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神獣 6

俺は、以前から気になっている神獣の唯一の男のことを聞いてみることにしたけど、本当によく考えたら神獣は友達でもなく、利用して良いもんじゃないと思う。


俺は地下の魔法書で見つけた神獣たちを呼び出してきたけど、よく考えていなかった。


神獣たちには、何か俺たちには言えないことを持っているような気がしている。


最近は、神獣たちの俺を見る目が気になっていたけど、勘違いだろうと自分で納得していた。


いや、そう思おうとしていた。


そろそろ、その疑問を聞いてみなければ、いけないような気がしてメンバーを全員、集めて、神獣たちを俺の周りに来てもらって、話をしてみることにしたけど‥‥‥


「みんなに聞きたいんだけど」と神獣たちを見渡しながら話し始める。


「前、君たち以外の8番めの神獣がいるって言っていたよね」


「うん、言った」アレク


「それで‥何が聞きたいの」アデル


「実は、俺は以前から感じていた胸騒ぎみたいな懸念があるって話したことがあると思うんだけど‥‥」


「うん‥‥」パトリシア


「今でも、その懸念は収まっていないし、余計に高くなってきているんだけど」


「ふーん、そうなんだ」アレク


「それで、8番めは、以前、聞いた話だと男だと言っていたよね」


「うん、そう、私たちの中でも唯一の男だよ」アレク


「その男の神獣が、何か関係して、ことが起きるの?」


「ご主人様、今は、そのことは確定していないから、話すなって言われているんのよ」ジャネット


「えっ、誰に??」


「それも、言えないんじゃ」ロゼッタ


「ある人から、ハッキリするまで、何も話してはならないって言われているんだ」パトリシア


「へぇー、そうなの?」


それきり、全員が黙ってしまった。



「じゃ、話を切り替えるけど、答えられないなら、答えなくて良いから」と俺はやむなく告げたけど、本当は、話して欲しかった。


「君たち、神獣は、いつも、この現世にいるの?」


「ううん、今回は特別だよ」アレク


「えっ、特別?」


「そう特別」ジャネット


「私たちは、人の魔法使いが召喚術で呼び出そうとするんだけど、それに呼応することはないの」ジャネット


「そうだね、必要とされる時期まで、私たちは眠って時を過ごしているか、交代で現世に出現して時の流れを見張っているかだね」アレク


「時を見張る?」


「そう、時を見張るの」アレク


「時っていうのは、時間?」


「ううん、違うよ、時代の流れ、全部かな?」アレク


「いつもは、私たちは、あるところで眠りについているの」ジャネット


「ほら、ご主人さま、召喚もしていないのに、ジャネットとアデルは現世に出ていたでしょ」


「そういえば、ジャネットは召喚しようとしたら、しばらくして飛んできたよね」


「そうね」


「じゃ、もう、現世に出現していたと言うことだよね」


「うん」


「あっ、もしかしてアデルも、初めから居たって言っていたよね」


「うん、アレクお姉ちゃんと同じ頃からいたよ」


「と言うことは、今回は、見張りについていたのが、ジャネットとアデルと言うこと?」


「そう言うことじゃな」ロゼッタ


「普通は、見張りは私たちの中で一体の場合が多いんだけど、今回は特別だって、ある人が指示したんだよ」パトリシア


「そのある人っていうのは?」


「それは、私たちの口からは言えないんだ」アレク


「‥‥‥そうなんだ」


「うん、ごめんなさい、愚主人様」ジャネット


「でも、ご主人様ならって、私、思うんだ」


「えっ、なにが?」


「それの言えないし‥‥‥」





今ここには、アレクとロゼッタとパトリシアとエイミーとアイリスとアデルとジャネットがいる。


そして他のメンバーも揃っている。


「そういえば、男の神獣のことを、もっと聞きたいんだけど、その神獣は火口に身を投じて死んだって言ったよね」


「うん」とジャネットが答えてくれる。


「その神獣は今でも死んでいるの?」


「わからない」


「神獣っていうのは、一度、死んだら生き帰らないの?」


「そんなことないよ、しばらくすると生きかえるよ」


「じゃあ、今は死んだままなんだよね!」


「わからないんだよね、死んで復活するときには、ちょっと違った形で復活する時もあるから」


「違った形って?」


「例えば、以前は、この波動していたから、わかるんだけど、 生まれ変わるときには違った波動になるんだよね」


「私たちって、一度、死んでしまえば、全く違う獣に生まれ変わる時もあるの」


「つまり死んでも魂が、違う肉体にはいる場合もあるから」とジャネット


「私たちって、神獣って呼ばれるけど、8つの魂が本体なんだ」


「だから、魂の知り合いと言うこと」


「魂!」と俺


「えぇ」


「心中の私たちって神様が作るんだよ」


「えっ、そうなの?」


「うん」


「だから神が作った獣、ということで神獣なんだよ」


「単純な呼び名じゃないんだ」


「うん」


神獣として8つの魂があって、その魂が、それぞれの肉体に入ると言うことで神獣が生まれる。


だから猪顔が死んだとしても、猪として再生される事は少ないそうだ。


だから自分から死のうとして死んでしまえば、再生されるときには、違ったものに再生してくるそうだ。


男の神獣である、イノシシの奴の気配がわからないと言うことらしい。


なるほど!


神獣と言うのは、自分から死なない限りは、不死身だと。


いちど死んでしまった神獣は、同じものになる可能性もあるけど、別のものとして生まれ変わる。


本当に神獣と言うのは特殊なものなんだな!


さすが神が作った獣だ。


そういえば魂で生まれ変わってくると言っていたけど、「魂の強さで実体化したときの強さに匹敵する?」と聞いてみた。


「その通りだね」


「じゃぁ、死んだ猪顔は、もしかして強いの?」


「うん、最強かな?」


「私たち、一人一人だと勝てないかも?」


「へー、そうなんだ」


「実際には、私たちは戦ったことがないから」


「誰がつよいなんて、今まではあまり関係なかったから」とジャネット


「そうだね、そういうことがなかったからね」とアレク


「でも、単純に気の性質の問題から言えば、死んだ猪顔は、ちょっと違うような気がしたから」とジャネット


「でも、私たちの中で1番つよいのは、そこにいるアレクだよ」


「そうそう、アレクは昔から聞き分けがなかったし、やんちゃだったし」とパトリシア


「もう昔のこと言わないでよ、今は違うよ」とアレク


「でも、私たちの中で唯一男だし」とアレク


「そうだね、やつは要注意だね」とジャネット



なんだか怖いことになったような気がする。


猪顔が復活していなければいいが!



今度、早めに猪顔の神獣を召喚してみようかなと思う。


嫌な予感がしてならない。


以前から感じていた神獣たちへの、不安感は、この事だったのかもわからない。


「もし猪が復活していれば、誰にも呼ばれていなければ召喚魔法に応じると思うよ」とジャネット


「でもエイミーたちが呼ばれて、奴が応じなかったと言う事は、復活していないのか、誰かに召喚されたか、どちらかだよ」


何だか、怖いことになった。



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