対抗魔法
窓もない埃だらけの部屋に、転移してきた俺は、研究ノートをみるわけではなく、ここで座って、考えている。
他人が使っている魔法を、ゼロにする魔法?
魔法を、魔法で解除する事ができれば、たぶん、魔法は発動しない、つまり、いくら姿形を変えようとも無にしてしまう魔法。
それを、どうすればできるか?
第一に、この星では魔法を使うときには、どうすれば発動するのか?
基礎魔法のときには、自分にも魔力があるけど、他から集めると俺は言っていた。
魔力を集めるときには、今の俺は一瞬でやってしまうから、基本を忘れていたけど。
魔法を使うときには、自分の魔力から何回も使うと魔力切れを起こすのは、わかっていた。
だから、周りから魔力を集めると言うことを、俺自身も指導してきた。
ということは、どこから魔力を集めるのか?
魔力の発生もと、それは、どこから?
地中に埋まっている鉱物? それは現実に存在する。
魔力が発生するエリアがある? これもある。
しかし人が使おうとする魔法を解除するための魔法があれば最高の対抗魔法になる。
相手は魔法を発動する前に、魔法をいち早く解消する魔法を放つ事ができれば。
相手が、魔法を発動段階に入るよりも、早く解除する魔法を放つこと。
そして、
相手が発動状態の魔法を、解除する事ができれば‥‥‥
俺が、どう見えているか、自分で鏡に映して確認してみる。
鏡に映った自分が見える、俺は、魔法を発動するのを、わざとゆっくりしてみる。
今までは、早く魔法を展開することばかりしてきたけど。
理解しやすいように、見えやすいように、実行することにした。
俺が、魔法を使おうと考えると、周りの空気が変わり始める。
俺は、一度、空気の変化を見るために、解除した。
もう一度、魔法を発動状態にしてみる。
また解除した。
何回も、繰り返してみる、そうすると自分に吸引力が働いているのが、わかった。
自分に魔法を放てる魔力が集まると言うよりも吸い込んでいる。
吸い込んだ魔力を利用して、魔法をイメージしているんじゃないのか?
と言うことは、俺を殺した奴も、自分に魔力を吸い込みながら、レイチェルの姿形を作っているんじゃないのか?
それで考えると、魔力を吸い込んでいるのは、どこからだ?
そして、どこに行く?
もう一度、魔法を展開してみると、もう見えないから、俺の集めた魔力が、行き着く先を自分で確認してみる。
そうすると魔力は、自分の心臓に集まってきている、いや、心臓というよりも、心臓と中枢神経だ。
いや、待てよ、もっと細密に見てみると、心臓を中心にして中枢神経の大脳と脊髄、そして各内臓にも魔力は集まってきている。
そして筋肉にも。
なるど、ポーションを飲んだときにも、回復するのは、そのポーションに魔力があるからだ。
それを飲むことで回復したりするのは、人の構造上で必要な部分に流れていくんだ。
筋肉だけ、鍛えったって、走って息が上がるのは、筋肉のせいじゃない。
心臓がもたないんだ。
多くの奴は、筋肉だと思っているけど、その筋肉に血液を送る心臓が保つ事ができないから、息が上がるわけだけど。
それを知らない人は多い。
俺は、実際に実験をしてみることにしたので、また、屋敷に戻ってきた。
「!、な、なんだクリスかぁ、急に戻るから、びっくりするよ、それで成果はあったの?」
「うん、ちょっと実験をしたいから、みんな手伝って」
と言って全員を庭に引っ張り出した。
庭に出てきて、「今から実験するから、みんなが基礎魔法を展開してくれる?」
「うん、わかった」
「はい」
「なんだぁ、そんなことかぁ」と言いながら、従ってくれる。
全員が、練習でしている通り、基礎魔法を展開する
「おっ、みんな練習成果が出ているね」
「そりゃ、そうよ、自分でも良い感じがわかるわ」とイザベラ
「うん、そうだね」とアリシア
「なんて言っても悪魔ですから」とセラフィーナ
「ははっ、まだ気にしているの?」とシャーロット
「そりゃ、もちろんですよ」とセラフィーナ
「そうだね、初めは落ち込んだよね」とアリシア
「そうそう、なんたって悪魔ですから」とソフィア
「みなさんは、人ですから良いですけどね」とジャネット
「そうそう、私たち神獣は、昔、言われた事があったんですよ、悪魔かって」
「へー、そうなんだ」
ジャネット「はい、それは、ものすごい言われようでした。
その時は、えっと、パトリシアだったと思うんですけど、パトリシアが、変身しないで村まで行ったら、みんなに驚かれて、討伐隊までくることになったんですよ。そのときにいくら魔法を受けても剣で切り付けても効かないから、悪魔だって」
「あははっ、そんな事があったたんだ」
「ぷっ、くくく」
みんなが笑い出した。
なんだか、その時の光景が思い浮かぶな。
話が、それたので、気を取り直して、
みんなは基礎魔法を展開したままなので
「じゃ、実験してみるよ」と俺がいうと、身構えた。
「初めはジャネットからね」というと、俺は対抗魔法を行使した。
スゥーと魔法が消えた。
先ほど考えた理論通り、魔法は霧散してしてしまったみたいだ。
ジャネットが、なんだか不自然な動きをして不思議がっている。
「!、えっ、ご主人さま、何をしたんです?」
ジャネットだけじゃなく、全員が驚いている。
「さっき、考えた魔法を解除する魔法だよ」
「えっ、どうやったのよ」とイザベラ
「簡単な事だよ」
「クリスが簡単と言っても‥‥‥ねぇ」とアリシア
なんだか、アリシアまで酷いことを言う
「簡単だと言ったのは理論さえわかればと言うことだよ」
「理論?」
「そう、理論
魔法が、どうやって発動できるのか、と言う理論だよ。
みんなが魔法を使うときに、どうして魔法を使えるのか、と言う疑問を考えたんだ」
「よく、そんなこと考えたわね」とイザベラ
「そうでもしないと、奴に対抗できないからだよ」
「うっ、そうかぁ」
「俺は、やはり、あの時の二人は、研究員がウルフで、鏡の中のやつが俺を殺したやつだと思っている。
だからトリックを見つけ出さなければ、また、同じ事が起きてしまう」
アリシア「それが、今回の魔法だと言うこと?」
「うん、そうだよ」
「理論としては、魔法が、どうやって発動しているか、と言う事なんだ。
ほら、魔法を発動するときに、いつもやってる早く展開するんじゃなくて、ゆっくり展開してみたんだ、そうしたらね、わかった事なんだ」
「普通だったら、、そんなクリスが言うよりにゆっくり魔法を発動するなんて、できないよ」
「うん、俺も初めて、やった事だし、やってみてわかった事だから、要はね、魔法を発動すると、魔力が自分に集まってくるでしょ。
その集まりのは、どこに集まるのか、と言う問題を見つけたんだ」
「どこだと思う?」
「どこって言うよりも、そんな事自体、誰も考えないよ」
「そう?、でも疑問に思ったことは追求しないとね」
「本当にクリスって、すごいわね」とイザベラ
そこで全員が頷く、神獣たちまで、同じ行動をとっている。
「実際には、魔力を集めるのh、人の体、全てで集めいるんだよ。
それを魔法である一部を結界魔法で処断するんだよ」
「結界魔法で手段?」
「うん、そう」
俺が説明しようとすればするほど、みんなは疑問符を抱える。




