、思わず、口を抑えて、『しまった』と思ったが、誰もこないから、聞いた奴はいないんだろう。
戻れなくなる恐れがあるので、時々鏡を振り返ることにして、まずは念話が通じるのか、確認することにした。
「ジャネット、聞こえる?」
「あっ、はい、聞こえます」よかった、念話はできるみたい。
「じゃ、全員に念話をするね」と行ってジャネットとの念話は一度、切ってから、「みんな、聞こえる?」と言うと
「うん、みんな頷いているから、いいみたいだよ、クリス、中はどう?」とアリシア
「鏡の中にあるのは、空間と同じような白一面に広がる広い部屋って感じだね、でも、中には形も違うし、大きさも違う鏡みたいなものが、いっぱいある‥‥‥」
「へ〜まさに魔法の鏡の中の世界って感じだね」とアリシア
「うん、その通りなんだけど、以前、俺たちが初めて空間に入ることができたことがあったでしょ」
「うん」
「その部屋にも鏡があったよね」
「あっ、そういえばあったね」
「この鏡の空間には、たぶん、鏡がある場所に通じていると思われるんだけど、想像上ではね」
「あえていえば魔法の鏡の世界と言うのが、本当に近いことだと思う。
以前、オズワルド王国で、鏡の中にいた奴がいたって言っていたよね、たぶん、やつは、ここから見ていたと思うんだ」
「そう言うことになるね」とソフィア
「あっ、でも、クリス様、そこには白い部屋と鏡しかないんですよね?」とセラフィーナ
「うん、そうだよ」
セラフィーナが「と言うことは、世界中にある鏡に通じていると言うことになりますよね」
「あっ、そう言うことになるね」
セラフィーナ「と言うことは、私たちが着替えるために鏡を置いていれば、全部、そっちからは見えていると言うことになりますよね」
とセラフィーナが入った途端、女性陣から
「うわ〜、悪趣味」
「変態!」
「すけべ」
「エッチ!」
「鏡を見れなくなるわ」
「クリスのエッチ」などを言われたけど最後は、どさくさに紛れて誰が言ったんだ?
俺、関係ないよね‥‥‥
俺は、その言葉を聞いて、ちょっと実験を思いついた。
「今、鏡は、みんなから見たら、どう見えている」
「えっ、こちらからは、普通の鏡にしか見えません、クリス様が入った時の同じ状態です、表面は水の膜?みたいに見えるだけで」
俺がこちらから、鏡を見てみると、鏡に映し出されたメンバーが見える。
「こちらからは、みんなが綺麗に見えるよ」
「あらっ、そんなに私が綺麗に見えるのか?」とロゼッタ
そんな意味で言ったんじゃないけど、黙っていよう
ロゼッタ「ご主人さま、冗談なのじゃ」
そこには、触れないで、「ここから他の鏡をみると、たぶん、魔力がない鏡ほど、見えなくなっているみたいだね、いくつかの鏡は何も写っていないから」
「ちょっと待ってよ」と言って俺は、帰る鏡から離れて、他の鏡を見にいく、な鏡が機動状態でも、家具しか写っていない鏡もあれば、人が着替えるところが写っている鏡もあるし、昼間からベットの上で男女が映し出されている鏡ある。
そういえば鏡は、外には置いていない。しかも鏡があるのは、金持ちが多い、実際に俺の村の家にはかなり小さい鏡しかなかった。
平民は顔が映る鏡を持っていればいい方だけど、貴族は、かなり大きな鏡を持っている。
別の鏡を見てみると、お店らしき更衣室に置いてある鏡もあって、試着の最中だ。
色々な鏡を見ていると、見知ったところを見つけた。
それは空間の魔法陣を置いてある部屋だ。




