神獣と戦争3
今、俺たちはオーリス王国に滞在している。
この前の通信会議で、俺のことを全部の国にバラされてしまった。
しかもシャーロットに!!
もう、ほんとうに嬉しそうに言うもんだから、怒れない!
俺としては、まだ話す気はなかった。
突然、シャーロットが会議の終わり際に前に出てきて、話し出すから、躊躇してしまい、そのままにしておいたけど、あとでテーブルに突っ伏してしまい、落ち込んだ〜。
全員が、部屋を去り際、、俺の頭をポンポン叩いて出ていったけど。
最後にシャーロットが、「だってクリス様、称号がつくだけでも、すごいのに、ついた称号が勇者ですよ、とても以前のクリス様だったら、ウソーと思いましたけど、修業から帰ってきたクリス様なら、当然と思ってしまい、嬉しくて、つい‥‥‥いっちゃいました、えへへっ」
シャーロットの顔が締まらない顔になっている。
「俺って、そんなに変わっている?」
「ええ、もちろん、変わりすぎですよ」
「そう?」
「たった、2ヶ月ですよ、どうして、そんなに変わるんですか??」
「‥‥‥」
「普通なら、修業に行く前は、クリス様は私より身長が低かったじゃないですか」
「そうだったね‥‥」
「それがですよ、帰ってきたら私より、身長が伸びているじゃないですか」
「‥‥‥」
「体つきも逞しくなっているし、嬉しいじゃないですか」
「何が?」
「だって、こんな人が私の夫となるんですよ」
「まだ、決まっていないけど‥‥‥」 俺はなんとか、逃れようとしたけど‥
「しかも夫となる人が勇者ですよ」
「うん、そうみたい‥‥‥はぁー」ため息が出る
「その上、救世主だなんて‥‥‥はぁ」シャーロットが夢見る少女になっている。
と言いながら、俺が机から顔を上げると、シャーロットが急に唇にキスしてきた。
「クリス様から待っていたら、一生してもらえませんから、私からです。今のキスは、私のファーストキスですからね」
シャーロットが、きゃーと言って顔を真っ赤にしながら、部屋を出ていった。
突然のシャーロットからのキスには驚いたけど、会議の精神的なショックの方が大きい。
俺は、また、テーブルに頭を突っ伏した。
そこにアリシアが入ってきた。
「シャーロットなんだって?」
「うん、嬉しかったからって、キスされた」俺は顔を上げてアリシアの方を向く。
「えーっ、ほんとう?」
「うん‥‥‥」
「シャーロットやるわね」
「じゃ、私も‥‥‥」と言ってアリシアも唇にキスしてきた。
「頑張ってよ、私の勇者様‥‥‥」
「アリシア、ちょっと聞きたいんだけど」
「えっ、急にキスしたこと?」
「ち、ちがうよっ」
「俺って、修業に行く前と、今とは、そんなに変わっている?」
「えークリス、気がついていないの?」
「‥‥‥うん」
「まぁ、鏡を見たことがあるから、体つきはしっかりしてきているなと思っていたけど」
「ううん、それだけじゃないよ、雰囲気まで変わってきているから全然違う、、うちの女性たちにも、すごく人気だよ」
「えっ、そうなの?」
「やった〜」
「ク、リ、スー」
「まぁ冗談だよ」
「わかっているけど」
「クリスって女性、苦手でしょ」
「‥‥‥うん」
「なのにメンバーが女性ばかり‥‥‥」
「‥うん、ちょっと」
「俺って、村にいた頃に、男しかいなかったんだよね」
「ちょっと、私が居たでしょ」
「アリシアは、昔から男みたいだったし」
「スカート履いているのに、平気で木に登るし」
「あ〜見てたのね〜」
「だって上見たら見えるよ」
「もう、クリスのエッチ」
「昔のアリシアって、本当、おてんばだったよね」
「あ〜話、切り替えたわね」
「そうね、私の両親は魔物に襲われて早く死んじゃって、私がしっかりしなきゃって思っていたから、クリスを鍛えなきゃってばかり思っていたから」
「あの時は、怖かったね、俺もアリシアも死んじゃうって思って、でも痛くて痛くて‥‥‥必死だったんだ」
「アリシアは気絶していたから覚えていないと思うけど、俺、どうしたらいいか、わからなくなちゃって、
その時なんだ、急に変わり始めたのって
急に頭が冷静になってきて、魔法が急に使えるようになったんだ」
「へぇ〜」
「でもな〜、私が守ってあげなきゃって、いつも、思っていたクリスが、今は、勇者かぁ」
「なんだか、信じられないね」
「一番、信じられないのは、俺の方さ」
「そうだよね」
「でも、私は、信じているから、クリス」と言ってアリシアは、もう一度、キスしてきた。
そして部屋から出ていった。
入れ替わりに、ソフィアが入ってきた。
今日は立ち替わり女性が入ってくるな。
「ソフィア、どうしたの?」
「うん、ちょっと、クリスが落ち込んでいたから、様子を見に」
「そうなんだ、ありがとう、ソフィア」
「あ、あのね、クリス、私も、クリスが勇者になっていることが、ほんとうは、すごく嬉しかったの」
「うん」
「だからシャーロットのことは許してあげてね」
「うん、もう大丈夫だよ」
「‥‥‥」
「?????」
「あの〜、私も嬉しかったの」
「うん、さっき聞いた‥‥」
そしたら、急にソフィアが俺に顔を寄せてきて、唇にキスした。
ソフィアが俺に近づくこと自体、今まで、なかったのに。
ソフィアにキスされたことに、俺は驚いている。
だ、だって、いつもは、ソフィアはお姉さんという感じで接していたから‥‥‥
ソフィアは恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら部屋を出ていった。
それからも続くと思ったでしょうけど、今日は誰も入ってこなかったよ。ふうー




