迷宮へ 4
3人に、裏切られたままではと思い、「僕たち4人で倒した」と言いながら3人、全員を指差した。
パトリシアが食べ物を喉に詰まらせて、むせていた。
アレクはならない口笛を吹くこうとしていたが、吹き出して本当に少しだけ音が出た。
ロゼッタが寝たふりをしていたが、横に倒れ込んでいた。
「どうして言うのよ」とアレクから攻められたが、嘘はいけないよと言っておいた。
3人とも、頬を膨らましている。
迷宮では何があるか分からないので、死んだ人の遺体を持ち帰る事は危険が伴うのでできない。俺の転移の魔法があるからできないことはないけど、死体は入れたくない。
冒険者は一攫千金を期待して覚悟して潜っているわけだから。
死亡した冒険者はかわいそうだが、俺たちは出現した宝箱の前にきた。
宝箱の前には鍵も落ちているので、鍵を拾って開けてみる。
宝箱の蓋を開けてみると、中には金銀財宝が‥‥‥入っていなかった。
そこにあったのは錆びた刀だけ。
「ウゲー、なにこれ」とアレク
「汚い」とロゼッタ
「こんなもののために、冒険者は死んだのかしら」とソフィア
あまりにも、ひどい言われようなので、俺が錆びた刀を手に取り、掴もうとした時に、神獣たちは、なぜか顔を見合わせた。
手で錆びた刀を持ってみたが、翳しても何も変哲もない刀だけど‥‥‥なんだか、違和感を感じる。
なんで錆びた刀がお宝箱に入っているのか??
誰かが、もう宝箱のお宝を先に取ったんだろうか??
そして、持っていた刀を置いて時間が経ったから錆びたとか??
どうして、なんだろうか?
神獣たちの顔を見たら、気になるくらいの顔つきをしている、なんだろう?
俺が、刀を持つ位置を変えるために持ち直した。
持ち直した瞬間に刀が、俺の手に吸い付くように馴染み出した。
数年も同じ刀を持っているような馴染感がある。
なっ、なんだ、この刀
皆んなから少し離れて刀を振ってみた。
刀を振った瞬間に、一瞬でサビが取れて刀身が現れた。
すごく光っていて、磨いたあとのような刀になった。
アレクが近寄ってきて「ご主人様、ちょっと刀に魔力を流してみて?」
と言ってきたので、俺はアレクが言う通りに、刀に魔力を流してみた。
そうすると、青く光り出した。
アレクは「やっぱり‥」と訳のわからないことを言っている。
ロゼッタは「うん、そうじゃな」
パトリシア「うん、やっぱりだ、ご主人様で間違いない」
他の二人までが、同じようなことを言っている。
「何が、やっぱりなの?」と聞いてみるが
「そのうち、わかるよ」というアレク
なんだか、意味深なんだけど‥‥‥
それ以上、アレクは何も言わなかった。
新品のように、磨きたてのように感じる刀は、俺が数年来持っていたような感じがある。
俺は刀を握る手に感じていたことがあるが、これは、俺の刀だと思った。
それは、どうしてか、わからないけど。
なぜだか、そう感じる。
俺が、そう思っていると
ロゼッタは、「この刀は、魔法使いだけが持つことができる選ばれた刀のようじゃ」
アレクは、「うん、そうだね、まるでクリス専用の刀みたいだね」
パトリシアは、「私たちの目から見ても凄さがわかるくらいの刀だけど、それだけじゃないみたいだよ。」
俺は、「えっ、どういうこと?」
パトリシアが続けて、「たぶん、クリスの力を数倍にしてくれると思う。」
アレクが、「そうだね、見たところによると、クリスが、1の力を使おうとすると、この刀を介して使えば数倍以上になるみたいだよ」
ロゼッタが、「そうじゃな、刀を手に持たなくても、身に付けているだけでいいんじゃないかな?」
俺が「なんだか、すごい刀が手に入ったけど、俺がもらっていいのかなぁ?」
アリシアが「もちろん、クリスしか使いこなす事はできないよ」
ロゼッタが、「そうじゃな、クリスの刀みたいじゃ」
アレクが「そうだよ、遠慮しないでもらえばいいよ」
と言ってくれたので、「じゃぁ、この刀は俺がもらうよ」
と言って刀をもらうことになった。
俺は今まで刀を使う戦いをしていない。
ほとんどが魔力で解決してしまうからだけど、この刀を使うことできるのではなく、魔力が増加するみたいだから今までと同じ使い方ができるなぁ。
今度試してみよう、楽しみだ。
考えていたら、シャーロットがもじもじしだした。
俺が「どうしたの?」
シャーロットは、「ちょっと……」
そこで恥ずかしそうにしてアリシアが割り込んで、「一度、外に出ない?」
「いいけど?」
俺が刀に集中していたので、気がつかなかったが、もう数時間後、たっていた。
何となくわかったので、俺は、ブラッドフォード大公国の山際にある屋敷に転移した。
女性たちは、急いでどこかに行った。
トイレを我慢していたみたいだ。
俺も、刀をみようかと思っていたけど、トイレに駆け込んだ




