表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
370/684

オズワルド王国3



誰かに意図されたと思われる夢の中から、俺は目を覚ました。


俺が目を覚ましたけど、頭は、今見たことで占められている。


「ごめん、俺、寝ていたみたい」


時計を見ると俺が寝ていた時間は、ほんの数秒


「えっ、そう、気が付かなかった」アリシア


「ご主人さま、誰かの操作の形跡があります」


全員が立ち上がって、周りを見渡すけど、なにもない。


剣を取るものまでいるけど、見つからない。


なにもいないし、見つからない‥‥‥、これが、どういうことか、なんとなくだけどわかる。


「うん、俺も、そう思う」


俺は、それ以上、なにも言わずに考え込んでいる


その時は、全員が黙って静かにしている。


誰が、それに仕掛けてきたのか?


それは今はわからない。


でも、あの感覚、何処かで記憶がある。


俺に何かをさせる、村を出るときに感じていた焦りみたいな記憶のこと。


俺が冒険者になって、急ぐ必要があった何かのこと。


その記憶に似ている。


俺を15歳の時に冒険者として親から引き離した奴のこと。


そして俺が今まで何かを急くように作り上げた国同士のつながり、全てのものがそこにある。


前世の記憶をもつアルベルトと、クリスの統合ができて、今の俺がある。


それが8歳の時だ。


今の俺はアルベルトでもないし、クリスでもないけど、全く違うものとして存在している感じが、いつもしている、俺は、それが勇者だったり、神だったりしているからだと勝手に思い込んでいた。


でも、たぶん、それも違う、全てを統合された存在が、今の俺だ。


だから、アルベルトでもありクリスでもあり、勇者でもあり、神でもある自分、それが一つに統合され始めた。


最近は、そう感じる。


今までは、チグハグだった自分が、変わってきている。


半端者から、一つの人格になってきている。


なんだ、この感覚?


しかし、数秒でも夢の中で感じた、懐かしいような感覚は、どうしてなのか、わからない。


今でも時々は、夢の中に感じることはあったけど、あれほど鮮明に感じることは、今までなかった。


一晩寝たけど、あの夢は出なかった。


今日は、デューク伯爵に会いに行く日だ。


もちろんデューク伯爵に会いに行く時は、ロードリック王子が同席するので、今は、一緒に馬車の中にいる、そして他の馬車には、なぜか、メンバー全員が数台の馬車に乗っている。


俺一人でも良いようなものだけど、どうしてか、わからないがデューク伯爵の要望らしい。


俺とロードリック王子だけが、同じ馬車に乗っているので、なんだか、気まずい。


ロードリック王子が「クリス様は、今まで、多くの国家的な事件に関わっておいでですよね」


「うん、たまたまね」俺は、あまり気乗りしない返事


「初めは、確か、オーリス王国の戦争になる話からでしたか?」


「いや、その前に、国王暗殺事件があったから」


俺は隠すことではないし、どうも俺の知らないところで、俺の勇者物語りが出ているらしい。


それも、かなりの本が売れて、在庫がないと言う話だ。


つまり大ヒットになっている。


俺の国だけじゃなく、隣国や、ここにも数は少ないと思うけど流通していると思うし、多分、ロードリック王子は本から知っているんだと思う。


一度、その本を読んでみないといけないと思うけど、実は、その本を書いているのは、なにを隠そう、コリンだった。


著者コリンで、タイトルは勇者物語りという話らしいけど、コリンから、書いて良いかと言われた時に、適当に良いよって言ったら、大ヒットになったそうだ。


まぁ、メンバーが書いているので、大嘘は書かないと思いたいけど。


今やコリンは有名作家になっているから、文章を書くのが上手い。


あの、いつも押し黙っているコリンが、有名作家かぁ


なんだか、信じられないけど、それで、かなりの収入をえているので、実家に送る分を増やしたけど、多くすると親が働かないということで、、今は減らしているそうだ。


兄弟の甘やかすと良くないと言うことで、お金も、小遣いもやっていないと言っていた。


ソフィアのうちも、俺が毎月、お金を払っているけど、自分も貴族になったから、多くは要らないからと、言って俺が預かっている。


うつのメンバーは、全員が俺が給金としてお金を出しているし、仕事では、俺がお金を払うことになっているから、あまり使うことはない。


暮らしも屋敷にある部屋があるから。


「クリス様は、大魔法使いなんですよね」


「そうでもないよ、できないこともあるし」


「えっ、そうなんですか?」


「そりゃそうだよ、俺だって人間だから、全知全能じゃないんだから」


「でも噂では、勇者と13人の悪魔、という二つ名がついているそうじゃないですか」


「それは普通に見える女性たちが強いから、俺が女性使いのように思われているからだよ。そして、そのことをメンバーの前で言わないでよ」


「もちろんですよ、言いませんよ」


「でも女性たちが強いのは、確かだよ、うちのメンバーの女性たちは、剣士よりも魔法使いだからね、でも魔法使いだからといって、侮ると大変な目に遭うよ、その理由はね、魔法で剣を跳ね返すくらい魔法力が強いからね」


「へー、そうなんですね」王子の顔色が青ざめている。


「うちの女性たちは、いつも俺の指導を受けているから、女性らしさを失うことなく、鍛えているから、そうは見えなくても、戦闘技術は、すごいよ」


「そ、そうなんですか」


「うん、そして女性メンバーの半数は空を飛べるし、瞬間転移もできるからね」


神獣たちのことだから嘘ではない。


たぶん、この国で、一番、筋肉に自慢の人や、魔法使いでも、うちのメンバーには足元にも及ばないよ」


「そ、それは怖いですね」


「怖いんじゃなくて、頼もしいんだよ、俺たちが、今、言えないけど、一つの事件を追っているけど、それには個人の強さが必要なんだよ」


「それほど大きな事件を抱えているということですか?」


「うん、そうだね」


「 私の知らないところでも、そんな大きな事件が起きているんですね」


「うん、まぁ、そんなところ」


「 だから多くの国を行き来して、いろいろなことを解決しているわけですね」


「‥‥‥」


「クリス様は、盟主だと聞いています」


「ああ、そんなことも言われているね」あんまり話したくないんだけど


「うちも加盟することはできますか?」


「えっ、加盟するの?」加盟すると、また厄介ことが増えるから‥‥‥


「ええ、ぜひ」


「あっ、そう、じゃ、話すことをしないと、他の加盟国がいい返事してくれると良いかな」


「はい、よろしくおねがいします」


もう、俺がイヤイヤ答えているのに‥‥‥


空気読まない奴、まぁ、仕方ないか、もし、今回の事件が、ウルフともう一人の策略だったら、という思いある。


結局は2人が絡んでいるかどうかもわからなかったけど。


しかし今回の事件は、不発に終わったんだと思う。


あ〜あ、もう、このまま帰りたい。


大体、デューク伯爵が出向くのが筋じゃないかな。


俺たちが乗った馬車が、デューク伯爵の元についた。


俺たちは門番に、来たことを伝えてもらいながら、屋敷の門をくぐった。


そして玄関に到着して、階段を登っていくと、階段の両横には、多くの兵士や騎士と思われる人やメイドや料理の洋服を着た人や、侍女まで並んでいる。


なんだ? この騒ぎは?


両横の人が、なんだか、アイドルを見るような目で俺たちをみている。


キャ〜ソフィア様とか、アリシア様、かわいいです、とか、ジャネット様、かっこいいです、とか、イザベラ様、キレイとか、セラフィーナ様、こっち向いてくださいとか、シャーロット様、可愛すぎますとか、エイミー様〜とか、アイリス様〜とか、アデル様とか、アレク様とか、名前を知っている人が多い、なんだか、すごい熱気だ。


使用人と思われる人でも、すごい熱気だ。


その騒ぎで、門のところに多くに人が並んでいる。


内側には入れないけど、塀の上に登ったりして、すごい騒ぎになっている。


一番、多い声は俺とコリンだ。


コリン様、ステキ、とか言われている。


やはり、これも本の影響か?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ