迷宮へ
国交樹立や友好国に参加するか、しないかは話し合いを行わなければいけないので、しばらくの時間がかかるので、俺たちメンバー10人でリッチェスト国の迷宮に潜ることにした。
リッチェスト国は迷宮が多く存在しているので、初心者用の迷宮から、かなり困難と思われる迷宮まで、いろいろ存在している。
「迷宮に潜るなんて初めてだけど、迷宮って、どうしてダンジョンっていうんだろう?」
「知らな〜い」アレク
「‥‥‥そう」
迷宮の多くは、国が管理しているので、国の機関に聞いて、どの迷宮に潜るか判断ができる。
迷宮を管理している国の期間に出向いて、情報を聞くことにしたけど、本当に、この国の迷宮は数が多いみたい。
係官の人に事務所で説明を受ける。
「例えばですね、ここに迷宮があるんですが」
俺たちは全員で、地図を覗き込む。
「迷宮には、地下に向かう迷宮と、塔を登っていく迷宮があるんですよ」
「へー」
「この迷宮は、下に向かっていく迷宮なんですが、特殊で変わっていて、地下2階までは、初級レベルの迷宮なんですが、地下3階からは最上級で最困難な迷宮になるんですよ」
「へ〜、変わるんだ」
「だから初級の冒険者が、1階と2階までが簡単だということで、地下3階まで行って帰ってこないこともあるんです」
「危ないねっ」
「うん、ほんと」
「そして、こちらの迷宮は、塔になっている迷宮ですので、階段を登っていくんですが、まず、1階は、魔物は出ませんけど、2階からは小さなピクシーが出てくるんですよ」
「へーピクシーって妖精だよね」
「そのピクシーは 小さいし、すばしっこいんですよ。そしてピクシーが集まると人でも持ち上げてしまうんですよ」
「へ〜」
「人が、持ちあげられてしまうと、当然、高いところまで上げてから手を離すんですよね〜、それで、冒険者の方が、怪我をしたり、死んだりしていますから」
「怖いね〜」アリシア
「うん、怖い怖い」とアレク、なんだら嬉しそう
「 そしてダンジョンと言うのは、いつも同じことが起きるわけではなく、常に変化して変わっているんですよね、 だから迷宮って言うんですよ。」
「へー」
「 迷宮って迷うって書くでしょ、道が分かっていればダンジョン、つまり迷宮じゃないでしょ、 道が分かっていれば迷うことなく進めますもんね」
係官が話を進める
「 例えばですけど枚入った冒険者が地図マップしてくれていると、そこまでは簡単だと言うことがあるんですけど、確かに、そういう迷宮もあるんですが、常に変わっている迷宮の方が多いんですよ」
さらに係官が説明を進めてくれる
「 迷宮って言われるのは、本当に、コロコロ変わるから迷宮であって道が分かっていれば迷宮じゃありませんもんね」
さらに係官が説明してくれるが
「 まぁ前の冒険者が迷宮に潜ってみて簡単だと言えば、簡単な迷宮としてとして紹介しますが、冒険者の能力が皆さん違いますから一概に、こちらが、ここは簡単ですよといっても、その冒険者にとっては難しいと言うこともあるんです」
「なるほど」
「 だから本当のことを言えば、わからないのが実情ですね」と言われてしまった。
「 じゃぁ迷宮に潜るのに 名前と出身の国と村を書いていて下さい、死んだ時に知らせがいきますので」
なんだかすごい言われよう
「 あっ、それと迷宮に入ったときに冒険者の死体があったらギルドカードを見つけて持って帰ってください」
「はい、わかりました」
「 あなた方も注意してくださいね。ギルドカードだけになってしまいますよ」
「そうですね、注意しておきます」
「 まぁギルドカードがあるだけ良い方ですけどね」
「えっ」
「 だって名簿だけ書いて、いつまで経っても帰って来なくて、しかもギルドカードも戻ってこない人もいっぱいますから」
「はははっ」苦笑いするしかない。
担当者の人は、すごくあっけらかんとしている。
塔に 上っていく迷宮にするか、地下に降りていく迷宮にするのか。
自然にできている迷宮なんだから、安全か、どうかなんてわからないと、と言われたが、迷宮が、どうしてできるのかは、わかっていないらしいけど、攻略していくと、お宝が出現するらしい。
上に登っていく迷宮でも、下に降りていく迷宮でも、それぞれの階層に分かれているから階層主を倒してフロアを制覇すると言うことでお宝が出ることもあるらしい。
そして特殊な例らしいんだけど、エリアというのがありエリアと言うのは階層の中に存在している特殊な部屋らしいんだけど、そのエリアを制覇するとお宝が出ることもあるそうだ。
階層には複数のエリアが存在していて、簡単なエリアもあれば難しいエリアも存在していると言うことで難しいエリアほどお宝が出る可能性が高いと説明があった。
そして宝はもらった人のものだけど、どんなものがあったと申告しなければいけないらしいんだけど、言わない人が多くいるため何があったのかということを説明できないそうだ。
でも申告しなければいけないと言うことであり、離反ではないらしい。
そしてダンジョンには国が管理しているのがほとんどなので、入っていくには金貨を1人1枚、払わなければいけない。
ただし国が管理しているので、入場にはお金がいるということだ。
現場でも払うことができるらしいんだけど、事務所にいるので、ここでお金を払って、お金を払ったと言うチケットをもらって俺たちは決めたダンジョンに行くことにした。
ダンジョンの入り口に到着すると、掘っ立て小屋のような入り口を案内する建物が立っているので、そこでチケットを見せて迷宮に入っていくことにした。
案内する建物で、ギルドカードを提示しなければいけなかったので、全員がギルドカードを提示した。
ギルドカードを提示するとミスリルのカードは初めて見たと言って珍しがっていたけど、そこに書いてあるのが、特Sランクのカードだったので余計に驚かれた。
「ミスリルのギルドカードなんて、 長年、係官をやっていますけど初めて見ましたよ、しかも、特Sなんて‥‥‥ 」
係員が驚いて、なかなかカードを返してくれないのでカウンターに置いてあるカードを自分で取って、俺たちは部屋を後にした。
迷宮の入り口のは、5人ぐらいが横に並んで通れる広さしかなかったけど、先に歩いていくと通路も広がってきた。
「へー、これがダンジョンか!」と俺
俺の言葉を聞いていたアリシアが「なんだかすごいね!」
「誰か、今までにダンジョンに潜ったことある人?」と俺が言うと
手を挙げたのはソフィア。
「どこの、ダンジョンに潜ったの?」
ソフィアは、「村の近くに、小さいダンジョンがあったんだけど、そこくらいかな?」
「あ、それだったら私たちも」とイザベラとコリン
冒険者になる前に、本当に小さいダンジョンが村の近くにあったそうで、そこに遊び半分で行ったそうだ。
ソフィアが「でも、そこのダンジョンは、魔物が出なくて、蝙蝠くらいだったけど」
イザベラが「そうだね、あれにはびっくりしたね」
魔物に驚いたんじゃなくて、蝙蝠に驚いたわけね。
そこはダンジョンじゃなくて、普通の洞穴だったんじゃないかな?と思ったけど。
「じゃぁ、全員、今から気を引き締めて進むよ。特に物音に注意して」と俺が注意をする。
全員で10人いるので、魔法を使えるのは、ソフィアとアリシアとコリン。
そして全て使えるのは俺とアレクとロゼッタとパトリシア
あまり得意でないのがシャーロットとセラフィーナ
メンバーの真ん中のあたりに、シャーロットとセラフィーナを配置
迷宮は、前も注意しなければいけないが、急に、どこかから現れる可能性があるので、横や後ろを確認しながら進まなければいけない。
しばらく通路を進みながら、5人組の他のパーティーが戻ってきたみたいだ。
ハアハァ息を切らしながら、こちらをチラッと見て何も言わずに去っていった。
息を切らせて戻ってくると言う事は、この先に何かがあったはずだ。しかし、そういう情報をくれないと言うのは何か変だ。
ダンジョンに潜るのはライバル意識もある。だから教えないと言うこともある。情報を漏らしてしまうと、お宝がとられてしまうこともあるから。
俺たちはゆっくり、音や気配に注意しながら迷宮を進んでいく。
自分たちが通ってきた横を確認しながら、そして上からも魔物が来る場合があるので注意して進んでいく。
しばらく進んでいくと、少し広い広場に出た。
そこには他のパーティーが戦いを繰り広げていたが、冒険者と戦っているのは、カエルの顔をした魔物だ。
なんだかすごく気持ち悪い。戦いたくないよ。女性たちも、気味が悪い顔をしている。よく、気味が悪い魔物と戦えるなと思って、逆に尊敬してします。
戦っているパーティーから「俺たちの獲物を取るなよ」と言われたので、俺たちは足早に広場を通った。
さらに通路を進んでいくと、また少し広いスペースに出た。
そうすると横のトンネルから、イノシシの顔をした魔物が出現した。出現数は11匹。
俺たちは、すぐに横に広がって、パトリシアとセラフィーナを擁護しながら、倒していく。
アレクが2匹倒して、ロゼッタが1匹倒して、パトリシアが3匹倒して、倒したあとは、、あとは任せた〜、みたいに言って、土の出っ張りに腰かけて寄りかかって余裕の格好でこちらを見ている。
そして俺が向かってきた魔物を1匹倒した。
ロゼッタが戦っている猪頭が一番、強いみたいで、てこずっているけど、そんなにかからずに倒すことができた。
そしてイザベラも1匹倒した。次に凝りも1匹倒すことができた。
アリシアは1匹倒したみたいだ。
全部、倒すことができたけどメンバーから苦情が来た。
「私たちも参加させてくださいよ」セラフィーナ
「せっかく冒険者の格好しているんですから」シャーロット
シャーロットとセラフィーナも参加したいと。
「次、出たらお願いするよ」と俺は言った。
最近はシャーロットとセラフィーナも基礎魔法を展開して練習したり剣術の稽古をしているので上達はしている。
「もし俺が、逃げてと言ったら、何をおいても全員が引き返して」
「そういうことがないと思うけど、ダンジョンにも、ダンジョンマスターというのがいて、すごく強い場合があるんだよ」
全員が「はーい、わかりました」と答えたけど、なんでそこに、神獣たちまで返事しているのか、神獣より強い魔物なんていないだろ!




