魔物大量出現9
しかし、ライオネル公国の密林に瘴気が出るように箱を設置したのは、誰なのか?
そして、それを人の力だけで作ることができるのか?
しかし、箱の中に瘴気が入っていると思うと、ゾっとする。
今までは、ドス黒い瘴気は、あの二人以外は見たことがないから、確定とは言えないけど、確率は高い。
しかし、まだ、決まったわけじゃないから、他の奴の可能性もある。
俺は、ライオネル公国から、もらった屋敷に寝泊まりして、買い物も済ませた。
今日は、女性たちは、夕食を作ってくれるそうだけど、俺は自分の部屋で、検索魔法を展開してサーチをすることにした。
検査するのは、オズワルド王国の実験室と研究員と、ライオネル公国の密林に置かれた箱だ。
研究員は、今日は家にいるみたいだけど出かける準備をしている、実験室も人がいない。
まぁ、今日は、オズワルド王国も、魔物が攻めてきて大変だったから、だと思ったが、研究員を確認してみると、夕方なのに家を出たことが確認できた。
研究員が、家の外を歩いて城の方に行っている。
何かをするのか?
俺は、研究員の動きを追うことにする。
研究員は、まだ王都を歩いている、そして食べ物を買っているけど、家を出て食べ物を買いに来たのか?
しかし店を出ても、家の方向には向かわない。
どっちかというと、城の方に歩いている。
しばらく、研究員の足取りを追っているとアリシアが「クリス、ご飯できたけど、今、大丈夫?」と声をかけてきた。
「うん、今、いくよ」と言って、扉を開けた。
扉を開けると、エプロンをしたアリシアが立っていた。
「じゃ、いくよ」とアリシアが先導して通路を歩いていく。
エプロン姿のアリシアも良いなと思っていると、アリシアは、ミニスカートにエプロンをしていた。
エプロンよりも、ミニスカートの方が短い。
なんだか、男の欲望、そのままのスタイルをしている。
その姿ばかり見ながら歩いていたら、突然、足の運びが止まった。
上を見上げるとアリシアがこちらを振り返ってみていた。
「もう、クリスったら、下ばかり見ないの」と アリシアは顔を赤らめながら言った。
アリシアはあー言ったけど、見ずにはおれないような光景だったが、もう階段のところまで来たので、見えなくなってしまった。
階段を降りて、食堂に来ると全員がエプロンをして、お皿を並べたり、料理を運んだりしていた。
俺は、いつも座る椅子に腰掛けて、女性たちの動きも見ている。
しかし、そこに終わりが近づいてきた。
その終わりとは、研究員の奴が、研究室に入ってきたけど、あとから2度、合ったオズワルド王が研究室に入ってきた。
あらかじめ王と研究員は時間の約束をしていたのか?
上階にいる王様が、下に降りてくるなんて、滅多にないこと。
それこそ、数十分でも歩いたり階段を降りる必要があるから。
研究室があるのは、地下にあるから、降りるだけでも大変だから。
そこで、王と研究員が話をしているというよりも、怒られているみたい。
「キサマ、あれほど注意しろと言っておいたはずだぞ」
「申し訳ありません、手違いが起こりまして」
「手違いだと?」
「はい、本当は、設置した者によりますと、魔物の湧出量が考えた以上に大きなかったということでございます。設置した者は、箱を言われる場所に置いただけであり、置いて、すぐに魔物が大量に出てきたそうです」
「そんなに、すぎにか?」
「はい、報告によると、5人の部下を派遣したんですが、二人は魔物に殺されました。あとの3人も怪我を負いながら、帰ってまいりました
まさか、、ここまで魔物が来るとは、考えてもいませんでしたし、あのお方も、言っていませんでした」
「そうか、あのお方も言わなかったのか?」
「はい」
あのお方? 誰のことだ?
でも、やはりオズワルド王と研究員が深く関係しているのは、間違いない。
これでオズワルド王の指示は確定した。
さぁ、オズワルド王を、どうするか?
今は食事時だから、と考えたら、全員が用意を終えて、座って待っていた。
「あっ、じゃ、食べようか?」
「うん、いただきます」
「このカレー、美味しいね」
「あっ、それはジャネットとロゼッタと私の二人の担当」とアリシア
「このサラダもちょうど良い味付けだね」と俺が言うと
「それはね、ソフィアと作ったんだ」とイザベラ
「この茹で卵もよくできているね、半熟で、美味しいよ」と俺が言うと
「それはね、パトリシアと作ったんだ」とコリン
と話していると、また、オズワルド王と研究員の会話が耳に届いた。
別の研究員が部屋に慌てて入ってきて「王様、また、魔物が出たそうです」
「何、今度は、どこだ?」
「それが、その‥‥‥」
「なんだ、早く言え」
「はい、魔物は王都の塀の中に出ました」
「なに!」
「はい、この近くです」
「それで、数は?」
「およそ、100体以上です」
「数が多いな」
「今、街では大騒ぎになっています。いかがいたしましょうか」
「うーむ、困った、すぐに騎士と軍を出動させろ、休みの奴も、緊急動員しろ」
「俺は、あのお方に連絡をとってみる」
と言ってオズワルド王は研究室を出て行った。
「まったく、なんて日だ」とブツブツ言いながら歩いている。
俺は食事をしながら、マークしている王を追っている。
モグモグ食べながら、俺の行動を妨げる人はいない。
よっぽど俺が腹が減っているのかと思っているのか。
俺は、研究員の行動を追いかけながら、オズワルド王の行動を気にする。
そして俺は、食べながら「今、お城の中で動きがあったから、それを追っている」とだけ話した。
全員が、何も言わない。
「やはり、城に実験施設があって、王が指示を出しているけど、王は何者かの指示を受けている形跡がある」
モグモグ、水をゴクゴク
水と食べ物を飲み込んで「今は、王が、何者かに尋ねるために、歩いているところだ」と話した。
王は、どこまでいくのか?
かなり城の上まで階段を登ってきたぞ。
ここに指示する奴がいるのか、しかし気配を確認しても、そんな奴はいない、警備をしている騎士と兵士と文官が大量にいるのと、王妃と王子らしき人物と子供がいる。
王子のところにいくのか?
まだ、王は階段を登り切って廊下を歩いている。
「まだ、王は廊下を歩いている」と俺は、検索魔法でサーチしていることを説明する。
そうすると、ある扉の前で王は止まって鍵を出している。
その鍵を鍵穴に入れて回るとガチャと音がして、鍵が開いた。
王はドアノブを回して、扉を手前に引いた。
そして中に入るけど、その部屋には、人はいない。
なんだ、ここで王は、何をするつもりだ。
王は部屋の中に入り、扉を閉めて、鍵をかけた。
王は扉に背を向けて、部屋の奥に入っていく。
部屋の奥にある、もう一つの扉を、また、鍵を出して開けて中に入った。
この部屋は、倉庫のような感じがするけど、人が隠れている気配はないんだが‥‥‥
王の行動が読めない。王は何をするつもりだ?
王は部屋の奥まで行き、そこに置いてある物の目まできた。
そこにかけてある布をとって、話し始める。
話しているのは、古い大きな鏡だ。
「ご主人さま、ご主人さま、聞こえますか?」
王は名前を言わない
鏡に変化が現れる
その鏡に映ったのは、30代くらいの男性だ。
誰だ? 顔に見覚えがない。




