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ゴブリン襲来

俺たちは村からゴブリンの討伐依頼を受け、その村に到着した。


そして、ゴブリンが出るのは夜ということで、その時間まで村を見て回ることができた。


夜になり、畑にやってきて、ゴブリンが出るのを待つことにした。


しばらく木や物陰に隠れて待っていると、ゴブリンが11匹近づいてきた。


その中の5匹は棍棒を持っていた。


ゴブリンが近づいてきているのは、ソフィアとイザベラがいる物陰の方からだ。


まだ、隠れている場所からは、暗闇もあって見えてこない。


ソフィアもイザベラも同じ方角ではなく、違う方角の森を見ているけど、まだ気が付かない。


俺は急いで、ソフィアとイザベラに合図を送るが、2人とも森ばかり見て、俺の方を見ていない。


特にイザベラは俺を嫌っているので、全く見てもいない。


今、大声を上げても、ゴブリンどもに気がつかせるだけだ。


気がついたゴブリンどもは、急襲するだろう。


ゴブリンは動きが俊敏なところもあり、飛び跳ねたり、横への動きもいい。これ以上近づくなら、注意する必要がある。


そしてゴブリンは女好き。


小声でコリンに「コリン、風に注意して」とだけ、言って魔法の発動に入る。


コリンは俺の顔を見ているけど、何も言ってこない。


これ以上、ゴブリンどもが接近するのは危険だ。接近する前に魔法のウィンドカッターを発動する。真っ直ぐに飛ばすのではなく、カーブをつけて叩きつける。


横にいあるコリンの洋服がすごい勢いで動いている。


近づいてきたゴブリン3匹に、俺が発動したウインドカッターが襲いかかる。


ウインドカッターが飛んでいくところの草が、激しく揺らいでいる。


「グァ〜ッ」


3匹のゴブリンは、血を流しながら倒れる。



その時初めて、暗い森から近づくゴブリンに、ソフィアとイザベラが気がついた。


2人とも立ち上がり、腰から剣を抜いてゴブリンに走っていきながら、剣で切りつける。


俺が放ったウインドカッターで、コリンは、突発的に吹いた風で、体が前に倒れそうになりながらも、剣を抜いてゴブリンに向かって走り出す。


あとゴブリンは、8匹だ。


先ほど倒した3匹の中に棍棒を持ったゴブリンはいなかった。


ゴブリンの爪や凶悪な歯も危険だが、棍棒も危ない。

ものすごい勢いで棍棒を振るってくるからだ。


ソフィアがゴブリンを剣で1匹倒した。

コリンが横から襲ってきたゴブリンを1匹倒した。


俺が、またウインドカッターを発動させて、4匹のゴブリンを横殴りに倒した。

棍棒を持ったゴブリンを1匹イザベラが倒した。


最後に残ったのは、棍棒を持った一回り大きなゴブリンだった。

このゴブリンは、この仲間のリーダーみたいだ。ゴブリンは大きく吠えた。

「ぐあ~」

まず先陣を切ったソフィアが、ゴブリンに剣を振り下ろしたが、ゴブリンには致命傷になるような傷は残らず、浅い傷をつけただけだった。


ソフィアは、ゴブリンに傷をつけはしたものの、自分も棍棒に当たって少し殴られた。


ソフィアが吹っ飛んで行って木に当たり、そこでぐったりした。少し頭から出血しているようだ。


それを見たコリンとイザベラは、焦ってゴブリンに切りかかっていた。


俺もソフィアが棍棒に殴られて吹っ飛んでいくシーンを見て、慌てた。


隠れているばかりじゃ救えない。


同じことを繰り返すのか。


もう、どうとでもなれ!

俺は急速に魔力を集めて、コリンとイザベラに殴りかかろうとしているゴブリンの棍棒を、ウィンドカッターで吹っ飛ばした。


コリンとイザベラが驚いて見ている。


俺は魔力を急速に集め始めた。


俺の周りは異様な空間になりつつある。


久しぶりの戦闘に、濃密な魔力が渦を巻き、急速に集まり始めている。

俺は炎の魔法でファイヤーランスを作り出した。


それをゴブリンめがけて発射した。


ぎゃー、大きな声を発しながら、炎に包まれたゴブリンが、もがき苦しみながら地面を転げ回る。


ゴブリンが炎に包まれたのをコリンとイザベラが見て、驚愕の表情を浮かべた。


驚愕の表情を浮かべながら、こちらを振り返った。


2人の表情は、異質なものを見る感じだった。


この表情は、前世でも見たことがある、なんだか顔から汗が出るような感じだった。


そんなことを気にしている暇もなく、最後に残った炎に包まれたゴブリンに近づいていく。本当に死んだのか確認しなければいけない。


コブリンは非常に厄介で、油断ができない。


死んだふりをする知識もある。


俺は近づくと、まだ燃えているゴブリンの死を確認した。

そして戦いの場から意識を引き離し、木に倒れているソフィアの方を確認してみた。


まだ息があるみたいだ。


多くの血は流れ出ているけど、目が虚に開いている。意識があることを近づいて確認し、2人に見えないようにして治癒魔法を使った。


「ヒール」


治癒魔法を使った瞬間に、ソフィアの体が光を発した。

瞬く間に、みるみる顔色が良くなり、意識が戻りかけた。


後ろからコリンとイザベラが近づいてきた。

俺はソフィアから少し離れて、コリンとイザベラに譲った。


ソフィアを見ていた2人が、同時にこちらを向いた。


俺は、なんだか嫌な感じがした。

これからどういう展開になるのか。何か言い訳をしなければいけないのか!


手汗や体中から、戦闘でもかかないような、すごい汗をかいていた。


俺からは、先に口を開くのはやめた。

何を説明したらいいかわからないし、何を言ったらいいかわからないから。


ゴブリンをやっつけるよりも、こっちの方が難しい。

どう説明するか、または、ごまかすか!



感想、ブックマーク、評価ありがとうございます。


励みになっています。


誤字脱字がありましたら申し訳ありませんがお知らせ下さい


読んでいただきありがとうございます。


これから、どんどん面白くなりますのでよろしくお願いします


アルベルトの活躍が始まっていきます

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