休養
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そして、何よりも小説を書くための励みになっています。
新たにプロローグとして1話から7話付け加えました。アルベルト編になります。
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俺たちはデューク伯爵と会うことができて、本当に良かったと思う、その理由は、加盟国でもない貴族から、俺たちのことを知っている人がいたのと、コリンの小説が、本当に売れていると評価されたから。
在庫抱えていたら、俺が秘密裏に買う羽目になるところだった。
自分のことを書いている本を買うなんて。
俺たちは、そうそろライオネル公国を経由してオーリス王国の帰ろうかと思っている。
今回は、ロードリック王子を手伝ってくれる人が多くいるので、政治もうまくできるだろうし、反乱分子はいないと思うから。
俺は王子の部屋まで歩いて行き、王子の執務室の兵士に言って、ドアを開けてもらう。
部屋に入ると、王子の執務デスクの上には、書類が山積みになっているけど、王子は、その山積みの中から顔を上げた。
「おお、クリスどの、よくぞ来られました」
「うん、ロードリック、俺たち、そろそろ、お暇いとましようと思うんだけど」
「そうですか? 残念です、ずっと、このお城で暮らしても良いんですよ」
「いやいや、それは、ちょっと」
「そうですか、本当に名残惜しいですけど」と言って王子が手を差し出したので握手した。
はぁ、これでやっと帰れる。
「あっ、そうそう、クリス様、サイラス王が言っていましたが、通信装置があるそうですね」
「えっ、サイラス王が言っていたんですか?」
「はい、我が国もクリス様を盟主として仰ぎたいので、少し落ち着いたら話を始めますので、是非とも通信装置を貸していただきたい」
「うん、まぁ良いけど」と言って予備の魔法通信装置のリンゴを異空間収納から出した。
「な、なんと、クリス様、そのような魔法も使えるのですね」
異空間収納のこと
「う、うん」
ロードリック王子は、ブラッドフォード大公国の王と少し似ている?
俺は、早々と通信装置を置いて、部屋から出てきた
さぁ、帰ろう
女性たちが帰る準備をしている部屋に入って、用意ができていることを確認して、「じゃ、行こうか?」
「はい、了解」とアリシアが敬礼した。
それを見た幼年組のエイミー、アイリス、アデルまでが、ビシッと同じ姿勢を取った。
みんなが笑いだす。
「!、ぷっ」
「あははっ」
「うふふっ」
「クスクス」
幼年組の可愛い子供たちに、お腹が苦しくなるくらい笑わせてもらって、俺たちはライオネル公国の屋敷に戻ってきた。
この海辺の屋敷で、泊まって、夜はブラッドフォード大公国の温泉に入りに行くことにした。
ちょっと、しばらくは気分転換が必要だ。
今日は、報告も兼ねて、シャーロットはオーリス王国に、セラフィーナは、自国のお城まで送っていき、俺は蜻蛉返りで屋敷にいる。
海の波の音を聞きながら、過ごすことにしたけど、良い感じだよ。
あとの報告はコリンに文章の依頼をした。
コリンに、報告文を書いてほしいというと、ぽつり「冷たいコーヒー」と言ってきたので、温かいコーヒーを淹れて、氷魔法で冷やして、氷を入れて差し出した。
あとはクッキーも
俺たちにも同じものを入れたので、全員で飲んでクッキーを食べている。
コーヒーを飲みながら、まったりしているとコリンができたよと言って報告書を持ってきて、また、目の前に座ってクッキーを食べてる。
俺は報告文に目を通して、良い文章だったので、コリンの頭を撫でてあげて、報告文を各国に送った。
説明する事がなくなり、文章の方がいいことがわかった、しかもコリンに異才があることがわかった。
普段はおとなしく、あまり話す事がないコリンだからこそ、文章がうまいので、勇者物語が人気なんだと思う。
今度、読んでみようと思うけど、変なこと書いていないか不安もある。
勇者物語と言うギャグだったりして。
物語でも、今は面白おかしく話す本はなく、ほとんどの本が本当のことばかりだから、その中で出版されたストーリーだから受けているのか?
しかも書いている人がメンバーだし、ここには勇者もいるし。
つまり伝記じゃない。 最近、起きたことを書いていると思う。
オズワルド王国も王様の戴冠式があるが、俺は参加する意志はない。
もう疲れるよ。まだ、悪人を追っていた方がいいし、あの二人のことも気になる。
ウルフの奴は、他国にいるのに、研究員と鏡の奴の事がわかっていないんだから。
これで悪事を働く奴は、ウルフと俺を殺した奴と、研究員と鏡の奴の4人になったけど、同一人物がいる可能性もある。
厄介ごとが多い。
本当の意味で体を休めたり、休養をとることが、いつになったらできるんだろう?
問題になる奴が、4人いるけど、鏡のやつは、俺を殺した奴の可能性が高い。
ということは、突然、いなくなった研究員の奴は、どこに行ったのか?
もしかして死んでいるのか? いや、そんなことはないはずだし、奴の家に行った状況の意味が違ってくる。
確かに研究員は、あの家にいた。
だから家族の人に精神魔法をかけていたんだろう。
でもウルフの奴は、違う国いた。
!、いや待てよ、俺と同じように気配を分ける分身を作れるとしたら、研究員がウルフになるけど、顔が違うのは、幻影魔法とか、あるのか?
ジャネットに「ねぇ、ジャネット、もしかして幻影魔法ってあるの」
「はい、ありますよ、幻影魔法っていうよりも、どっちかというと、本体近い魔法ですね、ご主人さまが分身体を作るでしょ、でも気配で、顔が違ってもわかるじゃないですか?」
「あっ、そうか」
アリシアが「でも、クリスの場合は、分身体で顔が違っても、なんとなく、クリスだなって、わかるのよ、あの時も‥‥‥」
「う〜ん、分身体を作っても、気配というか、何かでわかってしまうということだよね」
アリシア「うん、そう」
「ということは、ウルフの奴も分身体を作っても気配は偽ることはできない?」
「理論上は、そうですね」
「じゃ、鏡の奴を見たときも、研究員を見た時にも、ウルフや、俺を殺した奴の感じがしないと言うことは、他人?」
「普通に考えたら、そうなります」
「‥‥‥普通に?」
「はい、普通に!」
「じゃ、普通ないのがあるの?」
「はい、あります」
「えっ、それは、どう言うこと?」
「はい、普通ではありえないんですが、気配さえ偽ることです」
「気配も偽れるの?」
「はい、それができるんです」
「どうやって?」
「ごめんなさい、そこまでは、わかりません」
「あっ、そうなんだ‥‥‥」
気配も偽る? あっ、俺は以前、透明化の魔法でアリシアの横に座った時、アリシアにバレた事があった。
透明なのに。
要は、それと同じか!
透明化なら、透明になればいいと思っていたけど、人の温かさをなくすことを考えていた。
でも気配までは、考えていなかったし、そんな事ができるんだ。
「じゃ、皆んな俺が今から分身体を作るから、本当の実態を目を閉じて当ててみてくれる?」
みんなが目を閉じたのを確認して、俺は俺が考えた気配を消した分身体を10体作った。
俺は、念話で「もういいよ」と全員に伝えた。
全員が目を開けて、10体も人がいきなり増えたので、驚くが全員が俺の顔をしているから、顔を近づくてみている。
「う〜ん」
「難しい」
「どれだろう?」
という声が多くある。
アリシアだけが行動が違う。
アリシアは俺の分身体の近くで目を閉じている。
「私、この人」とパトリシア
「わたしは、この人だと思う」とアデル
「私は、こちらが、ご主人さまです」とジャネット
「ううん、違うよ、この人がご主人さまだよ」アレク
「えー、こっちが本物だよ」とエイミー、アイリス
「こっちが本物じゃ」とロゼッタ
「えー、違うよ、この人だよ」とソフィア
「この人よ」とイザベラ
コリンは何も言わない
そしてアリシアが、俺の前にきて「本物のクリスだ」と言った。
俺は分身体を解除して、アリシアに「どうして、わかったの、神獣たちでさえ、わからなかったのに」
「わかるわよ、付き合い長いし」
「‥‥‥」
「でも本当は、人の温かさ」とアリシア
「あっ失敗した、気配ばかり気にしていたから、透明化の魔法の時に考えたこと忘れていたよ、じゃ、もう一度、目を閉じて」と言って、目を閉じさせて、今度は同じ10体の分身体を作った。
今度は気配も消しているし、人の温かみも消している。
今度は、俺を当てることはアリシアでもできなかった。
アリシアが、悔しいと言っていたけど。




