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研究



俺は前任者の勇者に感謝しつつも、前任の勇者でも、途中でしかわからない難問を押し付けられる形で、問題を解決しなければならなくなった。


もう前任の奴、勇者なら、最後まで研究してくれよ‥‥‥と愚痴でも出そうな感じだけど、いつの時代かわからないけど、俺と同じ勇者を研究ノートでも見つけることができたことに、ちょっと嬉しさを感じた。


いつの時代の勇者なのか、わからないけど、保存状態が良いと言っても限界はあるけど、何かの仕掛けがあって残っていたのか、わからない。


うん? 待てよ、俺に見せるために過去から持ってきたんじゃないだろうな?


研究ノートを見ると、そんなに時間が経っているような気がしない。


この小屋も、おかしいじゃないか?


現生では、勇者がいたと言うことは最近では聞いていない。


俺が知らないだけで、現世にいたのかも知れないが、勇者がいても有名じゃない勇者もいるかも知れない、例えば研究ばかりしていたとか?


そう言えば、俺は初めての時に、この小屋を見つけても、普通の小屋として入ってきた。


でも、この小屋自体が、変な感じがしたから、今日は慎重になったんじゃないか?


小屋全体とカーペットの違和感を突き止める必要がある、それも数時間内に!


俺は、まずは身近なカーペットから確認してみる。


見たところ、ボロいカーペットだけど、デザインも昔のデザインのような気がするけど、これに何があるんだろう、それは研究ノートと同じように勇者の魔力を流せばわかると思うから、カーペットを持って魔力を流してみる。


カーペットに魔力を流すなんて、初めてのことだけど、普通なら何も起きないことが起きてしまった。


カーペットが消えた。


というよりも触っている実感はあるから、見えなくなったというのが正解だろう。


透明化の魔法か?


でも、俺の透明化の魔法とは違うみたいな気がする。


違いは気配が全くない。俺の魔法で探ってみても、探知されない。


これでウルフたちが見つからないのか?


確かに俺の手には、カーペットを触っている実感はある。手触りも感じるけど、全く目に見えない。


どういうことだ?


カーペットがあるのに、見えない、と言うこと、そして俺の魔法でも探知できない、ということは、なんだ?


「う〜ん」唸ってもわかることはない。


なので、俺は、このカーペットが見えなくなることをイメージしながら勇者の魔力を自分に流してみる。


そして、この部屋には、鏡が壁にかかっているので、見てみると、俺の姿が鏡に、映ったままだ


どう言うことだ?


「 ! 」 俺は思いついたことがあった。


もう一度、カーペットのところに戻ろうとしたけど、カーペットが、どこにある?


あれっ、確か、このへんに、と言って手で探ってみると、置いた場所にあった。


まだ消えたままだった。


そこで勇者の魔力を解除すると、カーペットは見えるようになった。


俺は、今まで魔法陣と言うものは利用していない。


魔法陣に独特な波紋があるのか?


俺は部屋にある魔法陣の所に行き、普通に起動してみる、でも、これは空間に転移する魔法陣だ。


そこで俺は勇者の魔力で魔法陣を発動してみる。


そうして魔法陣に入ってみると、驚いたことに遠くの方に多くの人がいる。


そして遠くでウルフの気配を感じた。


俺は、また、同じことを繰り返し、蜻蛉返りをしたが、ウルフには気づかれなかっただろうか?


よく原理がわからないけど、この魔法陣は、勇者の魔力だけに反応するような仕組みらしい。


俺は、元いた場所に戻って、カーペットのあるところに来て、もう一度、勇者の魔力を流すと、消えた。


どうも、カーペットを魔法で部屋を明るくして、しっかりと見てみると、すごく薄く魔法陣が書かれている。


カーペットは、持ち運び用の魔法陣なのかな?



俺は、このカーペットを持って、アリシアがいる屋敷に戻ってきた。


この山荘の地下には、扉がない部屋があり、そこには魔法書がいっぱいある。


その中で、魔法陣についての書を見つけるつもりだけど、もう時間は朝6時すぎだ。


俺が戻ると、アリシアは、もう起きていて、美味しい朝食を用意していた。


これも俺が、出る前に食材は用意していたものだ。


ここには、いつも、いるわけではないから、食材はない。


「あっ、クリス、おかえり」


「うん、ただいま」


「さぁ、朝食にしましょ」とアリシアが言うので、俺は椅子に腰を下ろした。


「今日は、顔色がいいみたいね」


「うん、おかげさまで」と俺が言うと


「で、昨日は、いつ起きたの?」とアリシアが、ちょっと怒り気味に聞いてくる。


「うん、早く寝たから夜の1時くらいに目が覚めちゃって」とドキドキしながら言い訳を言う。


「‥‥‥そう」とアリシア


「朝、起きたら、クリスがいないから、もういつものことんだけど‥‥‥」


「うん、昨日は手紙を置いていたよ」


「もちろん、見たけど‥‥‥」


「今日は、どうしたの、なんだか怒っているみたいなんだけど」


「もちろんよ、怒っているわよ、だってクリスと二人っきりなのに、クリスはお仕事ばかりで‥‥‥」


「あっ、ごめんね」


「そりゃ、クリスは、いつも忙しいわよ。


でも、二人っきりなんて、本当にないんだから、二人の時間をもっと有意義にしたかったの‥‥‥」


「本当に、ごめんね、アリシア、この埋め合わせはするから」


「もう、クリス、本当に埋め合わせてしてよ」


「あっ、食事のあと、二人でお風呂入ろうよ」


「あっ、そうだね、でも最近は、みんな居たから気にならなかったけど、二人で裸でお風呂入るなんて、ちょっと恥ずかしいな」


「あっ、俺もだよ、本当に自分で言っていて、恥ずかしいや」


ウフフッとアリシアは顔を赤らめながら笑っている。


そんなアリシアを見ながら、久しぶりにアリシアに良い雰囲気になることができたと思ったけど、そこに念話が届いた。


雰囲気が打ち壊された。


「はい、ジャネットなに?」と俺が急に答えるから、アリシアは、またか、という顔をしている。


こちらをじーっと睨みながらコーヒーを飲んでいる。


ジャネット『ご主人さま、今日は、それぞれの国の出席する王族を、集める日ですよね」


「うん、そうだけど、で、明後日が戴冠式だからね」


ジャネット『それで、オズワルド王国の、どこに転移するればいいですか?」


「あっ、ちょっと待ってね、王に聞いてみるから、まさか、お城の外でと言うわけにも行かないからね」


ジャネット『は、じゃ、もう1時間くらいでお願いします』


「あと1時間くらいで、各国の出席する王族がオズワルドに転移してるから、場所を指定してくれだって」


俺が、ジャネットと話しているときに、アリシアは、俺が食べていない朝食も片付けている。


片付けているアリシアの後ろから近づいて、俺は初めてアリシアを背後から抱きついて、アリシアの顔を俺の方に向けさせ長いキスをした。


そうしたら、アリシアからも顔を近づけてきて、キスしてくれた。


「しょうがないね、クリスは重要人物だもん

クリスが指揮しないと、困る人も大勢いるんだから、もう、諦めるよ」と言って、もう一度、アリシアがキスをしてくれた。


そして俺は、アリシアを抱きしめた。


そうしたらアリシアも抱きしめてくれたけど、最後は俺の体に回した腕でギューと力を入れたので、痛かったけど、


「ハァ、これで少しは気が晴れたわ」とアリシアの気が済んだみたい。


温泉で二人だけの裸の付き合いもできなくなった。


ガックリ‥‥‥



俺とアリシアは、用意をしてオズワルド王国に戻ってきた。


今度は、知っている、オズアルドのお城の中の部屋に。


そしてそれぞれの王座が転移と待機する部屋を決めてもらうことにした。


まだ、先ほど、持って帰っているカーペットも研究する必要がある。




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