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ウルフ再び



エイミーが魔法陣を使わなくてもわかると言ってきたので、俺は、エイミーの言葉を信用して、ウルフのいる次元を見てみることにした。


そうすると、今までわからなかった、ウルフの姿を容易に見つけることができた。


しかも見えたのは、ウルフだけじゃなく、服装も違うし、建物も違う、行き交う人も、こちらのとは随分違う人が歩いている。


店先はあるけど、売っているものも違うから、ここは、どこだ?


この星なのかさえ、疑問がある。


「どこだ、ここは」


俺は、そう思っても勇者としての魔法力を解除することはしなかった。


その理由は、もう、俺のものになっているように感じたからだ。


今までは解除というのは、一時的に使うというよりも、使わさせてもらっていると言う意識があった。


でも、今は、これも自分なんだと思う得るようになってきた。


例えば、今はオズワルド王国のお城の中にある部屋にいるけど、この部屋にはメンバー全員がいる。


俺は椅子から立ち上がり、「イザベラ、ちょっときて」と言って、俺はイザベラが、俺の目の前にきたので、手を下ろしているイザベラの手を取り、上に上げる。


「な、なによ?」とイザベラ


「ちょっとね」と言って、勇者のパワーを授ける。


最近、イザベラは、なんだか疲れている感じで姿勢が悪く肌荒れが多くなってきているので、最初にイザベラを選んだわけだけど。


俺がイザベラを見ていると、みるみる姿勢が良くなり、肌荒れも瞬間に治ってきた。


「はい、これで終わり」と俺がいうと、イザベラは顔を触っているみたい、「なんだかクリスにもらった魔法力で肌までツヤツヤになった。

体も楽になった、何、これ?」と言って驚いている。


普通は基礎魔法で練習していれば、可能なこともあるけど、もう落ちてしまうと自力で上げることはできない。


「じゃ、次、誰がする?」と俺が言うと、全員が俺の前に並んだ。


次に並んでいたのはエイミーだった「エイミー、さっきはありがとう」と言いながら、エイミーの手をとり、勇者の魔法力を注入する。


エイミーは若いから、変化はないかもしれないな、と思っていたけど、違った。


「キャ〜、嬉しい、ご主人さまが手を握ってくれた〜」と言っている、あっ、そっちね、と俺は思った。


「あっ、体の重たさが取れて楽になってきた。体が軽いわ、わ〜い」と言って飛び跳ねている。


エイミー、喜びすぎ。


次に並んでいるのは、ジャネットだった。


俺はジャネットの手をとって、「いい?、いくよ」て言って、神獣たちには、人間の魔力の方じゃなく、勇者のパワーを注入してみた。


そうすると髪が靡なびききだし、色が変化してきた。


今までも綺麗な金色だった髪が、さらに黄金のような輝きを増してきた。


なんだ、こんな変化も起きるんだ!


「うわっ、ご主人さま、顔が小顔になりました、肌もツヤツヤになっています、体も軽いです」とジャネットが珍しく、はしゃいでいる。


俺を全員が見ている、自分の番がくるのが、待ち遠しそうに。


俺は、さっさとやることにした。


それは右手を左手を活用してやる方法で、一気に進めていく、



でも俺の勇者としての力の目覚めにはびっくりした。


「勇者の力よ、権限せよ」とでも言うのかと思っていたら違った。


要は、俺がいつも勇者として振る舞っていれば、魔力が纏ってくるみたいだ。


『マントを羽織るように勇者の魔力を纏う』って感じかな?


そういえば、俺は、ステイタスを開きことはしていない、指輪も無くなってしまったので、必要性が、あまり無くなってきたと思ったけど、やってみるか?と言う思いだ。


「ステイ‥タス」


ステイタスと言葉とイメージしなくても、いち早くステイタスが表示された。


そのステイタス表には、文字化けして何がなんやら、わからなくなっていた。


「故障か?

おかしいな?」と言う声が聞こえたのか、エイミーが俺の膝に乗ってきた。


「あっ、これはですね、もう、ステイタスの限界を超えているからですよ」


「えっ、そうなの?」


「つまり、もうステイタスで表示することができなくなったと言うことですね」


「そ、そうなんだ」


「だって普通なら、表示できるものを、もう、ご主人さまは、超えていますから」


「つまり?」


「普通じゃないと言うことですね」と言って俺の膝から降りていった。


エイミーが座っていた膝の温もりだけが残って、余計に寂しく感じる。



俺は普段からも勇者として意識しながら行動することにした。


でも、勇者として生まれた訳ではないから、どうしても慣れるのに時間が必要だ。


勇者として生まれてくれば、成長の過程で慣れていくだろうけど、俺は、そうじゃない。


15歳で村から出て冒険者になって、あの時、シャーロットの依頼を受けなければ、また、違った人が勇者になっていたんだろうな?


俺の冒険者としての始まりは、シャーロットからだ。


シャーロットが王女と知らずぬ、護衛の依頼を受けて王都まで馬車に揺られながら暇だった記憶しかないけど。


俺だけ、荷物を積んでいる馬車に一人で乗っていた。盗賊が襲ってきたこともあったけど。


そして、お城での王様が暗殺させる時間が起きたことだな。


今は18歳だから、たった3年だよな。


勇者の称号がいつ、ついたのかわからないけど、多分、勇者の称号がついたのは、半年前くらいかな?


半年で勇者になりきれっていうこと自体、難しい話だし、勇者のスキルも完全に把握しろなんて、途方もないことだ。


ステイタスも使えないから、何ができるか、わからないからな。


あっ、そうか、何ができるかじゃないんだ、なんでも使いこなすのが勇者なんじゃないかな。


じゃ、使おうとすれば、全て使えると考えた方がいいかな?


でも、実戦の時に困るから、魔法を試すこともしておかないといけないな。


いざっていうときに、それは使えなかったなんてことにならないように。



でも、今はオズワルド王国の城の中だから、ここでは、できないけど、瞬間転移で、人が見ていない野原に行くか? それとも空間で実践するか?


まだ、もう少し、今日は王族を連れてきた日だから、日数の余裕はある。


じゃ空間に行って練習しようかな、と思って顔を上げると全員が俺を見ていた。


「えっ、なに?」


アリシアが「クリスが、考えことをしているな、と思って」


「今から勇者の練習のために、空間に行くんだけど、ついてくる人?」と俺が手を上げると、全員が手を上げた。


まぁ、今日は、何もないと思うのでいいか、と思って扉の外を警備してくれている騎士に、断りを入れた。


シャーロットが「あっ、ちょっと待ってください、お父様に行ってきますので」とシャーロットが言うと、セラフィーナも「じゃ、私も」と言って走って出ていった。


その間、俺たちは待っているけど、部屋に置いてある紅茶とお菓子を持っていく。


そして侍女の人に、あれば、お菓子をちょうだいと言っている。


侍女さんは、大急ぎで探しに行ってくれた。


それを提案したのはアレクだった。


お菓子が美味しかったみたい。


それを横で聞いていたアイリス、エイミー、アデルが喜んでいる。


ピクニックじゃないんだから‥‥‥ 練習している横で、もぐもぐされると集中できないよ。


ボリボリ、ガリガリ、ポロッ



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